永峰咲希の最新14本 「Qi35LS」に「P770」 パターはキャメロンのセンターシャフト
◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 2日目(19日)◇熊本空港CC(熊本)◇6565yd(パー72)◇晴れ(観衆4141人)
今シーズン、初めて優勝争いに絡む永峰のクラブセッティングがガラッと変わっていた。
ドライバーは契約するテーラーメイドの新作「Qi35 LS」へ。カーボンフェースになって4作目。「前作も打感がにぶいとは思わなかったですが、今回のはさらにいい音になった。今までのカーボンフェースの中で、私が一番好きな打感」とフェースの進化を感じている。「音はカチンと硬めですけど打感は柔らかいので、ボールを押している感じも出せている。柔らかすぎず硬すぎず、音も高すぎず低すぎず。『おっ、ドライバーっぽい』って思いました。使っていてなんか懐かしい響きです」
同時にシャフトを24 ベンタスブルーから同レッドへ。「強い人が使っているなってイメージがあって、打ってみたら意外と良かった。赤のほうが走るのかなと思っていましたが、逆にしっかりしていて先が動かない感じがある。このほうがボールを押せるし、今やっているスイングの課題とも合う。シャフトを替えて、ボールが揃う回数が増えました」と手ごたえ十分。
さらに「めちゃくちゃいい」と言うのが、「Qi35フェアウェイウッド」(3W&7W)だ。「球が上がるし飛ぶ。ドライバーよりもっと打感が柔らかくて、ボールも押せる。7番ウッドは飛びすぎるので、5Uとの間が空かないよう抑えて使っています」と、よっぽど気に入っているのか、解説も饒舌。
「飛ぶといってもバカっ飛びではなくて、ちゃんとスピンが入りつつ前に行っている。テーラーのフェアウェイは毎回進化を感じますけど、やっぱり今回のも驚かされました」
昨年までアイアンは「P770」(6I)と「P7CB」のコンボだったが、このオフに「P770」に統一した。背景にはシャフト(NSモーダス3プロトタイプ)との出合いがあった。
「プロトタイプの中身は軽量の手元調子なんですよ。これが、めっちゃハマった。そもそもヘッド(P770)が“拾う系”じゃないですか。前使っていたシャフトも拾ってくれるやつだったので、『拾う×拾う』で相性が悪かった。新しいシャフトはいい意味で動かなくて。私がどんなに打ち込んでも打点が下目で安定して、ヘッドでボールを上げられています」
ロブウェッジには、プロになって初めて使うというボーケイウェッジが入る。「バウンスをいろいろ選べて、さらに当たり方に合わせて削ってもらえるのがいいですよね。自分がどのバウンスが合うかも分かりやすい」と技巧派らしく、フィッティングを繰り返してソール形状を決めたという。
シーズン初頭はMグラインドを使っていた。「Mとはいえバウンスがありすぎるので、(バウンスの少ない)Tグラインドとの間ぐらいになるよう削ってもらいました。本当はTが良かったんですけど、それだとバンカーが難しくて」。さらに今週はローバウンスのLグラインドを試したのち、「やっぱりバウンスをもっと減らしたほうがいい」となり、Mよりバウンスの少ないSグラインドに替えている。
そして約3週間前にパターをスコッティキャメロンの「Phantom 5 S」へスイッチ。Sはストレートの略で、ややオンセットに差さったセンターシャフトだ。「最初に渡された時、構えて地面に置いてみて、すごく座りの良さを感じました。それと私はハンドファースト(が過ぎる)のクセがあるんですが、オンセットの分、自然とクセが出にくくなるんです」とストロークの矯正にひと役買っているようだ。
まさに一つ一つにこだわりの詰まった14本。最終日、5年ぶりの栄冠をつかむことができるか。
<永峰咲希の14本>
ドライバー:テーラーメイド Qi35 LS(10.5度)
シャフト:藤倉コンポジット 24VENTUS RED(重さ50g台、硬さS)
フェアウェイウッド:テーラーメイド Qi35(3番 15度、7番18度)
シャフト:藤倉コンポジット SPEEDER NX GREEN(重さ60g台、硬さS)
ユーティリティ:テーラーメイド Qi10レスキュー(5番25度、6番28度)
シャフト:藤倉コンポジットTR HYBRID(重さ75g、硬さS)
アイアン:テーラーメイド P770(6番~PW)
シャフト:NSプロモーダス3プロトタイプ(硬さS)
ウェッジ:テーラーメイド MG4(48、54度)、ボーケイSM10(58度)
シャフト:NSプロ950GH(硬さS)
パター:スコッティキャメロン Phantom 5 S
ボール:テーラーメイド TP5X(2024年)