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進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

ラストゲームのラストホール 16億円のかかるパー5を見逃すな

イーストレイクGC 18番パー5(590yd)

プレーオフシリーズ最終戦「ツアー選手権」で、PGAツアーはシーズンを締めくくります。会場はアトランタのダウンタウンから東に位置するイーストレイクGC。ここをホームコースとしていたのは、「マスターズ」の創始者である伝説的ゴルファーのボビー・ジョーンズです。玄関からクラブハウスに続く道は、オーガスタナショナルGCのマグノリアレーンによく似ています。

年間王者が決まる一年の最後ですから、やはりフィニッシングホールに注目したいと思います。何といっても昨年、タイガー・ウッズが5年ぶりの勝利を挙げたシーンは記憶に新しいところ。ギャラリーがスタンディングオベーションで祝福したシーンは本当に感動しました…。

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プレーオフ最終盤の舞台となるパー5は、トップ30に残った選手なら2オンはもちろん可能です。ティエリアからは約15ydの打ち下ろし、またキャリーで315yd運べば、フェアウェイは激しい下り傾斜となっており、375yd地点にある池の近くまでランが出ます。そこからのセカンドショットはUTやロングアイアンでもグリーンが狙えるため、イーグルのチャンスが高まるのです。

ティショットはフェアウェイキープが肝心。深いラフに曲げてしまうと、池の手前にレイアップせざるを得ず、200yd近い3打目を打たなくてはいけない状況に陥ります。強引にパワーでグリーン近くまで運べれば良いのですが、失敗して“池ポチャ”という最悪のケースも珍しくありません。

グリーン周りのアプローチも、場所によっては運命が大きく左右されます。花道からアプローチができれば最高ですが、左サイドにカップが切られた日に左へこぼしてしまうのは絶対ダメ。左バンカーからは非常に寄せにくく、一筋縄ではいきません。2打目もしくは3打目で右奥が高い2段グリーンをきっちりとらえたいところです。

イーストレイクはパー70。この18番と6番の2つしかないパー5は確実にスコアを縮めたいホールです。フェアウェイのゾイシアという芝は、日本のコースで多く採用されている高麗芝のことで、PGAツアーの他会場より少し浮いたボールを打つ感覚になります。

またすべてのホールで距離が長く、アップダウンもしっかりあり、グリーン上のバミューダ芝でのパッティングを含むショートゲームもカギとなります。グリーンはコンディションも素晴らしく、常に12から13フィートのスピードが出ます。傾斜が強く、下りだとオーガスタナショナルGCより速いところも…。ラフショット時のフライヤーの計算など、コースマネジメントも非常に問われる18ホール。1500万ドル(約16億円)を獲得する年間王者が決まる最後の試合、ラストホールをお楽しみください。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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