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「日常あってのスポーツ、と痛感」主催者が明かす苦渋の選択

2020/02/29 17:03


「苦渋の決断。選手のためにも開催したかった。ただ、政府からの要請は重く受け止めていた」。新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、国内女子ツアー「ダイキンオーキッドレディス」は無観客開催から一転、中止となった。史上初めての事態。32年間、国内開幕戦の看板を背負ってきた主催者、ダイキン工業の関係者はそう胸中を明かした。

開催地・沖縄県の経済発展に貢献するため、プロアマ戦や前夜祭には日本を代表する財界人が集う開幕戦。感染の拡大がとまらない新型肺炎が懸念され、今月19日にはこれまで重視してきた前夜祭、プロアマ戦とも見送ると発表した。ただ、56年ぶりに自国で開催される夏の五輪へ向け、「選手にとって重要な年の初戦」。そう位置付け、他競技に先手を打って、史上初の“全日程無観客”を決断した。

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通常450人程集めるボランティアや警備員、アルバイトらスタッフを150人程までに減らし、選手関係者が立ち入る場所の制限を検討した。同じく主催の琉球放送や日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)などと開催を前提に、新型肺炎対策を進めていた。

ところが、25日に状況が一変した。前日24日に政府の専門家会議で「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となる」との見解が示され、Jリーグが3月15日までの公式戦延期を発表したのだ。「サッカー界の決定は大きい。スポーツ界にひとつの指針が出た」とJLPGA関係者。昨年9月から準備してきた大会の中止は現実味を増し、主催者の間では、「中止やむなし」の声も挙がった。

26日には安倍晋三首相が政府の新型コロナウイルス感染症対策本部会合で大規模なスポーツイベントなどの今後2週間の自粛や規模縮小を要請した。これを受けて主催者サイドも協議を続けた。プロ野球オープン戦が無観客試合を決め、すでに発表した「無観客」のまま開催するという望みも出たという。しかし、27日に安倍首相が全国の小中高校などに一斉休校を求めたことで結論に達した。28日にJLPGAの小林浩美会長とダイキン上層部が中止決定の最終確認を行った。

スタジアムで開催される競技と異なり、開放された野外空間で行われるゴルフ競技。主に1組3人にキャディ3人の計6人でラウンドし、比較的接触が少ないように見えるが、「選手各自で移動することやコースにいる関係者の人数も踏まえて冷静に判断しなければならなかった」とJLPGA関係者はいう。無観客の試合であっても最低500人ほどの関係者が会場に集まる。なかでもクラブハウスには人が集中する。

「試合はプロ選手にとっての仕事の場。最後まで(開催実現に)粘ったのは東京五輪がある年に選手にしっかりスタートさせてあげたかったから。ただ普通の日常があってのスポーツだと痛感する。今回は厳しいと判断しました」。前出のダイキン関係者は無念さをにじませた。(編集部・林洋平)

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2020年 ダイキンオーキッドレディスゴルフトーナメント(中止)



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