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「新スパイダーツアー」早くもプチ流行中 古江彩佳と岩井明愛の「X」は何が違う?

◇国内女子◇富士通レディース◇東急セブンハンドレッドクラブ(千葉県)◇6679yd(パー72)

「今年は」というか「今年も」というか、メーカー各社から新しいパターが次々に登場し、練習日のパッティンググリーンにはその手のパターがところ狭しと並ぶ。「また出たの?」と、もはやそれを打つプロたちも処理しきれないほどの中にも、定着するパターというものはある。9月に米国テーラーメイドから発表された「スパイダーツアーシリーズ」もその一つ。国内女子ツアーでは2週間前の「日本女子オープン」でツアーシーディング(選手に試してもらう作業)が始まったばかりだが、使用者が続々と増えている。古江彩佳岩井明愛といった強い選手たちがいきなり使い出した効果もあるのだろう。

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新シリーズは全部で4機種。「スパイダーツアー」、「―X」、「―V」、「―Z」。「スパイダーツアー」はいわゆる昔ながらのスパイダーの形をしており、大ぶりなヘッド。ヘッド後方にロケットがついたような形状だ。「X」はロリー・マキロイ(北アイルランド)が愛用しているXの後継で「スパイダーツアー」より小ぶり。操作性が高く、ブレード型に近いフィーリングが出せる。「V」と「Z」は新しく出たラインで「V」はヘッド後方をスッキリとさせた台形のようなフォルム。ヘッドはラインアップの中で最小だ。「Z」は、ヘッド後方に羽が生えたような形状をしていて外周が低く、座りのいいモデルになっている。

何よりまず驚いたのは、岩井明愛が1年近く使ってきたカッパー色の「スパイダーX」から替えたこと。岩井は「日本女子オープンで渡されたんですが、もうカッコ良すぎて…。すぐにでも使いたくて替えました」と突然の出合いを喜んでいる。実際に試合で使ってみると「(前モデルに比べて)打感は柔らかくなった」というが、「今のところ違和感なく使えていて、スパイダーで新しいのが出ない限りこのままいきます」。スパイダー愛(あるいはそのヘッドを使っているマキロイ愛?)は不変なのだろう。

岩井と同じ「X」を使うのが古江だ。元々「スパイダーX」のチョークホワイトを長らく使ってきたが、久々の日本の試合だった「住友生命Vitalityレディス」で「TPリザーブ B3TH」(テーラーメイド)に替えたばかりだった。それが「日本女子オープン」で新しいスパイダーに出合い、こちらも即投入。彼女の新しい「X」には、ある仕掛けが施されていて、ヘッド上部に入った黒いサイトラインの上に白いペイントを塗り、黒いラインが短く見えるようにしている。「ラインが長いとヘッドを真っすぐ引かなきゃいけないって思い込みが出るので、スイングがしづらくなってしまう。『(線を)変えられるならお願いします』ってメーカーの方にお願いしました」。確かに長く使っていた「スパイダーX」はヘッド上部に黒いドットが入っているだけだった。操作性の高い「X」には短いラインの方がいいのだろう。

古江のモデルはソールに「X7」という表記が入り、岩井の「X」がショートスラントネックなのに対し、ダブルベンドネック。今回の「スパイダーツアー」と「X」には、その2つのネックがあるようだ。

首位タイスタートを切った阿部未悠も新しい「スパイダーツアー」に替えた一人。彼女は元々「スパイダーGTX」を使ってきた“スパイダーっ娘”でもある。「今週から替えました。顔が好きで、すごく構えやすい。今まで使っていたやつよりも、少し開閉が大きくなるので、ネックをダブルベンドにして、より真っすぐ動かせるようにしました」。初日のパット数は27、好発進に一役買ったのは間違いないだろう。

女子ツアーでは、他にも永峰咲希山内日菜子仁井優花らが新しいスパイダーにスイッチした。男子ツアーでも展開は始まっていて、久常涼が早速「Z」に替えている。この「蜘蛛ブーム」はしばらく続きそうだが、我々が手にできるのはいつになるのか? 今のところ日本での発売時期や価格などは未定である。(千葉市緑区/服部謙二郎)

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