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比嘉真美子 憤懣やるかたない2罰打を成長の糧に

「ホンダ LPGAタイランド」最終日。アウトの第1組で34位からスタートした比嘉真美子は、リーダーボード上では5バーディ3ボギーと2つ伸ばし、通算1オーバーで最終18番をホールアウトしてきた。しかし、比嘉の表情はまったく冴えないものだった。

「16番がスロープレーらしくて、2ペナだったんです・・・」。

パーで上がったはずの16番(パー3)は、アテスト時に「5」の数字に改められ、結果的に「72」のパープレー。日本でもスロープレーの指摘を受けたことがなく、かねてからプレーファストを心がけている比嘉は、アテスト前にルールオフィシャルに抗議し、日本のテレビ中継局の映像で確認まで行ったが、裁定がくつがえることはなかった。憤懣(ふんまん)は収まらない。「ルールなので従いますけど、私のペースで(スロープレーを)とられたことに、まったく納得いっていません」と、深い溜息をついた。

LPGAの規定では、1ホールにおける許容タイムは<1ストローク×30秒+10秒>となっている。パー3でパーだった場合に当てはめると、3×30秒+10秒=100秒で、101秒を越えると2罰打が課せられる。オフィシャルの説明によると、比嘉はパーパットがタップインだったため2ストローク分でカウントされ、2×30秒+10秒=70秒が許容タイム。しかし、今回の比嘉のケースでは競技委員の計測が、ティショットで46秒、バーディパットが30秒、計76秒だったため、ペナルティの対象となったという。

ペナルティの前段となる警告は、前半4番から比嘉の組に与えられていた。「私が(同伴者のプレーを)待っていることが多かった」と、立場的には傍観者として、それを受け止めていたという。その後11番から計測が行われ、16番は前のホールをバーディとした比嘉が(最初にボールを打つ)オナーだった。

「私はまだ(ティショットの)準備が出来ていない状態だと思っていたけど、彼らは(準備が)出来ていると判断して計測を始めたみたい」。お互いの主張は交わることなく、平行線をたどるだけだった。

しかし、16番を終えてペナルティを宣告され、「意味が分からない」と戸惑いながらも、プレーヤーとしての比嘉は冷静だった。「プレー中にイライラしてはいけない。目の前のボールに集中した」。いずれも難度の高い17番をパー、最終18番をバーディフィニッシュ。「頭と体が混乱している中で、(2ホールを)アンダーで回れたことは良かった。こんな状況でも集中してプレーできるんだ、と勉強になりました」。負けん気が強い20歳は、転んでもただでは起きることなく、不測の事態をできるだけポジティブに消化しようとしていた。

昨年大会は通算20オーバーで最下位に終わっていた比嘉は、「技術的にもメンタル的にも成長を感じられた4日間だった。1年前の自分とは、確実に違うことが感じられた」と総括。最後まで不満顔ではあったが、この日の不本意な裁定も、結果的には比嘉の成長を物語るエピソードの1つとなっていくのかもしれない。(タイ・チョンブリ/塚田達也)

塚田達也(つかだたつや) プロフィール

1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。

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