ニュース

米国男子ウィンダム選手権の最新ゴルフニュースをお届け

2021年 ウィンダム選手権
期間:08/12〜08/15 場所:セッジフィールドCC(ノースカロライナ州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

ファウラー、ローズが125位に入れない PGAツアーの過酷なサバイバル

ケビン・キズナーが「ウィンダム選手権」を制しました。

ノースカロライナ州グリーンズボロにあるセッジフィールドCCは7131yd(パー70)と距離が短く、タイガー・ウッズが初めて大会に出場して大いに盛り上がった2015年は51歳のデービス・ラブIIIが優勝したことでも話題になりました。ショットの正確性とアンジュレーションのきついグリーン攻略がキーとなります。

<< 下に続く >>

ドライビングディスタンス289.2ydはツアー169位のキズナーですが、パットのスコア貢献度を示す「ストロークゲインド・パッティング」では上位常連のパター巧者。同スタッツで2016年に最高3位を記録すると、その後も30位→12位→20位→15位→12位と高いレベルで安定しています。ツアー最多に並ぶ6人が残ったプレーオフでも、1ホール目にグリーンを外しながら最初にタップインの寄せでパーセーブ。強みのショートゲームで望みをつなぎ、2ホール目のスーパーショットで決着をつけました。

1ホール目のセカンドを打った時点では1.3mのチャンスにつけていたアダム・スコット(オーストラリア)の優勝とばかり思っていましたが、やはり勝負は最後までわからないものです。

それ以上に驚いたのは、スコットが大会前の時点でフェデックスカップランキング121位とプレーオフシリーズ進出を逃しかねない位置にいたこと。2020年2月「ジェネシス招待」で優勝し、昨季コロナ禍でツアーが中断する前には世界ランキングでもトップ10に入っていました。一年半ほどの間でこれだけポジションが変わってしまうPGAツアーの厳しさを実感します。

スコットと同学年のジャスティン・ローズ(イングランド)はプレーオフシリーズに残ることができませんでした。125位のチェッソン・ハドリーとは、わずか1pt差の126位。最終18番のパーパットを決められず、結果的にこの1打が響いてシーズン終了となりました。

僕が松山英樹選手のキャディを務めていた2018年9月の「ツアー選手権」。5年ぶりの復活優勝を遂げたウッズの横で年間王者のタイトルを掲げたのがローズでした。当時は世界ランクでも初めて1位に上り詰め、まさに絶頂期でしたが、まだ41歳。個人的にも同い年で“かつての”といった枕詞をつけたくはありません。この悔しさをバネに来季のカムバックを期待したいですね。

2007年に始まったプレーオフシリーズ。今回ローズ、チャールズ・ハウエルIIIライアン・ムーアが125人から漏れ、“皆勤賞”は6人(チャーリー・ホフマンフィル・ミケルソンバッバ・ワトソン、スコット、ブラント・スネデカーマット・クーチャー)となりました。

2010年から出場を続けていたリッキー・ファウラーも今大会で終戦。アイアンショットはとにかくグリーンを外さない選手でしたし、どこからでも寄せられるバンカー、チップインを連発するグリーン周り、そして“常に入っている”パッティングを目の前で見てきただけに、ショッキングなニュースです。

30歳を超え、プライベートでは結婚もして、11月には第一子も誕生予定と聞きます。コース内外でのさまざまな変化は、多少なりともモチベーションに影響を及ぼしたかもしれません。まだまだPGAツアーの中心で輝いてほしい選手。このまま終わるリッキーではないと信じています。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

関連リンク

2021年 ウィンダム選手権



あなたにおすすめ


特集

宮本卓×GDO 旅する写心
ゴルフフォトグラファー宮本卓×GDOのスペシャルコラボコンテンツ。国内外のゴルフ写真を随時更新中!!
やってみよう! フットゴルフナビ
サッカーとゴルフが融合した新スポーツ「フットゴルフ」の総合情報サイトです。広いゴルフ場でサッカーボールを蹴る爽快感を、ぜひ一度体感してみよう!

ブラインドホールで、まさかの打ち込み・打ち込まれ!!ゴルファー保険でいつのプレーも安心補償!