LIV2年ぶりVデシャンボーの最新14本 「KRANK」に「AVODA」 ボールは「プロV1x」へ
◇LIVゴルフリーグ◇コリア 最終日(4日)◇ジャック・ニクラスGC (韓国)◇7354yd(パー72)
最終日を6アンダーで回り、トータル19アンダーで今季初優勝を遂げたブライソン・デシャンボー。昨年のメジャー「全米オープン」に勝っているものの、LIVでは実に2023年「シカゴ」以来の勝利となった。
前週「メキシコシティ」で2位、4月「マスターズ」でも優勝争いに絡むなど、ただいま絶好調といっていいだろう。いくつか変更点の見られたクラブをチェックしてみよう。
ドライバーは、ドラコン選手のご用達メーカー「KRANK(クランク)」の「フォーミュラ ファイア LDプロ」。日本ではあまり知られていないが、デシャンボーはこのメーカーのドライバーを2023年から使い続けている。いったいナニが好みなのか? 本人に聞くと、「フェースが真っすぐじゃないところがいいんだよ。バルジとロールがきいて真っすぐいってくれる。弾道の曲がり幅が他のドライバーより60%抑えられるんだ」といかにも“サイエンティスト”らしい回答。
お気に入りポイントはその直進性だけでなく、耐久性にもある。クランクのヘッドはすべて手作り。フェースもボディもオールチタン。しかも最高級の硬化ベータチタンを使用していて、最も硬いドライバーとなっている。とてつもない速さのヘッドスピードに耐え切れず、これまで何度もヘッドが壊れてしまうことにうんざりしていただけに、この上ないヘッドを見つけたことになる。
フェアウェイウッドも同社の「フォーミュラ ファイア」の2本。3番ウッドはなんとロフト10度。そしてもう一本の「3+」表記が13度。通常「3W」より「3+」のほうがロフトが立っているはずだが…。やることなすこと常識は当てはまらない。2本とも接着式のモデル。ソールの傷を見る限り、相当打ち込んでいるのが見て取れる。ちなみに同社のフェアウェイウッドは15番ウッド(39度)まである模様。
アイアンは昨年のマスターズで使用していて話題になった、「Avoda Golf(アボダゴルフ)」。こちらも日本では馴染みのないアイアン(アメリカでも馴染みはないようだ)。自身が設計に携わり、3Dプリンターを使って仕上げたヘッド。5番からPWまでワンレングスで、6番アイアンの長さで組んでいるという。こちらもバルジとロールがきいていて、ミスヒットへの寛容性があり直進性が高いと想像できる。
撮影していても分かるが、非常にロフトが立っている。「3+」が13度だから、その下の5番アイアンは18度ぐらい? ウェッジの一番上の番手が45度なので、PWは40度前後だと推測できる。7番でおそらく30度未満。アマチュアが使う飛び系アイアン並みのロフトピッチではないか。
ウェッジは14本の中で唯一大手クラブメーカーのものが入る。ピンの「s159」と「GLIDE4.0」のコンボ。ソールにでかでかとロフト表記が描かれている。シャフトはアイアンと同じLAゴルフのデシャンボー専用モデルが入る。
パターはSIKプロCシリーズを継続使用。アームロック式の中尺で、極太のジャンボマックスグリップを入れる。パターだけでなく、ショット用のクラブにもすべてジャンボマックスのグリップが挿さっているのは書きとどめておきたい。
ボールは昨年まで「プロV1xのレフトダッシュ」だったが、今季は25年モデルの「プロV1x」にスイッチしていた。ブリヂストンのボールを使っていた時にやっていた塩水チェック、今でもやっているのだろうか。
依然として謎の多いセッティング。いずれにしてもこの14本にしてから、成績も安定し、昨年の全米オープンの優勝につながったのは間違いない。そして今季も好調を維持している。このあとやってくる残りメジャー3戦に、否応にも期待が高まる。
<ブライソン・デシャンボーの14本>
ドライバー:クランクゴルフ フォーミュラファイア LD プロ(5度)
シャフト:LAゴルフ ブライソンシリーズ
フェアウェイウッド:クランクゴルフ フォーミュラファイア(3番10度、3+13度)
シャフト:LAゴルフ ブライソンシリーズ
アイアン:アボダゴルフ プロトタイプ(5番~PW)
シャフト:LAゴルフ ブライソンシリーズ
ウェッジ:ピンs159(45、50度)、ピン GLIDE4.0 (55、60度)
シャフト:LAゴルフ ブライソンシリーズ
パター:シックゴルフ プロCシリーズ アームロック