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【WORLD】ケビン・ナに憑りつく悪魔 スロープレーとボディ・イップス

Golf World(2012年5月21日号) GW voices texted by Tim Rosaforte

“引き金を引くこと”(スイングするまでにかかる時間)関して、ケビン・ナは往年の名選手ヒューバート・グリーンには敵わない。先週末、殿堂入り選手であるグリーンは1年前、ヒルトン・ヘッドで足がつって後退、再スタートする前、24回もボディ・ワッグルしたことを振り返った。さらに7回トライした後で、ついにショットを放ったが、「打てるわけはないと分かっていたんだ」と認めた。

この思いがけない出来事に関わらず、グリーンは2度のメジャー大会を含む19のPGAツアー優勝を飾った。さらに、重症のボディ・イップスとしか言い表せない“恐怖症”に悩まされるナにとっての師になりたいという思いもある。

ゴルフ番組「The Haney Project」以来、テレビ視聴者は、先週末のTPCソーグラスでナが経験したようなことを見たことはなかった。あまりにもひどかったため、NBC解説者のロジャー・マルトビーはチャールズ・バークレーから携帯メールを受け取った。「ケビン・ナは俺のヒーローだ。俺の世界へようこそ」。(GDO編集部注:元NBA選手のチャールズ・バークレーは、変則なスイングを矯正するため、番組The Haney Projectでハンク・ヘイニーの指導を受けた)

「ザ・プレイヤーズ選手権」で54ホールを終えて首位だったナは、素振りなどのルーティンを繰り返したため、自分自身を言葉で責め、同伴競技者に謝罪する行為に出た。“小さなワッグルに続くハーフ・ワッグルの後”にきっかけを作ることができなかった。自分に一体何が起こったのか説明した土曜日の記者会見は、最高の記憶として残るだろう。悪魔が増殖し始め、脳が本当にショートしたのは、この時だった。「4度(ワッグルを)した。それでも上手くいかなかったら、6度目(のワッグル)をしただろう。そして、その後はただ…」。

自分で話を中座したナは、自分の話がいかにバカげているか気が付いた後で笑顔を浮かべて言った。「頭の中でいろいろなことが渦巻いているんだ」。会見室の笑いが収まったところで、ナは自分の言葉をまとめた。「そうでなければ…自分に対して優しくなれなかっただろう。信じてくれ。僕は、自分で自分を引き裂いていたんだ」。

運命の巡り合わせだが、冒頭のグリーンは、きっとナの助けになり得る。ナのキャディを務めるケニー・ハームスは、グリーンの元キャディのひとりなのだ。ハームスはグリーンを親友と呼び、そのアドバイスを伝えている。「ケビンがもっと笑顔を見せて、もっと笑って、もっと人と話をすれば、自分をより受け入れられ、不安が減るだろう」とグリーン。

しかし、同情されるべき人物を演じることは、日曜日までは有効だったが、そこからナのパットはショットと同様に後退し始めた。バックナインになると、ギャラリーはナに背中を向け始めた。13番(パー3)でティショットを池ポチャすると、ギャラリーは「ナナナ?ナ、ナナナ?ナ、ヘイヘイヘイ、グッバイ」と合唱した。

野次り倒されて、「76」を叩き7位タイで終えた後でも、ナの決意は揺らいだようには見えなかった。「もっと早くプレーをする必要がある」と話した。「だけど、アベレージゴルファーは、僕たちがどれほど大きなプレッシャーの下でプレーしているのか、それがどれだけタフなことか、精神的にどれだけ戦わなければならないのか、まったく想像もつかないだろう。正直なところ、こういった要素がすべてある中で、自分はよく戦ったと思う。いい戦いをした」。

もちろん、彼は戦った。だが、その戦いは、2011年マスターズ以降、オーストラリア人コーチのデール・リンチと一緒に取り組んでいるフォーム改造が完成するまで続くだろう。グリーン、マルトビー、その他の解説者を驚かせたのは、最終ラウンドまでナが見せたショットのクオリティだ。ナがパットの調子を崩して負のスパイラルにハマリ始めた時、ナの問題は慢性的なもので、ストレスや13カ月取り組んでいるスイング以上のものだということが明らかになった。

「悪い癖がついているんだ」とハームスは言う。「速いテンポでプレーをしたがっている。他のプレーヤーに影響を与えたくないんだ。きっかけを作りたくないというわけじゃないが、これでも分かる通り、ゴルフは90%がメンタル勝負なんだ。みんな才能は持っている。誰が一番メンタルが強いかって話なんだ」。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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