2014/05/25GDOEYE

目標は日本一 小田孔明はジンクス打破の先に

ツアー通算7勝目にして初めて味わう逆転勝利の味。「関西オープンゴルフ選手権競技」を、最終日に4打差をひっくり返した小田孔明が、長年のジンクスをついに打ち破った。 昨年までに積み上げた6勝はすべて、最終日を首位(タイ)で迎えた逃げ切り勝利。それが今シーズンの出場4戦は、毎試合ラウンドをこなすごとに順位を上げる巻き返しぶりを披露している。「3日目までにトップに立たんと勝てんから」と自虐的に繰り返してきたが、今季は「本当に試合を諦めないようにしただけ。前はボギーを打てば、ふてくされていたけど…」と、精神面の充実がツアー屈指のオールラウンダーに確実な変化を与えた。 「きっかけは特にない」というが、小田...
2014/05/23GDOEYE

36歳からの大人のゴルフ 新婚・矢野東

ツアーきってのイケメンプロが、ついに年貢を納めたのは2か月半前。3月1日、ツアー3勝の矢野東が一般女性と入籍した。かつて引き連れた多くの女性ファンの溜め息が立ち込めた春先。ただ本人は、そんな周囲の思いなどつゆ知らず、ゴルファーとしてその身に起こった変化を感じ取っている。 兵庫県の六甲カントリー倶楽部で開催されている今年の「関西オープンゴルフ選手権競技」。予選ラウンドを終え、矢野は通算6アンダーで首位に3打差の9位につけた。2日目は7メートルを沈めた7番からの5連続バーディを活かし「67」。パットの名手としての輝きを取り戻しつつあるようで、周囲も6シーズンぶりの勝利への期待も次第に膨らんでくる。...
2014/07/25GDOEYE

高又順の支えで2位タイにつけた西山ゆかり

伊豆大仁CCのクラブハウス内で「元気ですか、私も頑張りますよ」と、朝から甲高い声が響いた。声の主はツアー通算8勝、2002年には「日本女子オープン」を制した高又順(コウ・ウスン/韓国)だった。現在はシニア部門のレジェンズツアーを主戦場としている高がキャディ用のビブスを着用して、多くの選手と挨拶を交わしていた。 「センチュリー21レディスゴルフトーナメント」の初日、高は西山ゆかりのキャディとして元気いっぱいに10番のスタートホールに向かった。途中、18番では前の組との間隔が少し空いてしまったため、キャディバッグを担いで走り出した。気温33度の炎天下の中、50歳の高は疲れた様子などみじんも見せない...
2014/04/04GDOEYE

ゴルフで海外マーケティング ヤマハのアジア戦略

静岡県の葛城GC山名コースで開催中の「ヤマハレディースオープン葛城」のメディアセンターには今週、見慣れない女性の“お客様”がいる。タイから来たカニタ・スレウィファトさんは、バンコクにある巨大メディア、ASTVマネージャーのライター兼ウェブサイト編集者だ。 今回の取材対象は、タイ出身のプレーヤーがメイン。開幕戦の「ダイキンオーキッドレディス」を制したO.サタヤはもちろんシード選手として出場しているが、欧州女子ツアーなどで活躍する26歳、ノンタヤ・スリサワンが推薦出場している。 この“仕掛け”は、大会を主催するヤマハ株式会社と、ヤマハ発動機株式会社の狙いがある。アジアには、同社にとってバイクをはじ...
2014/06/10GDOEYE

手嶋多一の優勝でふと考える“プロゴルファーの旬”

22歳の松山英樹が米PGAツアー「ザ・メモリアルトーナメント」で、日本人選手では4人目となるツアー優勝を果たした翌週の8日、国内メジャー初戦「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」で45歳の手嶋多一が7年ぶり、ツアー通算7勝目を飾った。 プロゴルファーの旬――とは何歳だろうか? と、ふと思う2週間となった。 今週末に開幕する「2014 FIFA ワールドカップ」の日本代表は23選手の平均年齢が26.8歳で、最年長は遠藤保仁選手の34歳。日本のプロ野球選手はいくぶんサッカーより長い印象もあるが、長続きするにはチーム内の競争を勝ち抜かなければならず、選手としてのピークはせいぜい9~10年...
2014/10/19GDOEYE

ゴルファー日本一の称号を得た池田勇太 海外進出はいつ?

千葉カントリークラブ梅郷コースで開催された国内男子メジャー第3戦「日本オープン選手権競技」を制した池田勇太。2009年のメジャー「日本プロ選手権 日清カップ」でツアー初勝利を挙げ、キャリアにおいて6年連続の優勝をメジャーの舞台で飾った。 輝かしいアマチュアタイトルを引っさげ、07年末のプロ転向後に積み上げた勝利数はこれで12。生涯獲得賞金は6億円を超えた。国を代表するゴルファーであることは実績が証明している。だからこそ期待されるのが主戦場のステップアップだが、池田は米ツアーを中心とした海外進出について、まだ“準備段階”だと強調する。 「レギュラーツアーに出始めたころ、09年当初を思い返すと、周...
2014/10/18GDOEYE

行列のできる弁護士の息子 北村晃一が見る父とは

千葉県の千葉カントリークラブ梅郷コースで開催中の「日本オープン選手権競技」3日目。北村晃一が4バーディ、2ボギーの「68」(パー70)で回り、通算3アンダーとして9位タイに浮上した。日本テレビ系列で放送の「行列のできる法律相談所」などでお馴染みの北村晴男弁護士の2世が、国内男子メジャーの舞台で堂々のプレーを披露している。 6月のローカル競技「九州オープン」を制して今大会の出場権を手にした北村は、14位タイで決勝ラウンドに進出。「きょうは特別パターが入った」とムービングデーを振り返った。12番で6mを沈め、13番(パー3)はティショットをピンそば1.5mにピタリ。最難関ホールの14番では8mをね...
2014/10/16GDOEYE

2位発進!池田勇太 マスターズ覇者参戦への心構え

国内男子ツアーのメジャー今季第3戦「日本オープン選手権競技」が16日(木)、千葉県の千葉カントリークラブ梅郷コースで開幕。マスターズ王者アダム・スコット(オーストラリア)の7年ぶりの日本参戦で、昨年の3倍の観衆が来場した初日、池田勇太が7バーディ1ボギーの「64」(パー70)をマークし、淡々と6アンダーの2位で滑り出した。 出だし10番でグリーン左手前ラフからチップインバーディで発進した池田は、続く11番で5mを沈めて2連続。13番(パー3)はピン手前6m、17番は残り183ydの第2打を6Iで3mにつけてチャンスをものにした。終盤は思うようにスコアが伸ばせず「最後は尻すぼみに終わるのかなと思...
2014/08/01GDOEYE

フェアウェイこそ難しい アイアンの天才・小田孔明の対処法

フカフカのじゅうたんみたいなフェアウェイ。一面緑の別世界に飛び込んだような錯覚は、ゴルフをプレーする上での大きな楽しみのひとつ。国内男子ツアーの新規大会「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の会場であるグランディ那須白河GCは、かねてからその芝生の仕上げに定評のあったコースだ。ただ今週、多くのトッププロたちにとっては、この青々としたカーペットへの対応も攻略ポイントになっている。 初日から2日間、コース上で目立つのは、選手たちがアイアンショットをするたびに、派手にはがれていくターフの数々。ポジションやクラブによっては、30センチ以上つながったものが、宙を舞うこともある。 フェアウェイが軟らかいこ...
2014/08/05GDOEYE

小樽があれば違っていた?米ツアースポット参戦の難しさ

オハイオ州アクロンにあるファイヤーストーンCCで行われた世界ゴルフ選手権シリーズ第4戦「WGCブリヂストンインビテーショナル」の4日間を戦い終え、丸山大輔は通算17オーバーの68位、竹谷佳孝は通算18オーバーの69位タイ。2人とも4日間で1度もアンダーパーをマークすることはできなかった。 「長かった。ただただ長い、それだけでした」と肩を落とした丸山。最終日は朝から降り続いた強い雨の影響で、10時45分から12時まで中断を余儀なくされたが、丸山がスタートしたのは8時台。「ランが出ないし、ラフに入ったら出すだけ。非常に苦しかった」と、なすすべなく「78」(パー70)で戻ってくるのが精一杯。 「これ...
2014/08/25GDOEYE

桃子3年ぶりV…涙の母娘喧嘩で目覚めた

神奈川県にある大箱根CCで行われた「CAT Ladies」で、最終日に3打差を逆転して3年ぶりの優勝を飾った上田桃子。最後に優勝した2011年以来、12年に国内女子ツアー、13年には米女子ツアーのシード権を失い、苦しい停滞期を経験してきた。 そんな上田が、今シーズン開幕前に設定した目標は、驚くかもしれないが「年間10勝」というものだ。過去、国内女子ツアーでは03年に不動裕理が年間10勝を達成し、これがシーズン最多勝記録として残っている。熊本の大先輩が樹立した偉大な記録に並びたい。上田の闘志を燃え立たせるのは、そんなビッグな目標だ。 とはいえ、シーズンが開幕してみると、地元熊本で行われた「バンテ...
2014/05/03GDOEYE

半世紀前と変わらない「中日クラウンズ」の魅力

日本国内のスポンサー大会としては最古の「中日クラウンズ」は、1960年にここ名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(当時は6,535ヤード/パー70)で第1回大会が開催され、中村寅吉が277ストローク(通算3アンダー)で優勝した。 2000~10年頃にかけて幾度かのコース改修が行われたが、昨年の第54回大会は第1回と比較して総ヤード数が10ヤード伸びただけ(6,545ヤード)でパー70は変わらず、優勝スコアも松村道央が記録した278ストローク(通算2アンダー)と、半世紀前とほぼ同じスコアでの決着となった。 その間にゴルフクラブはパーシモンからメタル、そしてチタンへと変化し、ボールも大きく進化した。米国P...
2014/05/11GDOEYE

大会史上2番目の大入り 宮里藍「日本のゴルファーは幸せ」

茨城県の茨城GC西コースで開催された国内女子ツアー「ワールドレディスサロンパスカップ」。成田美寿々が逆転優勝を飾った2014年のメジャー初戦は、4日間で大会史上2番目となる3万1464人のギャラリーを集める大盛況で幕を閉じた。 2日目の午後に雷雨による中断を強いられたものの、春の柔らかい日差しが降り注ぐ絶好の行楽日和、ゴルフ日和が続いた。昨年10月に同じ茨城GCで行われた男子メジャー「日本オープン」の大会期間中の全来場者数9139人(最終日の荒天の影響で5日間で実施)を、平日の2日間で早くも上回る盛況ぶりとなった。 4月の「KKT杯バンテリンレディス」を制したアマチュアの勝みなみが出場。そして...
2014/09/25GDOEYE

藤田寛之と宮本勝昌 “一人の女”を奪い合う?

大利根CC西C(茨城県)で開幕した「アジアパシフィックオープン ダイヤモンドカップ」の初日、藤田寛之は3バーディ、ノーボギーの3アンダー2位タイ。同組で回った先週優勝の宮本勝昌は2バーディ、1ボギーの1アンダーで16位タイ。芹澤信雄を師と仰ぐ同門2人がそろって好スタートを決めた。 「藤田さんはずるい。絶対にボギーが出ないんだから」とぼやいたのは宮本だ。「ラフに入っても、グリーンを外してもパー。キャディのピーターに“先週と違って楽でしょ”って言ったら苦笑いしていました」。 今週、藤田のバッグを担ぐのは、ピーター・ブルース氏。2012年まで宮本のキャディを務めたベテランは、今年6月の「日本ゴルフツ...
2014/07/06GDOEYE

石川遼が目指す世界基準 11勝目は夢への通過点

4日間合計274ストローク、そしてプレーオフ3ホールの12ストローク。石川遼はそのすべてで、自問自答を繰り返していた。「この1打は世界で通じるのか」―。 北海道のザ・ノースカントリーゴルフクラブで開催された「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」で2シーズンぶりの勝利を飾った石川。6月中旬に米ツアーの“一時休戦”を決めて一時帰国し、北海道で強化合宿を行っている最中での優勝だった。日本ツアーでのプレーだったが、頭の中では、いつも主戦場で戦う自分をイメージしていた。 石川がこの最終日、胸を張ったショットは2つある。正規の最終18番、花道からドロー回転で転がして寄せ...
2014/03/07GDOEYE

変身!申智愛がリニューアルして日本へ

国内女子ツアーの2014年開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」が7日(金)、沖縄県の琉球GCで開幕した。シーズンオフにトレーニングや練習を重ねた成果を発揮すべく、多くの選手が目を輝かせて初日を迎えた。 その中に、ひときわパッチリとした目でプレーしていたのは、今季から日本ツアーへの専念を決めた申智愛(韓国)だ。日本ツアーには2008年から参戦して4勝をマーク。これまでは主戦場とする米国ツアーの空き週などをぬってのスポット参戦だったが、今季は「日本での戦いに専念したい」と米国ツアーのシード権を放棄し、シーズン開幕戦からの来日となった。 申といえば、細めの目が隠れてしまうほどの愛嬌ある笑顔が魅力的だ...
2014/03/06GDOEYE

いよいよ金メダルを狙う戦いに!2014年国内女子ツアーが開幕

3月7日(金)、2014年の国内女子ツアーが開幕する。昨年よりも1試合増えて全37試合、賞金総額も9000万円増の32億5000万円となった。その開幕前日に日本女子ゴルフ協会(LPGA)の小林浩美会長は「期待に応えられるように1試合1試合大事にやっていきたいと思います。強い選手が日本に来たり、日本から世界に出て行ったり、世界で勝つというのを目標としてツアー強化を図っていきます」とコメントした。 小林会長の“世界で勝つ”という言葉には、2年後に開催されるリオデジャネイロ五輪、さらには2020年の東京五輪で勝てる選手を育てるという命題がかけられている。そのための1つの取り組みが、4日間競技の増加(...
2014/04/27GDOEYE

急造タッグで今季初勝利 名参謀が後押しした決断

勝負を決めた「守りのジャッジ」に2人は胸を張った。兵庫県・山の原ゴルフクラブで行われた国内男子ツアー「つるやオープンゴルフトーナメント」。藤田寛之はツアーきっての参謀の後押しを受け、最終日の大混戦、そしてパク・サンヒョン(韓国)とのプレーオフを勝ち抜いて今季初勝利を飾った。 昨季までに通算15勝を挙げてきた藤田と、数々の名選手のキャディバッグを担ぎ、通算20勝をアシストしてきた清水重憲キャディ。互いのキャリアで初めてタッグを組んだ今大会のハイライトは「73ホール目」にあった。 最終日、15番からの2連続バーディで通算13アンダーとして、先にホールアウトしていたパクに並んだ藤田。17番(パー5)...
2014/04/26GDOEYE

初勝利へ!単独首位の重永亜斗夢 自信「無いです」

兵庫県の山の原ゴルフクラブ 山の原コースで開催中の「つるやオープンゴルフトーナメント」。通算11アンダーの単独首位で3日目を終えた重永亜斗夢は、夢見心地で18番グリーンから降りた。昨年末の最終予選会をトップで通過した25歳。2位のマイケル・ヘンドリー(オーストラリア)に1打差をつけ、ツアー初勝利に王手をかけた1日だった。 上位に名を連ねる片山も、藤田寛之も、不満と余裕を持って終えたムービングデー。無欲の25歳は、その反面「3日目のこのプレーは大きいです」と精一杯、胸を張った。ショットの状態は決して良くない中で、8番までに3バーディを稼ぎ「68」でリーダーボードの最上段を譲らなかった土曜日。「問...
2014/04/25GDOEYE

重永亜斗夢「十万馬力」が出ない理由

「ほっそいなあ~」。背中越しに聞こえたギャラリーのつぶやきに、胸に突き刺さる思いがした。そんなの俺だって分かってる。でも・・・ 兵庫県の山の原ゴルフクラブ 山の原コースで開催中の国内男子ツアー「つるやオープンゴルフトーナメント」2日目。重永亜斗夢が5バーディ、ノーボギーの「66」(パー71)をマークして、片山晋呉と並び通算8アンダーの首位で決勝ラウンドに進んだ。 昨年度の最終予選会をトップで通過した25歳は、この日3アンダーの8位でスタート。インから出て3つのパー5をすべてバーディとすると、最終9番では残り206ヤードの第2打で、強い左足下がりのライから6番アイアンを強振。ボールはグリーン手前...