傾斜を自在に作れるパターマット/PGA SHOWで見つけた“なんじゃこりゃ”その1
ゴルフ界最大の見本市「PGA SHOW(ピージーエーショー)」2日目は、ゴルフ場で行われた初日から一転、オーランドの中心にあるオレンジカウンティコンベンションセンター内に舞台を移した。広大なスペースにブースを並べる参加企業は実に多く、規模でいうと日本の「ゴルフフェア」の5倍ぐらいはあるだろうか。一日では回り切れないほどで、人の数も半端なく多い。そんな中で見つけた、日本ではあまり見たことのない新作ギアや変わり種アイテムを紹介していきたい。
パターマットに空気をシュコシュコ入れると…みるみる傾斜が
まずはPuttOUT社のパターマット「AIR BREAK(エアブレイク)」。新製品のクラブが多く出ている中で、いきなりパターマットの紹介!? と驚くなかれ。なにせこのマット、とても機能的かつ実戦的なのだ。
仕組みはこうだ。その名の通り空気(エア)をマット下の土台に送り込む。空気を入れた箇所がその分だけ高くなり、マットに傾斜がつくというもの。ポンプは全部で8カ所(左右3カ所ずつ+手前2カ所)あり、カップに向かって左側に空気を入れればスライスライン、右側を高くすればフックラインになる(右利きの場合)。手前に空気を入れれば下り傾斜や、複合傾斜も作れる。つまり家で傾斜別のパッティング練習ができ、しかもけっこう単純な作りでお手軽感がある。「ラインは真っすぐ」かつ「平ら」という条件しかなかったパターマット界に革命が起きたか!?
さらにこの「エアブレイク」の良いところは、マット下の土台にカップの穴が空いており、実際のグリーンのように“入れる”ことができる。既存のパターマットにもカップはあるが、その前に上り傾斜がついているのがほとんど。その傾斜分だけ強く打たなければならず、リアルな距離感の練習にはならない。さらにこの商品、カップインしたボールがポンプにより外に押し出しされ、自動で戻ってくる。うーん、実によく考えられている。
アドレス時の足元が土台の分だけ低くなるため、高さを合わせる踏み台も付属でついてくる。また専用のアプリをダウンロードすると、携帯で傾斜を測ることができる。つまり、数値をチェックしながら常に同じ斜度に設定でき、苦手なラインを徹底して練習できるわけだ。簡易的な仕組みなようで意外と使い勝手はいい。ひとつ難があるとすれば、打つ場所が平らで傾斜がつかないことぐらいだろうか。
この「エアブレイク」、すでに日本でも販売しているようなので気になる方はチェックしてほしい。(フロリダ州オーランド/服部謙二郎)