福嶋晃子、宮里藍、ソレンスタム…見上げた往年の名選手たち/不動裕理コラム
国内女子ツアーで通算50勝をマークした不動裕理は、50歳になる(1976年10月14日生まれ)一年も精力的に活動を続けている。昨年は「日本女子シニアオープン」で優勝し、レギュラーツアーにも7試合に出場。日本ゴルフのレジェンドはどんなキャリアを過ごし、いま何を思うのか。GDOの連載コラムで胸の内を明かす。
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プロになって30年。今までたくさんのプレーヤーたちとラウンドしてきました。若いころは、同組の選手が自分の予想とは違う攻め方やショットをしたときなどに、ラウンド後にどんな打ち方をしたのか聞いたりしていました。
特にグリーン周りは私自身がサンドウェッジ1本でいくスタイルですから、どの番手でどんな打ち方でピンに寄せていくのか、興味があったし勉強にもなりました。とはいえ、私は不器用なほうなので、実戦で他のクラブを使う勇気はなかなかなくて、「こういう方法もあるんだ」と覚えておくだけでしたけどね。
何度も同組になった城戸富貴さんには、アプローチの質問をした記憶があります。ただ、アプローチの直後に「あっ」て言いながらカップへぴったり寄せることも多くて、その一打が狙い通りだったのか、ミスした感覚だったのか、聞いていいのか悪いのか迷ったりしました。
私から質問はしなくても、すごいなぁと思いながら見ていた選手はたくさんいます。例えばドライバーなら福嶋晃子さん。あの飛距離はうらやましい! 狙いどころが違いすぎて、違うホールをプレーしているみたいでした。
アイアンなどのショットは具玉姫さん(韓国)。どんなライからでも、ゆったりしたリズムでたくさんのバーディチャンスにつけていました。ラフからのショットは高村亜紀さんで、フェアウェイよりもラフからのほうがうまいんじゃないかと思うくらい、本当にすごかったです。
パッティングは宮里藍さん。今はグリーンの傾斜を計測する機械があったり、データや練習方法も進化したりしているけれど、そういうものがなくても彼女のタッチや感覚は圧倒的でした。ピンを狙う強気のゴルフをする藤井かすみさんは、同組で見ていても楽しいしワクワクしましたね。
“番外編”ではありますが、高又順さん(韓国)の素振りの音にはビックリ! 試合中、少し離れたティイングエリアからその音が聞こえてきたのは衝撃的でした。私にとってはレギュラーツアー当時も今も、勝負に熱い、素敵なお姉さんでもあります。
海外だとアニカ・ソレンスタムさん(スウェーデン)。すべてがうまくて、スキがない。常にリーダーボードの上位にいて、今のトップ選手と比べても、安定感の次元が違いました。高い再現性をずっと保ち続ける、どこか機械のような精密さを持ったスーパーウーマン。途中から体もムキムキになって、さらにパワーに磨きがかかったのも印象的でした。
カリー・ウェブさん(オーストラリア)も忘れられない選手です。たまにミスをしても、そこからのリカバリーも天才的で、違うところで必ずフォローする。どこか人間らしいなかでの総合的な強さを感じました。
…でも、どのプレーヤーのどんなにすごい技を見ても、気おくれするようなことはなく、楽しかった。海外の2人なんかはもう次元が違いすぎたし、自分と比べて落ち込んだりすることもなかったですね。比較とか、真似てみる、とかではないゴルフの学び、という感覚。みなさんに尊敬の念を抱きながら、私ももっと練習して自分を磨かなきゃと思っていました。気持ちは今も同じです。