2013/07/22PGAコラム

「ついにやったぞ!」ミケルソン

ジム“ボーンズ”マッケイは、はっきりと物申す男だ。もちろんそういう状況であれば、の話だが。 少なくともこの20年の間、フィル・ミケルソンのキャディを務めて来た彼は、日曜日のラウンド後に、感極まった。ミュアフィールドの18番で主(あるじ)であるミケルソンが15フィートのバーディパットを沈めると、フィルはマッケイの元へ歩み寄り、相棒のキャディを抱きしめ、「やったぞ!」とシンプルに一言、ささやいた。 そして二人は、互いの肩に腕を回しながらスコアリングトレーラーに向かった。キャディのマッケイは、溢れそうな涙をグッとこらえていた。トレーラーにたどり着くと、ミケルソンは全英オープンで3ストローク差をつけて...
2013/07/28PGAコラム

B.スネデカー、3日目「63」で首位に

ゴルフは人生のように、人々のひと時をわしづかみにする。それが予想外の事態なら尚更だ。 「RBCカナディアンオープン」3日目の午後、ブラント・スネデカーが首位に立った。グレンアベイGCでは第3ラウンドも予想外の展開となった。2日目を終えた時点で首位だったハンター・メイハンが大会を棄権。メイハンは、ドライビングレンジで妻カンディの陣痛が始まったとの連絡を受け、午後のティタイムを前に会場を後にした。 今シーズン序盤の「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」で勝利したスネデカーは、7組目のティタイムまで、リーダーボードにメイハンの名前がないとことに気がつかなかった。実際、それまでもメイハンは問題にな...
2013/07/27PGAコラム

この瞬間、首位に立つメイハン

オンタリオ州オークビル ? 人によってはその谷間を通るにあたって祈りを必要とするだろう。ハンター・メイハンはこの金曜、グレンアビーの谷間のホールで見事なゴルフを披露した。 「今日はただ自由にプレーした」とメイハン。「今この瞬間を大切にね」。 メイハンは上がり3ホールの連続バーディを含む5アンダーでバックナインをラウンドした。目を見張る締め括りもあり、この日二番目の好スコアとなる「64」でラウンドした31歳のメイハンは、二日間の通算スコアを13アンダーまで伸ばした。これによりメイハンは、同日早い時間のラウンドでコースレコードの「62」を叩き出し、二日目を10アンダーでラウンドしたジョン・メリック...
2013/07/27PGAコラム

地元ギャラリー大歓声!マイク・ウィアーが決勝ラウンドへ進出

ついにマイク・ウィアーが地元のギャラリーを歓喜させる結果を出した。 「RBCカナディアンオープン」2日目、ウィアーは5アンダーの「67」をマークし、リーダーボードを一気に駆け上がると、通算4アンダーで決勝ラウンドへの進出を決めた。 「今日は力が漲っていたんだ」とウィアー。「まるであっさり10アンダーを記録するかのような勢いがあった。最高のプレーをしたし、地元ファンのためにもすごく嬉しい。昨日は本当に冴えなかった。1バーディだけで何もなかったからね。コースでファンの声援を浴びて、それに応えられる(予選通過の)結果が得られて最高だ」と振り返る。 この日、インスタートのウィアーは、10番からの前半9...
2013/07/22PGAコラム

ウェストウッド、3Rのリードを守れずメジャー初優勝逃す

今シーズンが始まる前、リー・ウェストウッドは初のメジャータイトル獲得に向けて、フロリダへと拠点を移していた。そして四大大会で初の栄冠に輝く最大のチャンスに恵まれた。「全英オープン」の3日目を終え、ウェストウッドは2位以下に2打差をつけて首位だった。しかし、優勝はならなかった。 最終日のウェストウッドは、4オーバーのスコア「75」。結果、イアン・ポールターとアダム・スコットと同じ通算1オーバーの「285」で、3位タイに終わった。優勝したフィル・ミケルソンとは4打差だった。 「それほど落ち込んではいない」とウェストウッドは言う。「もうゴルフではあまり落ち込まないんだ」と。 40歳になるウェストウッ...
2013/07/21PGAコラム

「エリート組」を狙うアダム・スコット

アダム・スコット(オーストラリア)が再び、全英オープンでトップ争いを繰り広げている。しかし今年は今までとは大きな違いがある。今年のスコットは、マスターズを制した事から、メジャータイトル保持者として全英オープンへ乗り込んで来たのだ。王者としての自信は、日曜日の勝利を引き寄せるきっかけとなるかもしれない。3日目を終わった成績はイーブンパーの「213」で、明日の最終日は首位のリー・ウェストウッド(イングランド)を3打差で追いかける。 「これまでの成績と順位には、満足です」と、3日目を「70」で終えたスコット。「このコースは非常に困難なコースです。いくらリードをして3日目を終えても、明日のラウンドでそ...
2013/07/21PGAコラム

タイガー、2打差でウェストウッドを追う

タイガー・ウッズが、ここで5年振りにメジャータイトルを獲得するには、これまでメジャーで14勝を挙げた時にはしていないことをしなければならない。それは、最終ラウンドで逆転優勝することだ。 ミュアフィールドで開催中の「全英オープン」3日目、タイガーは1オーバーの「72」に終わった。最終日は、首位のリー・ウェストウッドを2打差の2位タイから後を追う。 ウェストウッドの3日目のスコアは「70」。パー5の17番ホールでは、ロングパットを決めてバーディを奪った。一方タイガーは、同じホールでボギー。ここでリーダーボードに2打の差がついた。 タイガーと共に2位タイにつけているのはハンター・メイハンだ。メイハン...
2013/07/31PGAコラム

パワーランキング: リノタホオープン

リノタホオープンの大会運営者が2012年にモディファイド・ステーブルフォードのスコア方式を選出した際、大会ではイーグルやバーディの増加が目に付くことになるだろうと目されていた。とにかく、一つのバーディと二つのボギーがスコアの上ではイーブンを隔てて同価となるなど、好スコアが予想される中、ツアープロたちは自由奔放なプレーを解き放つべく身構えているように見えた。しかし、この考えを数字は必ずしも裏付けしなかった。 モディファイド・ステーブルフォードでスコア付けが行われる場合、ドライバー飛距離、フェアウェイキープ率、パーオン率、パットのストローク貢献率、スクランブル率などスタッツの殆どは統計されないため...
2013/07/26PGAコラム

B.スティールがトップの座へ

スコアメークに最高の青空が広がった大会初日、ブレンダン・スティールはチャンスを活かして午前中組の中でベストスコアの「65」をマークした。 現在フェデックスカップランキング97位、30歳のスティールは、今日のラウンドが今シーズン一番の理想に近いラウンドだったと認めた。「今日は全般的にいい日でしたね」と、スティール。「良いショットをたくさん打ったし、パットもたくさん入った。それからグリーンやラインを外すことも少なかった。パットもかなり上手く転がってくれたね」。 確かにカリフォルニア出身の彼は、次から次へパットをねじ込んだ。 この日のトータルパット数は「28」。しかしそれ以上に彼の強みは18ホール中...
2013/05/15PGAコラム

ガルシアよ、スコットにアドバイスを求めてみてはいかが?

ザ・プレーヤーズ選手権での最終2ホールは、ついに優勝者が決まる盛り上がりを見せた一方、セルヒオ・ガルシア(スペイン)は、3度も池に打ち込んでしまっていた。 頭に血が上ったり、後遺症が残るような気の遠くなる状況と向き合いながら、この大いなる失望の経験は、ガルシアに不屈の精神を与えることだろう。ガルシアは、17番ホールで打ち直しの球を打つとき、まるで「どこか遠くに行きませんか?」というサウスウエスト航空のコマーシャルを彷彿させるような状況になってしまっていた。 このガルシアの最終ホールでの不調こそが、アダム・スコット(オーストラリア)にアドバイスを求めようとするかもしれない理由だ。スコットは、全英...
2013/05/14PGAコラム

パワーランキング:HPバイロンネルソン選手権

今週のHPバイロンネルソン選手権では、今シーズン2度目(そして最後)のダブルヘッダーイベントが始まる。1回目はヒューストンとサンアントニオで開催された。そして今回は、ダラスとフォートワースエリアが舞台となる。 ネルソンは、1944年ダラスのレイクウッドカントリークラブで唯一行われたこのトーナメント初の大会優勝を飾った。その後、今大会は、ダラス周辺のあらゆるゴルフ場を経た後に、オーククリフカントリークラブ(1958-1967)、そしてプレストントレイル ゴルフクラブ(1968-1982)、そしてそれ以降はアービングで定着している。 TPCフォーシーズンズは1986年から1993年、そして2008...
2013/05/13PGAコラム

母の日を彩ったプレーヤーズ選手権

「母の日」の今日、TPCソーグラスにはたくさんの世代の母親の姿が見られた。そう、「ザ・プレーヤーズ選手権」は、母の日の素晴らしい恒例行事になっているのだ。 そしてスタジアムコースのグリーン周辺では、乳がん撲滅と母の日のシンボルカラーである“ピンク”身にまとう人々が大勢見られた。 選手をはじめ、スポンサー、ボランティアスタッフ、そしてギャラリーに至るまで、多くの人々は皆、頭からつま先までできる限り多くのピンクを身に着けて、そのメッセージ活動を楽しんでいた。 さらに、同コースで行われるイベントの「5k with Donna T-shirts」と描かれたTシャツを着たギャラリーは、「5K with ...
2013/04/22PGAコラム

G.マクドウェルがW.シンプソンとのプレーオフを制す

「RBCヘリテージ」の最終日は、60台より80台を叩いた選手が多かったタフなコンディションの中、風の中で育った北アイルランドの男が一人、気を吐いた。 ともに「全米オープン」優勝経験を持つウェブ・シンプソンとグレーム・マクドウェルで争われたプレーオフは、最初のホールでマクドウェルに軍配が上がった。 マクドウェルは最終18番ホールをボギーとし、シンプソンとのプレーオフにもつれ込んでしまう。しかし同ホールで行われた1ホール目で、6フィートのパットを決めれずボギーとしたシンプソンに対し、マクドウェルはパーでしのいで勝利を手にした。今シーズン初勝利となったマクドウェルは、フェデックス・カップの順位を50...
2013/04/27PGAコラム

ルーカス・グローバーが首位で折り返し

(ルイジアナ州アボンデール) 最終18番でバーディを決めたルーカス・グローバーが、ボー・ウィークリーに1打差をつけ、単独トップでチューリッヒクラシックの2日目を終えた。 TPCルイジアナの2日目を5アンダー「67」で回ったグローバーは、通算12アンダーまでスコアを伸ばし、トーナメントを牽引している。 「ここ数カ月、いい感じで振れていたので、ついにパットが噛み合ってきた感じかな」と、グローバー。「つまるところ、クラブは振れていたんだけど、パッティングが問題だったんだよね」。 ウィークリーは「68」。この日はオープニングホールの10番で、105ヤードを直接カップインのイーグルでスタートを切った。「...
2013/04/26PGAコラム

前進し続けるグァン・ティンラン

(ルイジアナ州アバンデール) 旋風を巻き起こしている若干14歳のグァン・ティンラン(中国)は、木曜日のラウンド後、二週間後にダラスで行われる全米オープンの予選会にしたいという意向を表明した。それは、今週ニューオーリンズで行われるチューリッヒクラシックで予選通過することを目標にしている、ということにもなる。 14歳のアマチュアである彼は木曜日、初日をTPCルイジアナの難しいコンディションの中、イーブンパーの「72」で終え、85位タイにつけた。彼はおそらく金曜日、ピート・ダイによって設計されたレイアウトの7,341ヤードコースをアンダーパーで回り、予選通過を果たすだろう。 グァンは、圧倒的なプレー...
2013/04/28PGAコラム

強風にも負けず、グローバーがリードをさらに広げる

チューリッヒクラシック 3日目、ケビン・スタドラーは、早朝にラウンドするアドバンテージを得た後、自分が上位争いにまで上り詰めるとは思っていなかった。終わってみれば首位とも5打差以上になっているぐらいに予想していた。 しかし、午後は風が吹き荒れ、結果としてスコアはいつもより高くなった。おかげでスタドラーや他の大勢の選手が、大幅に順位を上げることとなった。 そんな強風が吹き荒れる中、ルーカス・グローバーは18番でもバーディを奪い、2位以下とのリードを2打差に広げた。勝てば2年振りの優勝だ。ところがグローバーの妻は女の子を妊娠中で、もし間もなく娘が生まれるとの連絡が入れば、グローバーは一目散に会場を...
2013/04/27PGAコラム

14歳グァン、2日目「69」で決勝ラウンドに進出

ほんの2週間前、「マスターズ」に弱冠14歳で決勝ラウンドに進出するという歴史的快挙を遂げた中国の新星グァン・ティンランが、今週末、またしても米国ツアー大会の決勝ラウンドに挑む。 ニューオーリンズで開催されているチューリッヒクラシック。2日目を3アンダー「69」で回ったグァンは、トータルスコアでも3アンダーとした。プレー終了時点では44位タイの位置につけ、最終的には57位タイでこの日を終えた。 「今日はすごく良いゴルフでラウンドできたと思います」とグァン。「たくさんのバーディと、いい浮き沈みがありました。最高のラウンドになったと思います。予選を突破できたのですから」とこの日を振り返ると、「予選通...
2013/03/23PGAコラム

ジャスティン・ローズとビル・ハースが首位タイに並ぶ

タイガー・ウッズとジャスティン・ローズは、スウィングコーチを分かち合っているが、もう少しでベイヒルでの首位というポジションも、分かち合おうとしていた。ところがタイガーが終盤につまずいたため、ローズを追いかけるかたちとなってしまった。 タイガーは、上がり3ホールでボギーを叩き、スコア「70」として通算5アンダー。首位タイとなったのは、ローズとこの日「66」をマークしたビル・ハースだ。タイガーは現在、4打差で後を追う。 ローズは、タイガーと同じように、最終ホールでボギーを叩き、「70」で終えている。 ジョン・ハーは8アンダーで単独3位だ。 「救いは、まだ36ホール残っていることだ」そう語るのは、何...
2013/03/23PGAコラム

大先輩の前で、B.ハースが66をマークし首位浮上

首痛の回復具合が心配される中でのラウンド ビル・ハースは2月のノーザントラストオープンに出場した時、タオルを拾い上げようとして際に首と肩をひねってしまい、もう少しで途中の棄権を余儀なくされるところだった。 しかし、ハースを悩ませたかというと、実際のところは捉え方の問題でしかなかった。 「わざわざ言うことはなかった。そんなに悪くはない。正直、プレーもできるし、全身をしっかりひねることもできる。たまに左に向くと、首の後ろが少し張る感じがあるぐらいだよ」とハースは語る。 「いわゆる首の腫れなので、怪我とは違う。下手なプレーをすれば痛むけど、良いプレーができていれば痛まないさ」と付け加えた。 ベイヒル...
2013/03/09PGAコラム

WGCキャデラック選手権 2日目 レビュー

ゴルフ界のビッグネームが良い位置につけているWGCでウッズは、途中8ホールで6バーディを奪うパフォーマンスで他を引き離し、快調な金曜のプレーで大会の前半を折り返した。この結果、2日目を7アンダーの「65」でラウンドしたウッズは、この日「67」でラウンドした元全米オープン王者のグレーム・マクドウェルに2打差をつけて単独首位に立っている。 ウッズにとって、全ては1打にかかっていた。 簡単な出だしのホールでバーディをとり損なうなど、単調な序盤を終えたウッズは、パー3の4番ホール、239ヤードのティショットを4番アイアンでグリーンの端をとらえ、ボールは楽々バーディが奪える位置まで転がっていった。彼の快...