2010/10/25国内男子

【GDO EYE】とっても新鮮、ボヤキ封印の藤田

スコアが良くても、プレー内容が伴わなければ納得しない。会見でも景気の良い言葉は出ず、すっかり“ボヤキ節”のイメージが定着している藤田寛之。そんな藤田が、この日ばかりは様子が違った。「客観的に見て、たまには自分を褒めてあげていいかな」。 バーディ合戦についていけず、優勝を逃した「ブリヂストンオープン」最終日。「やっぱりショットが原因」と、いつも通りの反省の弁が続く。賞金ランク2位の座を守り、来月開催の世界ゴルフ選手権「WGC HSBCチャンピオンズ」出場を確定させたが、「楽しみだけど、状態は良くないので、あまり期待はしていません」との言葉通り、褒める対象はプレー内容ではない。 この日、賞金540...
2010/10/22国内男子

【GDO EYE】藤田とキョンテの共通点

先週の「日本オープン」で優勝し、賞金ランクトップに浮上したキム・キョンテ(韓国)。同2位で藤田寛之が追う中で迎えた、今週の「ブリヂストンオープン」。その予選ラウンドでは同組で2人の直接対決が繰り広げられ、2日目を終えて通算9アンダーの2位タイと一歩も譲らず。3日目も、最終組に場所を移しての直接対決となる。 平均飛距離は、ともに280ヤード前後とほぼ同じ。ツアーでも屈指のショットメーカーであるこの2人、ショットの正確性と卓越したリカバリー能力で、飛距離のアドバンテージを補って余りある活躍を続けている。 同組でラウンドを重ねたことで、実際に互いの共通点を見出している。「プレースタイルが似ているので...
2010/10/07国内男子

【GDO EYE】尾崎が抱く、優勝への強い熱意

昨日6日(水)に行われた、尾崎将司の世界ゴルフ殿堂入りの公式会見。一夜が明けた「キヤノンオープン」初日、スタートホールに現れた尾崎に対し、待ち受けていたギャラリーから盛大な拍手が鳴り響いた。 プレー中も、あちこちから祝福の言葉が飛ぶ。「恥ずかしくなるくらい拍手をもらって、照れちゃうよ」と苦笑しながらも、「ファンの人に喜んでもらうことは嬉しいこと」と感謝の気持ちを示す。その上で、「でも、優勝した時の拍手が一番最高だけどね」と一言。2002年から遠ざかっている勝利への渇望が、この言葉を口に出させたのか。 昨日の会見でも、今なお衰えない優勝への熱意を語っていた尾崎。この日ラウンドを共にした片山晋呉は...
2010/10/16日本オープンゴルフ選手権競技

【GDO EYE】つぶやきながらスコアを伸ばす武藤俊憲

国内男子のメジャー第3戦「日本オープンゴルフ選手権競技」の3日目に3ストローク伸ばして、通算9アンダーの単独2位に浮上した武藤俊憲。2番でピン手前2.5mのバーディパットを外したが、5番パー5は3打目でピン奥2mのパットを沈めてバーディを奪う。 さらに続く6番はピン上1.5mのバーディパットを沈め、上位を脅かす。武藤はこの3日間5番、6番を完璧に攻略し全てバーディを奪っている。中盤の9番でボギーを叩いてしまうが、後半も12番パー5でバーディを奪い、13番パー3はピン奥1mにぴたりとつけるスーパーショット。距離の短い15番パー4でも着実にバーディを奪い、この時点で首位の藤田寛之に並んだ。しかし、...
2010/10/21国内男子

【GDO EYE】ゴルフは、やっぱりメンタルのスポーツ<小田孔明>

昨年は石川遼、池田勇太に次ぎ、賞金ランク3位と大ブレイクを果たした小田孔明。今シーズンも開幕戦で優勝と、賞金王争いの台風の目になるかと思われたが・・・。6月に入りまさかの大ブレーキで、国内ツアー5試合連続の予選落ち。優勝争いにも加われず、賞金王争いからも完全に取り残されていた。 その小田、今週の「ブリヂストンオープン」で首位に1打差の2位タイと好スタート。ホールアウト後は報道陣に囲まれ、「久々の囲み(取材)だよ。嬉しいなあ!」と、満面の笑みを浮かべた。キャップを外すと、綺麗に刈られた坊主頭。「髪も伸びていたし、気合でボーズにするか」と、今週の月曜日に頭を丸めたという。「高校2年生以来」という髪...
2011/06/18全米オープン

【GDO EYE】石川遼、海外メジャーで戦う意味

それは、完璧な放物線だった。左奥に半島のような形で池に突き出したグリーンに切られたピン位置は、その先端付近。全米オープン2日目、通算2オーバーで最終18番を迎えた石川遼は予選カットラインも気になる中、残り227ヤードの5Iで放った第2打を、花道からきれいな軌跡を描くドローボールで、ピン横へとぴたりとつけた。 前のホール、17番の第2打も見事だった。グリーンの手前エッジからピンまでは8ヤード。「8Iのフルショットだと飛んでもピンぴったりで、緩むと手前バンカーに入ってしまう。覚悟を持って打ったショットでした」と石川。これが、ピン手前2mについてバーディを奪う、予選通過へのウィニングショットとなった...
2011/04/09マスターズ

【GDO EYE】日本人初の「マスターズ」ローアマ誕生!

今年の「マスターズ」には、6人のアマチュアが出場。出場資格には、昨年度の全米アマや全英アマ、全米ミッドアマ、全米パブリックアマなど、アマチュア界のメジャータイトルを手にした世界トップクラスの精鋭たちが集結した。 その中に名を連ねたのが、昨年の「アジアアマチュア選手権」を制した松山英樹。アマチュア勢が大健闘を見せた初日、イーブンパーの31位タイに、松山をはじめ、昨年の全米アマ王者、ピーター・ユーライン、その決勝戦でユーラインに敗れているデビッド・チャンの3人が食い込んだ。翌日の地元紙はアマチュア勢の活躍に大きな紙面を割き、その中には松山の画像も並んでいた。 だが、2日目を終えて松山を除くアマチュ...
2010/04/17国内男子

【GDO EYE】54歳の倉本、若者たちに物申す

シニアツアーと並行してレギュラーツアーにも出場する54歳の倉本昌弘が、開幕戦で元気な姿を見せている。「東建ホームメイトカップ」3日目を終えて、首位に3打差となる8位タイ。強風によりスコアを崩す若者たちを尻目に、ベテランが大きな存在感を見せている。 年齢を重ね、自身よりもツアー全体を見る目が先走るのだろう。3日目を終えてアンダーパーはただ1人という状況に、自らのプレーを振り返るのもそこそこに物申す倉本。「このグリーンとこの風、このコースじゃしょうがないとは思う」と話す上で、「開幕なので、もうちょっと派手なゴルフを見せてあげたいというのが正直なところだね」と憂いの表情を見せる。 話題は、石川遼と池...
2010/04/09マスターズ

【GDO EYE】もしもウッズが優勝したら…?

今年で第74回を迎える「マスターズ」は、大会前も、そして始まってからもタイガー・ウッズの話題で持ち切りだ。 この日の1番ホール。多くのパトロン達の拍手と歓声に迎えられてティグラウンドに現れたウッズは、にこやかな表情で微笑を見せる。「なんか、違うよね」。ベテランカメラマンがその違和感をぽつりとこぼした。 上空にはウッズを揶揄する横断幕をつけた飛行機が旋回する。しかし、それとは裏腹にオーガスタに詰めかけたパトロン達の間からは、一つのブーイングも聞こえない。ウッズに近いナイキ関係者は、「あの1番での歓迎ぶりで、タイガーは内心ほっとしたと思う」と教えてくれた。ウッズも人の子、どんなにセルフコントロー...
2010/04/11マスターズ

【GDO EYE】最終日を待つ超豪華なリーダーズボード

「マスターズ」最終日を迎えるに当たって、これだけ役者の揃ったリーダーズボードにはなかなかお目に掛かれないだろう。 通算12アンダーで単独首位に立つリー・ウェストウッド(イングランド)は、昨年の欧州ツアー賞金王。メジャー大会未勝利だが、世界ランクは4位につけ、ここまでの3日間はすべて60台でのラウンド。明日も60台を出すことが出来れば、「マスターズ」史上初めての偉業となる。 1打差で2位につけるのは、この日のヒーロー、フィル・ミケルソン。13番で2オンに成功してイーグルを奪うと、続く14番では141ヤードの第2打をピン左上2mに落とすと、傾斜とバックスピンでボールはするするとカップに向かい、そ...
2010/04/12マスターズ

【GDO EYE】オーガスタでフェアウェイキープは必要ない?

「マスターズ」最終日を5バーディ、ノーボギーの「67」で回って、自身3度目のグリーンジャケットに袖を通したフィル・ミケルソン。この日のベストショットといえば、13番パー5で右の林の中から前方の松の間、約1.5mの隙間を通して2オンに成功させた6Iでのショットが思い浮かぶ。 「(幹の間の)空間は少し開いていて、もちろん広い訳ではないけど、球が抜けていくには十分だった(微笑)」と事も無げ。「あとは自分のスイングを信じるだけだった」とトラブルをものともせずにバーディへと繋げた。 「マグノリアレーンを通ってオーガスタナショナルへ来ると、とてもリラックスした気分になる」と言うミケルソン。「何故なら、こ...
2010/04/15国内男子

【GDO EYE】池田を襲った、思わぬ強敵

先週の「マスターズ」では日本勢でただ1人予選を突破し、初出場で29位と大健闘を見せた池田勇太。13日(火)に帰国後、練習ラウンドとプロアマ戦も無しに今週の「東建ホームメイトカップ」にぶっつけ本番で挑んだが、さすがの“若大将”もこのハードスケジュールには音を上げた。 ドライバーショットは好調なもののグリーン上で大いに苦しみ、その数35パット。7ボギー、1ダブルボギーの「80」を叩き、9オーバーの117位タイと大きく出遅れた。会見場に現れた池田は、どこか虚ろな表情。全体的にスコアが伸び悩んだ初日、多くの選手がグリーンの速さと固さ、真冬並みの寒さに苦しんでいたが、池田の不振の理由は別にあった。 「グ...
2009/08/22国内男子

【GDO EYE】心身ともに絶好調の藤田寛之

「関西オープン」3日目、コースレコードを更新する10アンダー「61」を叩き出した藤田寛之は、「パターが入っていたら、もっと行っていた。信じられないですけど」と自身の絶好調振りを説明する。 1番6m、8番1.5mと2度のイーグルパットを外してバーディ。他にも3番6m、4番3m、12番6m、14番2mとバーディパットを外している。それで10アンダーなのだから、やはり絶好調と言えるだろう。 7月末の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で優勝し、「全米プロゴルフ選手権」でも「最終日までの3日間は良いゴルフが出来た」と手ごたえを感じて帰国。「自分に対する裏付けという...
2009/09/04国内男子

【GDO EYE】久保谷、呪縛から解放された今後

国内男子ツアー「フジサンケイクラシック」2日目を終え、通算7アンダーの単独2位に浮上した久保谷健一。4番パー3でチップインバーディを決めるなど難コースを攻略し、優勝争いに名乗りを挙げた。 その久保谷、実は先週の「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」で、強いこだわりを持っていた自身の記録が途絶えてしまった。カットラインに僅か1ストローク及ばずに予選落ちを喫し、昨年の「セガサミーカップ」から1年以上続けていた連続予選突破がストップ。「優勝よりも、予選落ちの無いアベレージ的なゴルファーでいたい」と話す久保谷にとって、失意の一戦となってしまったのだ。 モチベーションの低下につながってしまう...
2010/03/21米国男子

【GDOEYE】PGAツアーの対応の早さ

米国男子ツアー「トランジションズ選手権」は明日最終日を迎えるが、当初予定されていたスタート時間が大幅に変更されることになった。理由は、最終日の天候が午後になって崩れそうだと分かったからだ。 通常なら、この日の第3ラウンドと同じく2人1組の2サムで、全員1番ホールからスタートする1ウェイ方式。日本と同じくテレビ放映の時間内に競技を終了させるために13時ころのスタートになる。ところが、明日は3人1組の3サムで、アウト・イン同時にスタートする2ウェイ方式。 最終組のスタートが9時40分なので、遅くとも15時には競技が終了して表彰式が行われると予測される。この情報は、土曜日の14時の時点で関係者や選手...
2010/03/28米国男子

【GDO EYE】今田竜二、マスターズ出場なるか!?

昨年、初出場した憧れのマスターズで20位タイに入った今田竜二。しかし、1年を通して振り返ると、昨年は2005年のPGAツアーデビュー以来、始めてトップ10入りの無いシーズンとなり賞金ランクは118位。現在世界ランク167位の今田にとっては、今年のマスターズ出場の望みは、僅かに今大会での優勝を残すのみだ。 昨年秋に痛めた肋骨の影響で、今年の3月頭から3週間の休養を余儀なくされた。今週の「アーノルド・パーマーインビテーショナル」が4試合ぶりの復帰戦。初日は「一緒に回っている選手の前に立ってみたり、ボーっとしていることが多かった」ともたついたが、通算1アンダーで迎えた3日目は「69」の快スコア。「や...
2010/03/27米国男子

【GDO EYE】遼の変貌を引き起こしたのは…

「アーノルド・パーマーインビテーショナル」2日目、石川遼がスタート前の練習場でウォームアップをするすぐ隣で、前夜到着したばかりの父・勝美氏がじっとその動きを見詰めていた。 「トップで頭が下がらないように」。「上を向くのが早い」。「(体が)回ってない。起き上がっている」。細かく的確な指示が飛ぶ。石川も一つ一つの動きを確認するように、スイングを繰り返す。「もうちょっとフルショットしなさいよ。どのクラブでも40ヤードのアプローチのようなスイングになっている」。昨日は不安そうな印象を受けた石川のスイングが、見る見るダイナミックなものに変わって行った。 前週の予選落ち、そして今週初日の出遅れを「ガキの出...
2009/07/26国内男子

【GDO EYE】藤田がプレーオフを避けたかったライバル

「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で今季初勝利を飾った藤田寛之。同じ最終組には、ともに芹澤信雄を師匠とし、ライバルとして互いに認め合う宮本勝昌がおり、終盤まで熾烈な優勝争いを演じた。 中盤、宮本が7番からの4連続バーディで単独首位に。3打差で追う藤田には、まだ優勝争いに加わっている現実味が無かったようで、「とにかく自分もついていこう」と半ば傍観者の立場だった。だが、宮本が伸び悩み始めてからは「自分の優勝を目指せる感じがした」と意識も変わり、バーディも量産。宮本に1打差をつけ、通算15アンダーで最終18番パー5を迎えた。 3打目をピン手前2.5メートルに...
2009/08/16全米プロゴルフ選手権

【GDO EYE】熱い男、藤田寛之の叱咤激励

「全米プロゴルフ選手権」で2年連続で決勝ラウンドに進出し、今週も3日目を終えて26位タイと健闘を見せている藤田寛之。今田竜二、片山晋呉と、日本が誇る日米ツアーのトップ2人が予選落ち、石川遼も70位タイと下位に沈んでいる現在、一層の輝きを放っている。 だが、藤田の心中は穏やかではない。この日、自らのプレーについて語った後の言葉が印象的だった。「日本人がここに4、5人くらい居てもいいじゃない。何で居ないんだ、って感じ」。藤田の頭の中には、日本人プレーヤーの世界的地位の向上、というテーマが常にあるようだ。 決勝ラウンド進出を決めた昨日も、「予選通過で満足しているようじゃダメ。世界に対して、日本人プレ...
2009/08/01国内男子

【GDO EYE】“飛ばし屋”VS“飛ばさない屋”

「サン・クロレラクラシック」3日目の最終組は、石川遼、山下和宏、津曲泰弦という顔合わせとなった。石川、津曲ともにツアートップクラスの飛距離を誇る。ド迫力の“飛ばし屋対決”に、ティグラウンドを陣取るファンからも「オーッ」という歓声が沸き起こっていた。 ここで、引き立て役となってしまったのが山下だ。ホールによっては、30ヤード以上も後方から2打目を打つことも。「今日は“飛ばさない屋”で行こうと思ったのですが…」と割り切ってスタートしたが、「ついつい力が入ってしまい、ティショットが乱れてしまった」と苦笑した。 昨日、同じく“飛ばし屋”として鳴らすブレンダン・ジョーンズから、石川、津曲と同組に対して...