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桃子3年ぶりV…涙の母娘喧嘩で目覚めた

神奈川県にある大箱根CCで行われた「CAT Ladies」で、最終日に3打差を逆転して3年ぶりの優勝を飾った上田桃子。最後に優勝した2011年以来、12年に国内女子ツアー、13年には米女子ツアーのシード権を失い、苦しい停滞期を経験してきた。

そんな上田が、今シーズン開幕前に設定した目標は、驚くかもしれないが「年間10勝」というものだ。過去、国内女子ツアーでは03年に不動裕理が年間10勝を達成し、これがシーズン最多勝記録として残っている。熊本の大先輩が樹立した偉大な記録に並びたい。上田の闘志を燃え立たせるのは、そんなビッグな目標だ。

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とはいえ、シーズンが開幕してみると、地元熊本で行われた「バンテリンレディス」までに出場した6試合で4度の予選落ち。目標と現実のギャップは大きかった。その後は7月までに3度のトップ10入りを果たしたが、目標にはほど遠い。

7月の「サマンサタバサレディース」の期間中、上田と母・八重子さんらは、コース近くの料理屋でカウンターに並んで食事をしながら話し込んだ。

母は、娘が掲げる大目標は、高過ぎてプレッシャーになると感じていた。そのギャップに苦しみ悪循環となっているのでは?という親心から、もっと現実的な目標にした方がいいと忠告した。

だが、上田にしてみれば、親のような身内にこそ、高い目標に向かって突き進む娘のサポートをしてもらいたい。そんな目標はダメだと言われるなんて心外だ。なんでも明け透けに話し合う家族の会話はヒートアップして、最後は大喧嘩へと発展。涙を流す母の気持ちを酌んで、上田はちょっぴり妥協した。

「来年に向けての準備をしよう」。熊本で予選落ちをして、今年は結果よりもプロセスを大事にしよう、土台を作ろうという意識が芽生え、“年間10勝”と一度打ち立てた目標も、母の言葉で少しだけ先に延ばした。

横峯さくらと夫のメンタルコーチが実践する“OKライン”は、目標を下げることでプレッシャーを少なくし、達成できたという小さな成功を積み重ねていく自己肯定の考え方。上田の“年間10勝”は、高いモチベーションを維持して突き進んでいくための、誘導灯のようなものだろう。

人の性格がそれぞれなら、目標設定も人それぞれ。山の頂に至る道は、自分が歩きやすい道を選ぶのが最善だ。(神奈川県箱根町/今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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2014年 CAT Ladies



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