ナイキがゴルフクラブ・ボール事業から撤退 アパレルは継続
2年前に撤退したけど…ナイキゴルフのバンはまだツアーに
2016年夏、ゴルフ業界の大きな話題となったナイキゴルフの撤退。同社はクラブ、ボール、キャディバッグの製造をやめ、ゴルフアパレル事業に特化した。タイガー・ウッズ、ロリー・マキロイ(北アイルランド)をはじめ、契約選手に多くのトッププロを抱えていただけに、ツアーへの影響は大きかった。
ところが、PGAツアーの会場にはいまもクラブを調整するナイキの大型車両(ツアーバン)が常駐している。規約では、選手が使用していない用具メーカーのツアーバンの乗り入れは許可しておらず、メーカー担当者にも入場パスを発行しないという。つまり裏を返せば、撤退から2年経った今も、同社の製品を使うプロが存在しているわけだ。
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今月のメジャー「全米オープン」で2位に入ったトミー・フリートウッド(イングランド)もそのひとり。キャディバッグに入っているVR PRO ブレードアイアンは、今年3月にストックしていたヘッドを引っ張り出して調整してもらったものだという。
フリートウッドはプロ転向した2010年以降も同社のクラブを愛用。撤退に伴い「ほかのメーカーのクラブを試している」と言うが、「ナイキに長く慣れ親しんできたから…まだ次にどうするか答えが出ないんだ」と悩ましげだ。いま使っているアイアンのヘッドに残りはないそう。好結果が出ているだけに、先行き不安なのもうなずける。
担当者も「(他のクラブの)ヘッドのストックもあとわずかなんだ」と明かす。ツアーバンの中にクラブやボールは少なく、所狭しと置かれているのはウエアやシューズ。ウッズ、マキロイのほか、ブルックス・ケプカやジェイソン・デイ(オーストラリア)らは同ブランドのアパレルを身にまとって戦っているため、アパレル製品は潤沢にある。隣にズラリと並ぶ他メーカーと比べると、ナイキのツアーバンはいま、まさに異色なのである。