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2019年 ウェルズファーゴ選手権
期間:05/02〜05/05 場所:クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

恐怖の“グリーンマイル”へようこそ 500yd超の難関パー4

クエイルホロークラブ 16番パー4(506yd)

ノースカロライナ州シャーロットにあるクエイルホロークラブは、リゾート内に巨大なお屋敷が立ち並び、“名門中の名門”という雰囲気を醸します。「ウェルズファーゴ選手権」では過去にロリー・マキロイ(北アイルランド)やリッキー・ファウラーがPGAツアー初優勝を遂げ、2017年「全米プロ選手権」ではジャスティン・トーマスがメジャー初制覇。そして当時、松山英樹選手が惜しくも敗れたコースです。

難所は“グリーンマイル”の異名を持つ上がり3ホール。ツアーの中でも毎年難度の高い「連続する3ホール」として有名です。その入り口、16番を今回はピックアップしました。

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ティショットは第2打地点まで7ydほど、緩やかな打ち下ろしになりますが、南からアゲンストの風が吹くケースが多くなります。右サイドのフェアウェイバンカーは298ydで入り、越えるためには320yのキャリーが必要になります。このバンカーはアゴが高いうえに、砂質が軟らかく、グリーンを狙うのがとても難しくなります。ちなみに松山選手は「全米プロ」の最終日、このバンカーを越える1Wショットを見せました…。

このバンカーを避けようとして、左サイドにラインを取るのはあまり良い選択ではありません。フェアウェイは左に向かって下っており、315yd以上飛ばすと深いラフまで突き抜けて、レイアップを強いられることがほとんどでしょう。

セカンドショットはご覧の通りグリーン左から奥にかけて池がひろがります。グリーンは奥行きが40ydと大きく、200yd近い距離が残ります。ティショットが成功した後のフェアウェイのライは、つま先上がりで左足下がり。奥から手前に鋭く下るグリーンは、ロングパットを残すと非常に難しくなります。

クエイルホロークラブは2016年の「ウェルズファーゴ選手権」の後、アウトコースを改造し、バミューダ芝を張り替える大改修を行いました。コースの地下には「マスターズ」の会場オーガスタナショナルGCと同じように、湿った地面を乾かすサブエアシステムも搭載されており、距離が7554yd(パー71)と長いうえに、いつでもグリーンを硬く、速く仕上げてきます。

この16番、続く17番(パー3)、18番の3ホールで通算1オーバーなら上出来と言えるのではないでしょうか。上位選手のフィニッシュも、バーディではなく、パーを取る難しさをお楽しみください!(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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