2014/06/23GDOEYE

職業“ツアープロ”竹谷佳孝 初優勝の重み

人生が変わる瞬間。その時当たるスポットライトの光量はまばゆく、立ち会ったギャラリーや関係者も思わず目を細め、心が震える。先週のメジャー戦「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」で、プロ9年目の34歳・竹谷佳孝がツアー初優勝を飾り、その時を迎えた。優勝賞金3,000万円に、5年間の複数年シード。大きなご褒美に「コツコツと取り組んできたことが報われました」と、日の当たらない時を歩んできた感慨に浸った。 グリーン脇からは、妻の慶子さんと5歳の長女・祐泉ちゃんと1歳の長男・一優くんが見守っていた。ふだんは会社勤めの慶子さんは、親から言いつけられていたという「夫の職場に女が...
2014/06/23GDOEYE

米ツアー3年目のベ・サンムン「日本は優しかった」

2011年に日本ツアーで3勝を果たして賞金王に輝いたベ・サンムン(韓国)が、今季苦しんでいる。コネチカット州で開催された「トラベラーズ選手権」も、14位で迎えた最終日にスコアを伸ばせず、通算8アンダーの24位タイで終了。今季は17試合に出場し、トップ10入りを1度も果たせていない。 「このコース(TPCリバーハイランズ)も難しい、PGAツアーの設定はどこも難しいです。でも、この環境で続けることで確実にレベルアップしていると思います。調子の良い悪いではなく、いろんなコースで戦うので、どんな状況にも適応していくことが大事だと思います。4日間戦いを続けていく中でチャンスがあれば優勝もできると思ってい...
2014/06/27GDOEYE

バーディ“ホイホイ” 真鍋早彩が見せたホステスプロ魂

この日一番のドラマは、午後スタートの最終組で待っていた。初日を4オーバー106位で終えたアース製薬所属のホステスプロ・真鍋早彩(まなべ・さや)が、2日目は1イーグル、3バーディの「67」で回って通算1アンダーのカットラインに滑り込んだ。それも、残り3ホールで3つスコアを伸ばしたのだから、応援していた関係者も大興奮だ。 最終組だけに、予選カットラインも明確に把握していた。10番スタートのこの日、真鍋が通算2オーバーで6番に来たときのカットラインは1アンダー。その6番で「ティショットを引っ掛けて、7Iで出したけど残りは62ヤードだった。もう寄らなかったらどうしようとかじゃなく、62ヤードを打つって...
2014/06/20GDOEYE

「全米女子」より「ニチレイレディス」を選んだ申智愛が首位発進

国内女子ツアー「ニチレイレディス」初日、今季米ツアーから日本ツアーに主戦場を移した申智愛(韓国)が「69」をマークし、3アンダー首位タイの好スタートを切った。今週、開催されている海外メジャー「全米女子オープン」への出場資格(世界ランク29位)も持っているのに、出場辞退して、千葉・袖ヶ浦CC新袖Cでプレーしている。 2008年に「全英リコー女子オープン」で20歳にして海外メジャータイトルを獲得。翌09年には米ツアー賞金女王、さらに10年には世界ランクナンバーワンにも立った輝かしい戦歴を誇る26歳は、 いまなぜ海外メジャーではなく日本女子ツアーでプレーしているのか? 申は全米女子オープンに出場しな...
2014/06/24GDOEYE

史上初の連続開催 男女「全米オープン」レポート

【グリーン手前エッジから26ヤード/右から5ヤード】 「全米オープン」を主催する全米ゴルフ協会(USGA)は、マーティン・カイマー(ドイツ)が優勝する最終日のスタート前、18番グリーンのピンポジションを「ペイン・スチュワート・ホールロケーション」とアナウンスした。 1999年、パインハーストNo.2で行われた同大会、この最終ホールで4.5メートルのパーパットを沈めて優勝し、その4カ月半後に飛行機事故で帰らぬ人となったペイン・スチュワートを偲ぶためにUSGAが再現した「グリーン右奥」のピンポジションだった。 その翌週日曜日の「全米女子オープン」最終日、18番グリーンのポンポジションは…。 【グリ...
2014/06/21GDOEYE

53歳のDNA インクスターは最後の全米女子OPか

輝く将来を予感させるティーンエイジャーの話題はいつだって新鮮だ。11歳のルーシー・リー、17歳のリディア・コー(ニュージーランド)、19歳のレクシー・トンプソン…。「全米女子オープン」は今年もフレッシュな魅力にあふれ、日本からは16歳アマの橋本千里が予選を通過。厳しい戦いに彩りを添えた。その一方で、長きにわたって戦いの場を求め続けるベテランたちのプレーも、存分に魅力あるもの。今大会は53歳が開幕前に話題を呼んだ。 1999年、2002年大会の優勝経験を持つジュリ・インクスターが今年、注目を集めているのはこの「全米女子オープン」出場を今年限りで“引退”すると大会前に明らかにしたからだ。「今年はあ...
2014/06/19GDOEYE

それぞれの思いが交錯する40代たちのシャフト選び

今季は5試合に出場し、棄権1試合を除いた4試合ですべて予選落ち。苦しいシーズン序盤戦を送っている43歳の細川和彦が、メジャーの舞台で別人のようなプレーを見せた。「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」に6バーディ、1ボギーの「67」を記録。5アンダー首位タイスタートを切り、「今日はショットのリズムがすごく良かった」と充実の汗を光らせた。 好転のきっかけになったのは、ドライバーからアイアンまで挿しているカーボンシャフトの硬さを1フレックス下げたことにある。「今週から軟らかいシャフトに替えた。そういう時期かなあ、と思って。ラクに振れるようになったし、もう若い時とはスイ...
2014/06/26GDOEYE

歴代女王2人と同組 斉藤愛璃「今年一番良いプレー」

「ペアリングが発表されてから、本当に楽しみでした」と目を輝かせたのは斉藤愛璃。国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」の予選ラウンドで斉藤が同組になったのは、昨年の賞金女王・森田理香子と、07年の賞金女王・上田桃子。「こういうペアリングで回れる機会は少ないので、勉強しながら思い切りやりたいと思いました」と、貴重なチャンスに胸をときめかせてティオフした。 今季ここまでの賞金ランキングは50位。沖縄の開幕戦で2位タイに入ったものの、その後のトップ10入りはなく、予選落ちも8度を数える。「去年もそうだし、一昨年も開幕戦が良かっただけで、すっと苦労はしているので…。下手になっているとは思わないし、結...
2014/06/22GDOEYE

2位浮上のバデリーと予選落ちの石川遼との違い

米国男子ツアー「トラベラーズ選手権」の3日目に、通算12アンダーの単独2位に浮上したアーロン・バデリー(オーストラリア)。初日の「67」から始まり、2日目は「66」、そして3日目に「65」と日々スコアを伸ばしてきた。 予選2日間は石川遼と同組でラウンドしたが、バデリーは目立ってショットが良かったわけではなかった。開催コースのTPCリバーハイランズは、全長6841ヤードのパー70と距離は短いが、要所で左右幅が狭く、ショットを曲げるとトラブルになることがある。 予選2日間でバデリーは7アンダー、一方の石川は3オーバー。ティショットでのフェアウェイキープはバデリーが2日間で28ホール(パー3を除く)...
2014/06/22GDOEYE

最年少優勝なるか 世界1位の18歳アマを後押ししたウェブの篤志

日本の女子ゴルフ界で今を時めく高校1年生・勝みなみが、5月の国内女子メジャー初戦「ワールドレディスサロンパスカップ」に出場した際、対面を待ち望んでいた選手の名に、宮里藍だけでなくアマチュア選手を挙げたのが印象的だった。現在世界アマチュアランキングでトップに君臨するミンジー・リーだ。 オーストラリア出身の18歳のスーパーアマは、今週ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で開催中の「全米女子オープン」で、予選ラウンドを3位で通過。3日目は「72」とスコアを落としながらも順位をキープし、首位との差は4ストロークの通算2オーバー。存分に実力を示し、2008年の朴仁妃(韓国)の19歳11ヶ月17日の...
2014/09/09GDOEYE

シャイで寡黙?11年目の初優勝 岩田寛の等身大にズームイン

「あまり人前で話すのが得意じゃないので感謝の言葉をうまく伝えられるか分かりませんが・・・このスピーチが皆さんの心に届いてくれたらいいと思っています」 感情をあまり表に出さず、取材に答える声はか細くて、言葉数も多い方ではない。「フジサンケイクラシック」でツアー初優勝を飾ったプロ11年目、岩田寛の優勝インタビューは、いつも通り飾り気はないけれど、少ない言葉で何とか気持ちを伝えようとする、いかにも彼らしいものだった。 優勝会見の第一声は「意外にフツーでしたね」。初めてのウィニングボールも、ボランティアのマーカーにあげたという。寡黙で木訥、何ごとにもクールに構えている感のある岩田だが、岩田に近い人たち...
2014/09/08GDOEYE

世界女子アマ、日本はなぜ自国開催で勝てなかった?

世界50の国と地域が参加して、長野県軽井沢町で盛大に行われた「世界女子アマチュアチーム選手権」。過去、女子の最高成績は2004年の4位タイ。大会前、阪本知子キャプテン(日本ゴルフ協会女子ナショナル強化部会長)を中心とした日本チームは「3位表彰台で日の丸を揚げる」ことを目標とした。 初日はイーブンパーと出遅れた岡山絵里、松原由美、勝みなみの日本チームだったが、2日目にチームスコア12アンダーをマークして2打差2位に急浮上。3日目は3位に踏みとどまったものの、最終日は3オーバーと力尽き、団体戦は通算14アンダーで8位タイ、個人戦では勝が22位タイ、松原が24位タイ、岡山が38位タイに終わった。 最...
2014/09/08GDOEYE

ホントに起こる下剋上!? ブービーからホフマンが最終戦へ

コロラド州のチェリーヒルズCCで行われた米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフ第3戦「BMW選手権」。最終日の公式会見場に足を踏み入れたのは優勝したビリー・ホーシェルともう一人、モーガン・ホフマンだった。 全4戦のプレーオフで、第1戦「ザ・バークレイズ」を迎えた時点ではフェデックスポイントランキングで、下から2番目の124位(出場は125位まで)だった25歳は、このサバイバルレースを、あれよあれよと通過していき、ついには今大会終了時点での上位30人だけに参戦が許される最終戦「ツアー選手権byコカ・コーラ」への出場権を手にした。 デンバーでの最終日を4アンダーの10位で迎えたホフマンは、出...
2014/09/06GDOEYE

元日本代表・福田真未が明かす「世界アマ」で得た財産

初のホスト開催だった「世界女子アマチュアチーム選手権」(長野県軽井沢町)で、勝みなみら日本チームが8位フィニッシュに泣いた6日(土)、隣の岐阜県で開催中の「ゴルフ5レディス」では、2010年大会の代表選手・福田真未が、7バーディ1ボギーの「66」で55位から10位にジャンプアップしてきた。プロ4年目で飛躍を遂げている伸び盛りは、「世界アマ」でのほろ苦い経験が、いま生きているという。 4年前の2010年、沖学園高校3年生だった福田は、現在そろって女子ツアーで活躍中の比嘉真美子、堀奈津佳とともに、アルゼンチン・ブエノスアイレスで開催された「世界女子アマ」に出場。参加した52カ国中24位。記録的スコ...
2014/09/07GDOEYE

これぞアメリカンドリーム?ブービーから10ミリオンへの道

2007年から米国男子ツアーのシーズン終盤戦を彩るようになった全4戦にわたるフェデックスカッププレーオフ。レギュラーシーズン終了時点のフェデックスカップポイントランキング上位125人が初戦「ザ・バークレイズ」に臨み、その後各試合終了時点でのランキング下位選手が脱落していくシステムだ。 このシリーズにおいては、レギュラーシーズンの試合よりも各順位に配分されるポイントが多いため、順位が一気に上下する可能性がある。今年、その“主役”と言えそうなのが、モーガン・ホフマンというプレーヤー。昨シーズン初めてツアーに昇格した未勝利の25歳だが、目をひく勢いを見せいてる。 ホフマンはプレーオフに入った段階でラ...
2014/09/11GDOEYE

ツアーきっての“優等生”?プレーオフ皆勤賞は

米国男子ツアーのポストシーズンを彩る全4試合のフェデックスカッププレーオフがスタートしたのは2007年。8度目の開催となった今年は、タイガー・ウッズが進出を逃し、フィル・ミケルソンは前週の第3戦「BMW選手権」の3日目の朝に、最終戦進出の望みがなくなったと見切りをつけて途中棄権。1992年以来、12年ぶりに2人の姿がない最終戦は、少々盛り上がりを欠いている。 プレーオフシリーズは、最終戦出場を確定させた選手が第3戦までのトーナメントをスキップすることもたびたびある。今年はセルヒオ・ガルシア(スペイン)、ジャスティン・ローズ(イングランド)が第2戦を欠場。そんな中、全選手のうちただ一人、8シーズ...
2014/09/07GDOEYE

脂の乗る37歳はお年頃!?「優勝」と「結婚」どっち取る?

ウィニングパットがカップを鳴らすと一呼吸、両手を高々と挙げてガッツポーズ。それは今週ひときわ大きいガッツポーズだった――。岐阜県で開催された「ゴルフ5レディスプロゴルフトーナメント」の最終日、初日から首位を堅守した大山志保が、最終日をイーブンパーとするも、通算16アンダーで逃げ切る完全優勝で幕を閉じた。 2009年「Cat ladies」以降の約1年、肘の故障で休場を余儀なくされてから、復活出場を果たしたのが4年前の今大会。さらに今年は春先から調子が上がらず、試行錯誤を繰り返す負のスパイラルに苦しんだが、それもこの大会で終わりを告げた。「毎年ここに戻ってくるたびに初心にかえる気持ちだった。この...
2014/06/17GDOEYE

異次元の逃げ切り カイマーはサッカー代表とともに母国の星に

ボールが消えるより早く、パターはその手から離れ、10本の指先はゆっくりと空を向いた。目を細め、恍惚の表情で口元が緩ませる。雄叫びも、派手なアクションも無い。掴んだものの大きさを実感するかのような神々しいフィナーレだった。 ノースカロライナ州のパインハーストNo.2で行われた「全米オープン」最終日。29歳のマーティン・カイマーが後続に8打差をつける別次元のゴルフを展開し、ドイツ勢初の大会勝利、2010年「全米プロゴルフ選手権」以来となるメジャータイトル奪取に成功した。初日から単独首位の座を一度も譲らない完全優勝は史上8度目(9人目)。欧州出身選手のうち、20代でメジャーを複数回制したのはベルンハ...
2014/06/16GDOEYE

アマチュアのツアー転戦 その見えざる実情

15日(日)に閉幕した国内女子ツアー「サントリーレディス」には、4月に女子ツアー最年少優勝記録を打ち立てた勝みなみ(15歳)、5月「サイバーエージェントレディス」で最終日最終組をともにした森田遥(17歳)と堀琴音(18歳)らが出場。近ごろ脚光を浴び続けている注目アマたちが、主役級の扱いで迎えられた。 一見すれば華やかに映る、プロツアーで次々と輝きを放つ中・高校生アマたち。しかし、まだ幼さが残る彼女たちの表情の向こう側に、ちょっとした疑問も見えてくる。遠征が続く間、学校はどうしているのだろう? アマチュア資格規則により例え優勝しても1円の賞金も入らない中で、経済的な問題は? 不定期な通学状況をカ...
2014/06/16GDOEYE

2度の心臓移植からマスターズへ「諦めるな」

この人が勝っていたら…とも思う。けれど、勝つことよりも大切かもしれないものを、この人はいつも教えてくれている。マーティン・カイマー(ドイツ)が後続に8打差をつける圧勝でメジャー2勝目を挙げた「全米オープン」。リッキー・ファウラーとともに2位に入ったエリック・コンプトンは、総立ちのギャラリーの大歓声を浴びてホールアウトした。 「ここにいるだけで、僕は幸せだ」。 コンプトンはメジャーリーガーを夢見ていた9歳のとき、ウィルス性心筋症と診断された。12歳で心臓移植手術を受け、父にゴルフ場に連れて行かれた約1年後、リハビリもかねて本格的にこの道に進んだ。大学卒業とともにプロ転向したが、29歳の時には2度...