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2023年 ウェルズファーゴ選手権
期間:05/04〜05/07 場所:クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)

アダム・スコットがパッティングで素振りをしない理由

◇米国男子◇ウェルズファーゴ選手権 最終日(7日)◇クエイルホロークラブ(ノースカロライナ州)◇7538yd(パー71)

PGAツアーでは実に10カ月ぶりの優勝争いとなったアダム・スコット(オーストラリア)。最終的には5位タイに終わったが、4日間を通してスコットのパットは冴えわたっていた。初日を終えた時点でストロークゲインドパッティング(パットのスコア貢献度)はフィールドの4位で、最終的に9位。1ラウンドあたりの平均パット数「26.75」はフィールドの1位だった。

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スコットといえば指折りのショットメーカーで、長らくパットに問題を抱えてきた。長尺パターで2013年「マスターズ」に勝ったのち、アンカリング規制が始まったことで一度は短尺に戻したが、今もやはり長尺パターに戻している(グリップエンドを胸につけないアンカリングしないスタイル)。今シーズンのスタッツを見ても、出場した8試合でストロークゲインドパッティングは全体の116位、明らかにパットが足を引っ張っているのが分かる。だが、今週の出来を見る限りはまるで別人、いったい彼にどんな変化があったのか? 直撃してみた。

「特別何か変えたわけじゃないけど、今週のグリーンに対して自分が合っていたかもしれない。雨も降ってちょっとウェットだったのも良かった。すごくタッチが合っていたね」

何か秘密があるだろうと、ラウンド中は彼のグリーン上に注視していたが、ひとつ気づいたたことがあった。スコットはラインを読み、ボールをセットしてから素振りをせずにいきなり打つのだ。撮影をしようとカメラを構えてシャッターを切る準備をしていると、気づけば打ち終わってボールは転がっていることが何度かあった。しかもアドレスしてから始動も早い。

本人に素振りをしない理由を聞くと、「自分のいいストロークを無駄にしたくないんだよ。素振りをしない段階の一番いい“生”の状態を本番で使いたいんだ」と明かしてくれた。さらにスコットは続ける。「パットを打つまでもなるべく止まることなくずっと動いていたくて、ボールを置いたら時間をかけずに打つルーティンにしている。そのほうがバックスイングもスムーズに上がるんだ」。エイムポイントを駆使し時間をかけてラインを読むのとは対照的に、ボールを置いてからインパクトまではあっという間だ。

もう一つ気づいたことある。彼のヘッド、その真っ青な色をした削り出しパターは、よーく見るとシャフトがフェース面よりだいぶ内側に挿さっているのだ。これは「L.A.B.GOLF」(ラブゴルフ)という米国メーカーのパターで、スコットのモデルは「MEZZ.1」(メッツ1)というツノ型のミッドマレット。22年の「ジェネシス招待」から同モデルを使用しているが、今年の2月から青いコスメにチェンジした。

試合後にパターの写真を撮らせてもらった。ソールにはウエートがびっしり埋め込まれていて、いかにもフェースバランス(ヘッドがストレートに動きやすい)なルックスをしている。「いろんなテクノロジーが詰まっていて、僕はあまりそこら辺の科学的なところわからないけど、でもとにかくストロークがしやすいのは確か。ライ角バランス設計のおかげでフェースも常に真っすぐ動いてくれるんだ。シャフトが後ろ側に挿さっていることも影響しているのか、クラブもスムーズに動かせるよ」

アップライトな長尺パターで、なおかつフェースが真っすぐを保ちやすいパターとなれば、かなりオートマチックに動かせるだろうと想像できる。タイガー・ウッズ松山英樹が使うようなピン型の通常の長さ&ライ角のパターに対してまさに対極にいるクラブではないか。

いずれにしても、スコットのパットは復調の兆しをみせている。来週のメジャー「全米プロ」に向けて好材料であるのは間違いない。(ノースカロライナ州シャーロット/服部謙二郎)

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