タイガー・ウッズ

米PGAツアーのシーズン最終戦『ツアーチャンピオンシップ』は、賞金ランク上位30名の豪華選手が勢ぞろいする大会だけあって、練習日から大勢のギャラリーが訪れ、盛り上がりを見せている。開催コースとなるジョージア州アトランタのイーストレイクGCは球聖ボビー・ジョーンズが幼少時代をすごしたコースをリモデルしたヒストリックなゴルフ場。シーズンを締めくくるビッグトーナメントにふさわしい舞台で、今年活躍した30名の選手たちが腕を競い合う。

火曜日は新しく大会スポンサーになったコカコーラ社主催のプロアマが開かれ、タイガー・ウッズは通常通り、トップスタートでプレーした。先週から降り続いた雨の影響でコースはかなりぬかっており、タイガーは「ボビー・ジョーンズの家も見たよ。ジョーンズゆかりの由緒あるコースでプレーできるのはうれしいけど、コースはひどい状態だ。（大会側が）木曜までにプレー可能なコンディションへ持っていってくれることを期待している。プロである以上、できることならリフト・クリーン＆プレースではプレーしたくないからね」と語った。

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S.ガルシアのニューセット

コースコンディションは最悪だが、タイガーのゴルフの調子は絶好調の様子。「ここ数週間、自分で練習してきて好感触を得ている。スウィングも良くなってきているし、ショットコントロールも自在だよ。試合が楽しみだ」という言葉の裏には、専任コーチであったブッチ・ハーモンと決別したことが、自らの調子に影響を及ぼしていないことのアピールがありそうだ。

先週のビュイックチャレンジからスコッティキャメロンのニューパターを使い始めたフィル・ミケルソン。新しいパターは「バミューダグリーンで特に有効だ」と語っていたが、イーストレイクのグリーンはベント芝である。新兵器がどこまで生かせるかが注目される。

テーラーメイドの顔的存在であるアーニー・エルスと入れ替わる形で、クラブ契約がタイトリストからテーラーメイドに変わると発表されたばかりのセルヒオ・ガルシアは、すでに新しいテーラーメイドのクラブとバッグで登場し、周囲を驚かせた。若手の注目と言われながら、今季は米ツアー1勝、賞金ランクも11位にとどまっているガルシアだが、この大会の優勝賞金90万ドルを手に入れれば、一気にトップ5入りが可能になる。シーズン始めに米欧両ツアーでの賞金王狙いを公言したガルシアには、この大会で最後の踏ん張りを期待したい。

丸山は満身創痍のまま出場する

さて、気になるのは丸山茂樹の体調である。先のWGCアメリカンエキスプレスチャンピオンシップで右肩を痛め、棄権を余儀なくされて以来、体調は最悪の状態。今大会は出場も危ぶまれていたが、火曜日にロスアンゼルスからアトランタ入り。プロアマは欠場したが、水曜日はコースに現れ、練習ラウンドを行なった。しかし、ショットは6割ぐらいの力で軽く振る程度。インパクト後、すぐに右手を離してしまい、時おり腰に回す手が痛々しい。「肩をかばって手を離しちゃうのでゴルフにならない。今は肩より腰が痛い。この試合はマスターズの次に出たいと思っていた大会だし、これまで日本人は誰も出ていないので楽しみにしていた。でも、今の体調は自分のゴルフ人生の中で史上最悪。こんな状態でプレーしなければならなくなったことが非常に残念で悲しい。戦う気力もあまり出ないけど、できる限り必死にプレーし、試合が終わったら来年に向けて体調を整えることを目標にしたい」。ともあれ、試合には出場するということで関係者も一安心。なんとか4日間を戦い通せることを願うばかりだ。

この試合は予選カットはなく、4日間とも2サムでのラウンドとなる。初日の第1組は午前10時49分スタート。丸山はチャールズ・ハウエルと同組で11時52分スタートの予定。世界ナンバー1のタイガーとナンバー2のミケルソンは最終組で共に回る。

レポート＆写真：BEYONDSHIP