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【WORLD】Qスクールのルール改正はプロゴルフにとっては良案

2012/03/28 11:25

Golf World(2012年3月20日号) texted by Frank Nobilo

昨年のQスクールを突破したベ・サンムン※写真はWGCアクセンチュアマッチプレー選手権

昨年のPGAツアークオリファイングトーナメント(QT)を通過し、2012年のツアー出場権を獲得したジョン・ハーは、今シーズン開幕から5戦目となった「マヤコバクラシック」で優勝を飾った。華々しい成績を挙げた事実は認めつつ、Qスクールのルール改正に関する異論を正当化するほどの実績とだは思わない。それがルールの正当性を証明するものではないからだ。

今年の1月にトーレパインズで行われた選手ミーティングでは、Qスクールのルール改正について多くの議論がなされた。現行の規定、つまりQスクールのトップ25位以内に入った選手にPGAツアー出場権が与えられるという制度は今後廃止される。ここで一言、ハーは昨年の最終戦終了の時点で27位タイとし、トップ25位以内には入らなかったのだが、26、25位だったロベルト・カストロマーク・アンダーソンは各々ネイションワイドツアーの結果でPGA出場権を獲得していたため、繰り上げでハーが出場権を獲得したということを付け加えておきたい。

ハーが必ずしも素晴らしい成績を収めたか、について議論するわけにはいかないが、Qスクールが人々の高い関心を集めているとも言い切れないだろう。ゴルフの世界では、年間を通してよい成績を収めることに意義があるのであって、たった1週間のテストだけで本来の実力を測ることは難しい。現行のQスクール制度は、まさしく宝くじを当てるようなものに等しく、この制度には疑問を抱かずにいられないのだ。

PGAツアー外のツアーで成功を収めた選手の参加により、ツアーのレベルは上がる。それもこれも、ビッグネームは参加してはいないだろうが、いつの日か必ずトッププロになるという目標を持つ選手達が参加しているからに他ならない。1990年当時、ベン・ホーガンが主催した下部ツアー、”ベン・ホーガン・ツアー”は周囲の予想を裏切り大きな成功をもたらした。それは単にゴルフという競技性を何よりも重視したからだった。それから20年が経ち、今ではネイションワイドツアーが、世界中のプロがまず手始めに自分達のスキルを試す舞台として存在している。ネイションワイドツアーを経てPGAツアー出場を果たした選手の方が、Qスクール出身選手よりも実力が高く、より長くPGAツアーに参戦しているという傾向を考えれば、選手が将来に向け、自身の技術を磨くのにより適した場と言えるのではないだろうか。

ハーの優勝を、私の意見の反論材料として挙げる人々もいる。ならば私はキーガン・ブラッドリーを例に挙げたい。ルーキーながら昨年の8月にアトランタACで開催された全米プロゴルフ選手権で優勝し、多くの話題を集めた。彼はQスクールではなくネイションワイドツアー出身で、同ツアーでの経験により選手として大きく成長し、PGAツアーにも難なく対応することが出来た。ブラッドリー自身も、ネイションワイドツアーで得た経験、プロとして生活の為にプレーするとはどういうことなのか等を参戦したツアーで実感。”卒業証書”を携えてPGAツアーに参戦したのだ。ここが現行のQスクール制度擁護派と議論したい部分でもある。中には今後ハーのような選手の台頭がなくなるという声もある。それは正しい意見だが、プロフェッショナルな舞台では改正案の方がベストなのは明らかだ。

大学卒業後即プロに転向したいという選手達にはどういう道があるか?昨年バド・コーリーが選択した手法のように、ツアー出場権が無いノンメンバーであっても、スポンサー推薦枠7つを含む12試合に出場する権利が与えられる。もしその方法が適用されなければ、ネイションワイドツアーにもスポンサー特別枠により出場は可能だ。

更にQスクール制度改正に反対する意見としては、アメリカ国外からの選手のチャンスを狭めるというものがあるが、これは全くの見当違い。PGAツアー、そしてメジャー大会では、世界ランキング50位以内の選手に出場権が認められているため、欧州、もしくはアジアのツアーで好成績を残せばPGAツアー出場権を獲得出来る。ベ・サンムンが去年Qスクールに参加した際、彼は既に2012年のWGC大会やメジャーへの出場が決定しており、また、その他12大会に出場してPGA出場権獲得に十分な成績を残すことが出来るよう保険をかけるという、これまで多くの選手がPGA出場権獲得のために実行した手法を取った。

ネイションワイドツアーによって選手達を“ふるい”にかけることで、確実にPGAツアーのレベルは上がるはず。WGCでの順位や評価、それに招待選手によりPGA出場権の価値は下がった。そしてQスクールを勝ち上がってきた選手により、更に出場枠も狭まってしまった。この問題を解消するため、PGAは多数の選手達を出来るだけ多くの大会に振り分けた。たとえそれが全員にとっての損失になろうとも。

ウェストマネジメントフェニックスオープンを例に挙げれば、同大会の開催コースに132名の選手は多過ぎる。選手によっては日没などの影響でラウンド終了までプレー出来ない等、大会や選手達にとっては死活問題ともなりかねない。フェアなチャンスを全選手に与えるためとはいえ、世界トップのプロを決める大会で、毎週、日の出時刻前からツアー選手にウォームアップを強いるような方法は決してベストとは言えない。

プロゴルフが次の段階に進むためにも、この改正は絶対に必要。ジョン・ハーのおかげでQスクールが残るのではなく、彼自身が自らの才能を発揮したことこそゴルフ界にとって重要な財産なのだ。そしてハー自身も、ロベルト・カストロ、そしてマーク・アンダーソンに感謝しないといけない。最後の枠に入れたのは彼ら2人のおかげなのだから。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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