2014/03/11GDOEYE

異例の充電期間「4週間」 松山英樹は堂々とマスターズへ向かう

マイアミに春の風が吹き荒れた「WGCキャデラック選手権」は日々、松山英樹に関するトピックスであふれた。 前週の「ザ・ホンダクラシック」を左手首痛で途中棄権してからの復帰戦。初日は雷雨による日没サスペンデッドを強いられ、2日目には暴風を受けて16ラウンドぶりのオーバーパーを叩いた。その夜にはイアン・ポールターにツイッターでバカ呼ばわりされ、翌朝になると前日パターでグリーンに傷を作ったことを謝罪してまわった。話題に事欠かない4日間だった。 だが、もうひとつ別の意味でも着目すべき点もあった。松山にとって、この試合が4月の「マスターズ」前の最終戦だったことだ。 新年早々、1月の「ソニーオープンinハワ...
2014/03/10GDOEYE

開幕戦のチカラ 2014年国内女子ツアーに高まる期待

雨、雨、雨。大会3日間冷たい雨と強風が吹き抜けた2014年の国内女子ツアー開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」は、ツアー史上初の大会連覇を狙った昨年の賞金女王・森田理香子が、首位タイで迎えた最終日にスコアを伸ばせず2位。タイ出身のO.サタヤが逆転でツアー2勝目を挙げ、幕を閉じた。 誰もがスタートダッシュを狙う大会は今年、勝利を掴んだサタヤだけでなく、出場全選手がオフの成果を発揮し、それぞれに見せ場を作って、ともすれば肌寒ささえ感じた会場を熱く盛り上げたのが印象的だった。 地元の沖縄県出身では米ツアーから帰国参戦した上原彩子、宮里美香らプロ9選手、アマチュアも4選手が出場。母親の実家が沖縄県とい...
2014/03/09GDOEYE

新・飛ばし屋伝説! 渡邉彩香が遭遇した珍事とは

国内女子ツアーでは、年々若手選手の台頭が著しい。2014年の開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」で6アンダーの2位タイに食い込んだ20歳の渡邉彩香は、特に豪快な飛距離を武器としており、今季の飛躍に期待が大きい選手の1人だ。 172センチの恵まれた体躯から繰り出すドライバーショットは280ヤードを越えることも。初のフル参戦となった昨季は賞金ランキング46位に入りシード権を掴んだ。 その渡邉に最終日、飛ばし屋ならではの珍事が起こった。 7番パー5でティショットを左に曲げた渡邉が、2打目地点に向かうとボールとは少し違う場所でギャラリーがざわめいていた。「ボールを拾ったやつがいたのよ」。沖縄の方言で親...
2014/03/16GDOEYE

ヨーロピアンは不振?ローズが3打差を追う

2013-14年シーズンの米国男子ツアーは10月に開幕し、前週の「WGCキャデラック選手権」および「プエルトリコオープン」までに17試合が終了。早くも3勝のジミー・ウォーカー、2勝のパトリック・リードを含め、ここまで14人のチャンピオンが生まれた。 しかし、このうち「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」を制したジェイソン・デイ(オーストラリア)を除けば13選手はすべて米国人選手。欧州出身のプレーヤーは6大ツアーが集まる世界選手権シリーズ(WGC)も含めて未勝利が続いている。 フロリダ州イニスブルックリゾートで開催中の「バルスパー選手権」も3日目を終えてトップ2はロバート・ガリガスとケビン・...
2014/03/09GDOEYE

ポールターが松山英樹に過激すぎる? 教育的指導

イアン・ポールター(イングランド)は、ファッショナブルでマッチプレー巧者といったイメージがある一方で、その歯に衣着せぬ発言が絶えず注目されている。自身のSNSでの投稿がコース内外で物議を醸すことも珍しくない。今週フロリダ州のトランプナショナルドラールで開催中の「WGCキャデラック選手権」で、松山英樹の行動が“標的”となり、厳しく非難された。 ポールターは2日目のラウンドを終えた夜、ツイッターで「明日はマツヤマとの(同組で)プレーだ。彼は(今日の)13番でホールから5フィートのところに、パターでクレーター(くぼみ)を作った。彼が直さなかったから、競技委員を呼んで直さなくてはいけなかった」と投稿し...
2014/03/15GDOEYE

ジョン・デーリーがイップスに? キャリア最悪の「90」

ゴルフ界きってのお騒がせ男が大暴れだ。フロリダ州のイニスブルックリゾートで開催中の米国男子ツアー「バルスパー選手権」2日目。ジョン・デーリーがキャリアワーストの「90」と崩れ、通算22オーバーの最下位で予選落ちした。 3オーバー98位タイから出たデーリーは、アウトで2つのダブルボギーを含む「43」の大叩き。決勝ラウンド進出は早々に絶望的になっていたが、後半16番で“らしさ”全開に。ティショットを右サイドの池に打ち込むと、3番ウッドでの打ち直しの3打目、さらに5打目も池ポチャ。7打目で安全なフェアウェイ方向に打ち出したが、グリーン右バンカーからの“ホームラン”も含め、11オン1パットの「12」を...
2014/03/17GDOEYE

モロッコでのゴルフ発展は、故ハッサン2世の“先見の明”にあり

「モロッコに最初のゴルフコースが設立されてから、今年で100年目を迎えます」――。そう話すのは、王立モロッコゴルフ連盟の副会長を務めるムスタファ・ジン氏。「ハッサンIIゴルフトロフィ」の大会プロモーター副会長でもある(同連盟の会長はムーレイ・ラシッド王子)。 その名が冠となっている故・ハッサン2世は、渡米をきっかけにゴルフというスポーツに魅了され、当時コース設計界の巨匠と言われた、ロバート・トレント・ジョーンズ・シニアにこう依頼した。「自分にとって夢のようなゴルフコースを作って欲しい。そのためなら何でもする」--。それが現在、王子もお忍びでプレーに足を運ぶRoyal Golf of Dar E...
2014/03/16GDOEYE

「ハッサンIIゴルフトロフィ」ガラディナー潜入記

ゴージャスなドレスやタキシードに身を包んだハリウッドスターさながらの選手たちが、レッドカーペットの上でゆったりと歩を進め、まるでVIPの結婚式披露宴を思わせるような巨大会場へと向かう。それはアカデミー賞受賞式を彷彿とさせ、夢とも現実ともつかない別世界と錯覚してしまうほどの“大会主催パーティー”だった--。 写真は、モロッコで開催されているヨーロピアンツアー「ハッサンIIゴルフトロフィ」の3日目の夜に行われる“ガラディナー”の光景だ。日本では大会冠スポンサーの主催パーティーはトーナメント前夜に行われることが主流だが、国際試合ではトーナメント開催期間中の土曜日の夜に行われることも珍しくない。 この...
2014/01/25GDOEYE

経験と若さ、ウッズとスピースの好対照

ここに1つの記録がある。タイガー・ウッズがトーナメントの前半36ホールを終えて、パー5で1つもバーディ(以上)が奪えなかった試合は、PGAツアーのキャリアにおいてわずかに5回。きょう2日目を終えた「ファーマーズインシュランスオープン」で、その数は「6」になった。 「1ヤード、いや30センチの違いでストレスの溜まるラウンドになってしまった。フェアウェイに落ちても、転がってほんのちょっとラフに入ってしまう。その途端、(ラフが深いので)ピンを狙って積極的にはいけなくなる。それがスコアに現れた」。 ここトーレパインズGCで過去8度の優勝を誇っているウッズだが、ジョーダン・スピース、ジミー・ウォーカーと...
2014/01/24GDOEYE

ノースとサウス、難易度の差とペアリング

カリフォルニア州ラ・ホヤにあるトーレパインズGCで開幕した「ファーマーズインシュランスオープン」は、日の短い1月にも関わらず156人の選手を回すため、予選ランドではノースとサウスの2コースを使って競技が行われる。 初日、その平均スコアはノースコースが「70.526」、一方のサウスコースは「74.449」。両コースの間には4打近い差がついた。その理由は、まったく違うコースコンディションにある。サウスは硬く締まったグリーンに、軟らかいフェアウェイと深いラフ。一方のノースは距離も640ヤードほど短く、グリーンも比較的軟らかい。 リーダーボードを見れば、10位タイまでの16人中、初日にサウスコースを回...
2014/01/30GDOEYE

フェニックス名物“スイート16”

乾燥した空気とまぶしい太陽が照りつけるTPCスコッツデール。アリゾナの荒涼とした砂漠地帯に開かれたこの場所が、年に一度のお祭り騒ぎを迎えている。 「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」名物といえば、やはり16番ホールだろう。この162ヤードのパー3ホールの周囲を、ギャラリースタンドが360度取り囲む様はまるでボールパークと見紛うばかり。“スイート16”とも呼ばれるこの1ホールに、今年も1日あたり15,000人から20,000人の来場が予想されている。 ギャラリースタンド上部には、“スカイボックス”と呼ばれる個別スペースが設けられており、その数は全部で200個。1区画当たりの平均価格は...
2014/01/28GDOEYE

トーレパインズの記憶と共に

カリフォルニア州ラ・ホヤにあるトーレパインズGCは、太平洋に面した景観美しいパブリックコース。しばしば霧が立ちこめる幻想的な雰囲気と、コースのロゴマークにもなっている独特の形をした松が人々の目を楽しませる。この地では、1968年から世界ジュニアゴルフ選手権が開催されており、91年にはタイガー・ウッズ(当時15歳)が15歳~17歳の部で優勝。のちに同コースで8勝を挙げているが、先週はプロ転向後初めてとなるセカンドカットに引っかかり、大会連覇を懸けて日曜日にプレーすることは叶わなかった。 優勝したのは28歳のスコット・ストーリングス。11年の「グリーンブライアークラシック」、12年の「トゥルーサウ...
2014/02/06GDOEYE

「悲劇だね・・・」スネデカーが下した決断とは?

カリフォルニア州モントレー、太平洋に突き出したこの半島には多くの美しいゴルフ場が存在する。紺碧の太平洋に砕ける白い波頭に、赤茶けた岸壁と緑のフェアウェイのコントラスト。ジョーダン・スピースは「世界でもっとも素晴らしいゴルフ環境」と評し、ブラント・スネデカーは「世界でもお気に入りの場所」と褒め称える。 今週「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」が開催されるメインコース、“ペブルビーチ・ゴルフリンクス”では、これまでジャック・ニクラス、トム・ワトソン、マーク・オメーラ、ペイン・スチュワート、タイガー・ウッズといったチャンピオンたちが誕生してきた。「ここに戻ってくるのは、いつでも最高のこと」。昨...
2014/02/04GDOEYE

松山英樹、初優勝に届かなかったパッティング

米ツアー初優勝に手が届きかけた「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」の松山英樹。4日間合計で実に56万3000人もの大観衆を動員したTPCスコッツデールで、優勝したケビン・スタドラーと松山を隔てたものは何だったのか? 首位との3打差を追いかけてスタートした最終日、松山は1番ホールで幸先良くピン上2.5メートルにつけたが、このチャンスを決めきれなかった。「昨日(3日目)の段階で自分の思うストロークができなくなっていた。それが1番ホールのチャンスでちょっとしたミスが出て、どんどんストレスの溜まるラウンドになってしまった」。 PGAツアーには、2011年から『ストロークゲインド・パッティン...
2014/02/08GDOEYE

開幕6連戦はただ1人、ベ・サンムンは何を目指す?

ある日、うらぶれた入江の断崖に建つ一軒の宿屋に、右頬に刀傷を持ついかつい大男が現れる。男は毎日ラム酒をあおりながら断崖や入り江の周りを徘徊し、手にした小型望遠鏡で岬を行き交う船を仔細なく観察する。日が暮れて宿に戻れば、宿屋の息子をつかまえては何度も念押しするように命令した。「いいか、一本脚の船乗りに注意しろ。見たらすぐ俺に知らせるんだ」。 これは、1863年に出版されたイギリス人作家、ロバート・ルイス・スティーブンソンの冒険小説「宝島」の冒頭部分。彼はこの小説のアイデアを集めるために、モントレー半島界隈を歩き回ったという伝承が残されている。 今週「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」が開催...
2014/02/07GDOEYE

ダスティン・ジョンソン、婚約者の父と組んで・・・

カリフォルニア州モントレーにあるペブルビーチGL、スパイグラスヒルGC、モントレーペニンシュラCCを舞台に行われている米ツアー「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」は、その名の通りプロとアマチュアが2名ずつ組んだ4サムで予選3日間が行われる。 スポーツ選手やミュージシャン、ハリウッド俳優など多くのセレブリティがアマチュアプレーヤーとして参加しているが、とりわけ注目を集めているのはダスティン・ジョンソンとウェイン・グレツキーのペアだろう。 日本での馴染みは薄いかもしれないが、ウェイン・グレツキーはNHL(北米のプロアイスホッケーリーグ)で「史上最高」とも評された伝説的名選手。詳細は専門家に譲...
2014/01/23GDOEYE

新シーズン、新記録に挑むタイガー・ウッズ

トーレパインズGCで過去8度の優勝(全米オープン1回を含む)を誇るタイガー・ウッズは、「ファーマーズインシュランスオープン」開幕前日の記者会見で同一コース最多優勝となる“9勝目の意義”を問われて、いたずらっ子のような笑みを浮かべた。 「僕はもう9勝しているってことにはならないかな。ここで15歳の時(91年)に世界ジュニアを勝っているんだけどね」。 昨年の優勝後、ウッズは慣例として自宅に郵送されることになっているトロフィーを、自らの手で持って帰るといって関係者を慌てさせた。 ウッズは言う。「この大会の優勝トロフィーは、この地域に生えている独特の形をした松をかたどっているだろう?“カラテキッド”の...
2014/02/10GDOEYE

今季8戦3勝! 35歳ウォーカー“大変身”の秘密

カリフォルニア州モントレーにあるペブルビーチGLなどで開催された「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」を制して今シーズン3勝目を飾ったジミー・ウォーカー。これまで、シーズン8試合目(の出場)で3勝以上を挙げた選手はデビット・デュバル、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズの3人しかいなかったが、ウォーカーが新たにこのリストに加わった。 昨年10月、今季開幕戦となった「フライズドットコムオープン」でツアー188試合目にして初優勝を飾ったウォーカーは、5試合後に2勝目、そして1試合を挟んですぐに3勝目と、瞬く間に世界で“最も熱い男”となった。 天体観測が好きで、望遠鏡を自作して星空の写真を撮るの...
2014/02/09GDOEYE

前日失格のD.A.ポインツがプレーを続行した理由

カリフォルニア州モントレーで行われている「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」の2日目(金)終了後、メディアセンターで原稿を書いていると、PGAツアー担当者が速報としてニュースを伝えてきた。 「D.A.ポインツが失格になった。ラウンド中に練習器具を使ったことによるルール14-3(人工の機器と異常な携帯品、携帯品の異常な使用)の違反」。 PGAツアーの説明によれば、18番ティの待ち時間に、ポインツはスポンジボールを脇に挟んで練習スイングを行ったという。それを見たファンが競技委員に報告し、既にその日のラウンドを終えてコースを後にしていたポインツの失格が決定した。 その後、米メディアのインタビュ...
2014/05/27GDOEYE

異端?現実を直視する松山英樹のメンタル術

ベン・ホーガンの面影がコース内の至るところに息づくコロニアルCC。歴史と伝統に彩られたコースで行われた米国男子ツアー「クランプラザインビテーショナル」は、松山英樹が同ツアーで初めて最終日最終組を経験した大会となったが、プレーオフには3打及ばず、初優勝には届かなかった。 よく“朴訥”という表現をされる松山。言葉が少なくぶっきらぼうなイメージが先行しているが、最近は「難しい質問ですね…」と頭を悩ませながらも、必死に言葉を繋いで自らの感情や考えを説明してくれる。最終組での18ホールを回り終えた直後、記者達の質問に答えた松山の言葉の中に、彼独特の思考法が垣間見えたので紹介したい。 “(前回優勝争いした...