2014/03/05GDOEYE

松山英樹は、あの“サボテンショット男”と同組に

フロリダ州のトランプナショナルドラールで開催される「WGCキャデラック選手権」に初出場する松山英樹は、初日、2日目のラウンドで元世界ランク1位のルーク・ドナルド(イングランド)、そしてフランスの23歳、ビクトル・デュビッソンと同組になった。 デュビッソンといえば2週前の「WGCアクセンチュアマッチプレー」でブレークした新星。同大会ではバッバ・ワトソン、グレーム・マクドウェル(北アイルランド)、アーニー・エルス(南アフリカ)と立て続けにメジャー王者を破り、準決勝を突破した。 そして決勝戦ではジェイソン・デイ(オーストラリア)と23ホールの死闘を演じた。ドーミーホールの17番から2連続アップで追い...
2014/03/04GDOEYE

左手回復の松山英樹が5時間練習 今大会はマスターズ前最終戦に

前週の米国男子ツアー「ザ・ホンダクラシック」2日目に、左手首痛を訴えてスタート前に棄権した松山英樹が3日(月)、今週の「WGCキャデラック選手権」の開催コース、フロリダ州のトランプナショナルドラールで練習した。 棄権した翌日の1日(土)にマイアミ近郊ドラールに入った松山は、2日(日)から当地で調整を行っていた。この日は正午過ぎにコースに登場。左手の前腕に張り巡らされたベージュのテーピングが痛々しい。だが、周囲の不安はこの日の練習で和らいだ。 アプローチ、そしてドライビングレンジでの打ち込み、最後のパター練習を終えるまで実に5時間。試合中のフルスイングよりは軽めの動きにも見受けられたが、「痛かっ...
2014/03/03GDOEYE

ニクラスの罠で傷だらけに マキロイは“あの”マスターズ以来の逆転負け

“痛恨の一打”がひとつに決められない。フロリダ州のPGAナショナルで開催された米国男子ツアー「ザ・ホンダクラシック」。ロリー・マキロイ(北アイルランド)がまさかの逆転負けを喫した。 単独首位の座を3日間守り、完全優勝に王手をかけていた最終日。悪夢の敗戦を喫した2011年「マスターズ」以降、54ホールを終えてトップに立っていた3試合はすべて逃げ切っていたはずだった。しかし2シーズンぶりのPGAツアーでの優勝を狙った今大会。後続になんとか1ストロークのリードを保って迎えたサンデーバックナインに悲劇が待っていた。 12番で15メートルから3パットを叩き、自ら混戦を呼び込んだマキロイ。16番でフェアウ...
2014/02/23GDOEYE

比嘉真美子 憤懣やるかたない2罰打を成長の糧に

「ホンダ LPGAタイランド」最終日。アウトの第1組で34位からスタートした比嘉真美子は、リーダーボード上では5バーディ3ボギーと2つ伸ばし、通算1オーバーで最終18番をホールアウトしてきた。しかし、比嘉の表情はまったく冴えないものだった。 「16番がスロープレーらしくて、2ペナだったんです・・・」。 パーで上がったはずの16番(パー3)は、アテスト時に「5」の数字に改められ、結果的に「72」のパープレー。日本でもスロープレーの指摘を受けたことがなく、かねてからプレーファストを心がけている比嘉は、アテスト前にルールオフィシャルに抗議し、日本のテレビ中継局の映像で確認まで行ったが、裁定がくつがえ...
2014/02/23GDOEYE

聖地のベストスコアを持つ男 デュビッソンが準決勝へ

ベスト4が出揃った「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」。続けて決勝戦も行われる23日(日)の準決勝第1試合では、年の差ひとつ、25歳のリッキー・ファウラーと26歳のジェイソン・デイ(オーストラリア)の人気者同士が対戦。その一方で、大会最年長優勝がかかる44歳のアーニー・エルスは、まだあまり聞き慣れない新鋭選手とぶつかる。 フランス・カンヌ出身のビクトル・デュビッソンは1990年生まれの23歳。3回戦ではバッバ・ワトソンを破り、この日は連日逆転勝ちを収めてきたグレーム・マクドウェル(北アイルランド)に対し、序盤3ホールで2ダウンを奪われながら、相手のお株を奪うような逆転勝利。連日メジャーチ...
2014/03/01GDOEYE

ウッズはギリギリで予選通過 “悲劇の週末”は免れる

タイガー・ウッズのエンジンがなかなか、かからない。フロリダ州のPGAナショナルで開催中の米国男子ツアー「ザ・ホンダクラシック」2日目を終え、ウッズは通算イーブンパーの66位タイと低迷している。 初日に1オーバーと出遅れたウッズは第2ラウンドも渋い表情でプレーを続けた。パーオンに成功したのはわずかに9ホール。そして20フィート(約6メートル)以内のバーディチャンスもショットで作れない。4番ではグリーン右手前のバンカーからの脱出に失敗してボギーを叩くなど精彩を欠いた。 3バーディ、2ボギーの「69」でまとめたが「もちろん良いショットを打ちたかった。特に今日はね。なんとかスコアをマークできたのはよか...
2014/02/28GDOEYE

“選手負担ゼロ”から伝わる主催者努力

今週シンガポールで開催の米国女子ツアー「HSBC女子チャンピオンズ」は、前年の優勝者や世界ランキング上位者など、出場資格が限られた“エリートフィールド”。選手たちは中心街にあるオフィシャルホテルに宿泊をし、ラウンド後は思い思いに海外の地を楽しんでいるようだ。 オフィシャルホテルは主催者の意向で決められ、基本的には安全面や快適性を優先した高級ホテルがほとんど。興味本位で昨年までのオフィシャルだったホテルに足を伸ばしてみたところ、カジノや高級ブランド店がズラリと並ぶショッピングモールが併設された異空間だった。 さぞ高いだろう・・・と思って宮里美香に聞いてみたところ、「今週、選手は無料なんですよ。飛...
2014/03/02GDOEYE

救急搬送されても…宮里藍が60位完走を果たした理由

昨年の世界ランキング上位者など63名が出場した米国女子ツアー「HSBC女子チャンピオンズ」を、今季3戦目となる宮里藍は通算17オーバーの60位という順位で終えた。 開幕戦からの2試合は62位タイ、45位タイと低調なシーズンイン。先週の「ホンダ LPGAタイランド」で宮里は、パットのフィーリングへの悩みを訴えていた。開幕戦後にアップした自身のブログでも、「パターは生まれて初めて、悩んでいます」(一部抜粋)と告白。2試合を終えての平均パット数は31.25で、今大会までのツアー出場選手122人中91位と低迷。パットが足かせとなっていることは、数字を見ても明らかだ。 宮里は今週、初日のラウンド終了後に...
2014/02/22GDOEYE

3回戦敗退のガルシア、“奇妙な”コンシード

アリゾナ州のダブマウンテンGCで開催中の「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」。3回戦が行われた大会3日目、セルヒオ・ガルシア(スペイン)とリッキー・ファウラーのマッチで奇妙な一幕があった。 その場を目にした人々がみな、ポカンと口を開けたシーンは7番パー4だった。2ダウンと劣勢で同ホールを迎えたファウラーは第1打を左サイドに曲げ、セカンドでフェアウェイにレイアップ。しかし3打目も奥のピンに寄せきれず、5メートル強のパーパットを残していた。 しかし、グリーン上で膝を曲げてラインを読んでいた時、ガルシアが突然「引き分けにしないか?」と、コンシード(いわゆるOK)を申し入れたのである。 ガルシア...
2014/02/24GDOEYE

Gマックが魅せてくれた醍醐味 WGCマッチプレーの行方は?

サボテンが立ち並ぶ砂漠地帯、アリゾナ州ツーソンの北にあるダブマウンテンGCを会場としてきた「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」は、米国PGAツアーの年間スケジュールで唯一のマッチプレー大会。世界ランキング上位64人の選手が出場権を手にするエリートフィールドは、世界でも随一と言える。 各国ツアーのシステムや日程変更により、年々複雑化していくスケジュールの影響もあり、今年はタイガー・ウッズ、アダム・スコット、フィル・ミケルソンが欠場という寂しいニュースが波紋を呼んだ。だが、ふたを開けてみれば、連日繰り広げられた各マッチは例年同様、熱気にあふれていた。 5日間にわたる大会の前半戦の主役の1人は...
2013/10/27GDOEYE

賞金女王への“OKライン”は? 横峯さくらが操るメンタル術

今季3勝目を手にした「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」の優勝会見で、横峯さくらは“OKラインを下げる”というフレーズを何度も繰り返した。 今年8月にメンタルトレーナーとして正式に契約を交わした森川陽太郎さんが、ほかの競技のコーチングでも、中心に据えているトレーニングテーマだ。森川さんは「自分に素直になること。無理にポジティブに考えず、そのままの感情や結果を受け入れることです」と、言葉の意味をかみ砕いて説明した。自身もサッカー選手だった経験も活かし、パフォーマンスを最大に発揮するため、アスリート目線に立って構築された独自のメソッドという。 この思考法を、横峯は「自分に過剰な期...
2013/10/27GDOEYE

バッバ・ワトソン “予選カット無し”を巧みに利用

今年から米ツアーのスケジュールが変更され、この10月には2013-14年シーズンが開幕した。新シーズン1年目、その変化は色々なところに影響を及ぼしている。 例えば、選手とメーカーの関係だ。某クラブメーカーのスタッフは、「選手との契約が難しくなりそうだ」と言う。これまでの契約は1月1日からというのが一般的。だが、新スケジュールでは、シーズン途中に契約を結び直すという事態になりかねない。クラブだけでなく、所属やスポンサーとの関係もそうだろう。新シーズンから契約するところと、1月から契約するところが混在すれば、おのずと煩雑さは増してくる。 クラブを使う選手側にも同じような問題が発生する。例えば新クラ...
2016/07/23GDOEYE

ゴルフで鍛えた心臓 時松隆光が初勝利に王手

仲間からはいまだに「ゲンちゃん」と呼ばれる。本名を時松源蔵(ときまつ・げんぞう)という22歳は、2012年のオフに地元・福岡のお寺で頂いた時松隆光(りゅうこう)に登録名を変えた。「ダンロップ・スリクソン福島オープン」3日目にコースレコードタイの「63」を叩き出した時松は、後続に5打差をつける通算21アンダーまでスコアを伸ばし、ツアー初勝利へ大きく前進した。 「時松です。はじめまして」。今週のテレビ解説を務めるJGTO会長・青木功の呼びかけに、恐縮しきりで答えた。最終日に向け大量リードを手にしながら「経験させてもらうだけでもありがたい。“あわよくば”上位に行きたい」と話すと、世界のアオキから「半...
2016/07/21GDOEYE

「元賞金女王」の森田理香子 シード圏外からの真っ直ぐな瞳

2013年に初の賞金女王に上り詰めた森田理香子が、当時からは思いもよらなかった下降線をたどっている。14年3月「Tポイントレディス」から勝利に見放され、賞金ランクも同年は16位、15年は20位と後退。今季も16試合を終えて10試合の予選落ちを喫しており、シーズンのほぼ中間点の今、賞金ランク76位と来季シード圏外にいる。 22日開幕の「センチュリー21レディス」を前にして、「最近は全部がダメ。成績が悪いとイメージも出ない。ひとつ良くなれば徐々に良くなっていくと思うので、後半戦は大丈夫だと思っています」と、自らに言い聞かせるように現状を言葉にした。 この2年半、森田はさまざまな悩みと戦ってきた。そ...
2016/07/21GDOEYE

1998年生まれ 日本ツアー最年少プロはちょっと大きな韓流クン

2008年1月、石川遼がプロ転向した年齢は16歳。高校1年の冬にアマチュアから卒業し、史上最年少のツアープロ誕生と大きな話題になった。いまだその記録を破る若者はいないが、現在の国内ツアーのメンバーで最も若い選手は韓国出身の18歳だ。 福島県のグランディ那須白河で開幕した「ダンロップ・スリクソン福島オープン」初日、4人が並ぶ7アンダーの首位で滑り出した任成宰(イム・ソンジェ)は1998年3月生まれ。韓国・天安高校の現役3年生である。 済州島出身の任は、ゴルフ好きの母の影響で6歳でクラブを握った。韓国のナショナルチームに選出されるほどのトップアマだったが、昨夏に「大学に行ってもいずれはプロになりた...
2016/07/22GDOEYE

マッチプレーならでは駆け引き、あれこれ

ストロークプレーとは異なるプレー方式のマッチプレー。女子ツアーではあまり馴染みのないフォーマットには、独特の戦略や駆け引きが存在する。よく聞くのは“コンシード”、いわゆるOKに関するもの。前半は少し長めのパットにもOKを出し続け、ここぞというときにOKを出さないと、相手は戸惑い、焦りから外す確率が高くなる。そんな戦略が有名だ。 ところで、相手にコンシードされた場合に「いや、私は打つ」と言って断ることはできるのだろうか?答えはノー。今週行われている米国女子ツアーの国・地域別対抗戦「ULインターナショナルクラウン」で、こんな場面があった。 渡邉彩香と鈴木愛が組んで、タイのアリヤ・ジュタヌガン、ポラ...
2016/07/21GDOEYE

リオ五輪へ 世界の女子代表たちの予防接種事情

出場選手も確定し、リオデジャネイロ五輪の女子ゴルフ開幕まであと4週間。現地ではジカ熱を始め、多くの感染症の恐れがささやかれているが、実際にブラジルへ行く選手たちはどれだけの予防接種を受けているのだろう?米国女子ツアーの国・地域別対抗戦「ULインターナショナルクラウン」の会場で、五輪代表選手たちを直撃した。 「私は5本」と言ったのは、オーストラリア代表のミンジー・リー。A型とB型肝炎のほか、インフルエンザ、さらに「大丈夫だとは聞いたけど」という黄熱病の予防接種も受けたという。同じオーストラリアのスヒョン・オーは「同じ日に3本打って、次の日に1本打ったら、肩が痛くて上がらなかった」と、壮絶な体験を...
2016/12/06GDOEYE

「30歳から自分の時代を築く」変化し進化する賞金王・池田勇太

年間にこれだけ多くの変化を重ねた選手も珍しい。「行き詰っていたのかもしれないし、何かに飽きていたのかもしれない。何かを変えたいと思っていたのは確か」。国内ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で、賞金王を決めて記者会見場に登場した池田勇太。長めの髪と、細身のウェア姿はもう見慣れたが、節目の30歳で試みた1つ1つの変化が、自身初のタイトルをもたらした。 1月下旬、シンガポールで開幕した国内ツアーの「SMBCシンガポールオープン」で披露した池田の姿が1つ目の変化。「30歳になって、気持ちも新たに」と角刈りだった髪を伸ばし、トレードマークだった太目のスリータックパンツから、スリムなノータックパ...
2016/12/12GDOEYE

ゴルフ男女ツアーのギャラリー数&視聴率を検証してみた

ゴルフ国内男子ツアーの2016年シーズンは、12月の「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で全日程を終えた。国内女子ツアーも「LPGAツアー選手権リコーカップ」で締めくくった。賞金タイトルは男子が池田勇太、女子は2年連続でイ・ボミ(韓国)だった。今年の両ツアーの盛り上がりをギャラリー数、テレビ視聴率で検証していく。 ■ギャラリー数は女子ツアー圧倒!松山&石川の効果はテキメン 日本ゴルフトーナメント振興協会のまとめによると、ギャラリー数は男子ツアーが日本で開催された24試合で34万9681人(昨年は33万6427人)。一方、女子ツアーは同じ37試合(熊本地震のため中止になった1試合を除く)が開催され...
2016/08/07GDOEYE

ゴルフはチームプレー イ・ボミの強さの源泉とは?

2016年の国内女子ツアーは全38試合。今週は22戦目で、シーズンはすでに後半戦へと突入した。北海道の札幌国際CC島松Cで開催された「meijiカップ」は、賞金レーストップに立つイ・ボミ(韓国)が、通算10アンダーで今季3勝目を遂げた。年間7勝を飾った昨季よりも3週間(2試合)早いペースで、勝利数を積み上げている。 開幕から更新を続けた連続トップ10記録は、18位に終わった前週の「大東建託・いい部屋ネットレディス」で途絶えた。大会2日目の最終ホールでたたいたクアドラプルボギー(『9』)が響いた。 その日の夕方、キャディを務める清水重憲氏にイからメッセージが届いたという。「ノリさん(清水キャディ...