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日本人初のADT賞金王 関藤直熙「僕はあまり刻まない」

◇アジアンツアー◇香港オープン 初日(9日)◇香港GC(香港)◇6701yd(パー70)

昨年、参戦2年目となったアジア下部ツアー(ADT)で、関藤直熙(せきとう・なおき)は12試合に出場して優勝2回、2位4回。賞金約5万ドル(約550万円)を稼いで、日本人初の賞金王に輝いた。

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「日本人初って聞いたので、最後3試合くらいは賞金王のことを意識しました。緊張はしなかったけど、他の人のスコアが気になりましたね。いままでと少し違う感じがありました」という中での戴冠。賞金王はリランキングなしで翌年のアジアンツアーに参戦できる。「気分はいいです。いろんな人にお祝いもしてもらって、うれしかったです」とほおを緩めた。

広島で生まれ育った関藤は、広島国際学院高で金谷拓実の1学年先輩に当たり、ジュニアの頃からお互いを知る間柄。弟の侑嗣(ゆうき)も昨年プロテストに合格した。「よく金谷や弟のことを聞かれるけど、自分はあまり人と比べることはない。負けないぞとか、ライバル心みたいなものはないですね」。意識は自分自身に集中している。

高校卒業後はオーストラリアに留学。ジェイソン・デイの母校として有名なヒルズ学園&ゴルフアカデミーでゴルフと語学に磨きをかけた。ADTデビュー戦は、2018年のバングラデシュ。以来、インドネシア、マレーシア、タイ、インド、台湾、ブルネイと各国を転戦し、「予約したタクシーが来なくてティタイムぎりぎりに着いたとか…いろんなことがあったけど、最近はあまり動じなくなってきました」と、アジアの土地と人に揉まれて人間性も深まった。

ADTからステップアップして、上位ツアーですぐ活躍する選手も少なくない。2018年の賞金王、ミゲル・アンヘル・カルバリョ(アルゼンチン)は米下部ツアー2勝の実績もある40歳で、19年にアジアンツアーに昇格するとすぐに優勝した。昨年、ADTでシーズン3勝を挙げて、規定によってアジアンツアー昇格を果たした17歳のキム・ジュヒョン(韓国)も、翌月の「パナソニックオープン インディア」で史上2番目となる若さで初優勝を飾っている。

関藤は言う。「ADTは特にビッグスコアになるゲームが多いです。1年目はほぼ予選通過できたけど、優勝スコアに届くようなゴルフじゃなくて1試合しか上位には行けなかった。だから、去年は人が刻むようなホールでも1Wを打っていってしっかり攻めた。アジアの選手はよく1Wを打ちますね。アジアのコースは曲げたとしても林で済んで、リカバリーが効くっていう理由で打つ選手も多いと思う。アジアの選手が日本に行くと、よくコースが狭いって言う。OBの狭さはありますね」

今週の香港GCは、巨木にセパレートされてドッグレッグも多く、フェアウェイは固くタイト。周囲を刈り込まれた砲台グリーンも多いため、1Wを控えめにフェアウェイキープ重視で攻略する選手もいる。「でも、僕はあまり刻まないです。1Wは結構得意なので、良いところに打っていければチャンスがある」。初日こそ、8番(パー3)のトリプルボギーが響いて3オーバーと苦戦したが、「あす良いスコアを出して予選通過します」と気持ちは前を向いている。

昨年、日本ツアーのQTも11位で通過して、今年はアジアと日本の両ツアーでシード獲得と優勝を目指している。「アジアと日本、両方のシードを持っていたい。その先はヨーロッパ。日本だけに専念するっていうことは絶対ないです。今年の試合数は多くなると思いますね」。22歳の若武者は、2020年を全力で駆け抜けるつもりだ。(香港/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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