裁判で逆転パリ五輪切符のはずが… IOCの出場却下に激怒「すべて欺まんだ!」
2024年 ジェネシス スコットランドオープン
期間:07/11〜07/14 場所:ザ・ルネサンスクラブ(スコットランド)
「いま僕はココにいます」Vol.193 スコットランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・31歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はエジンバラにいます。
今週のDPワールドツアー(欧州男子ツアー)は「ジェネシス スコットランドオープン」。PGAツアーとの共催試合で、米国から松山英樹選手と久常涼選手が、欧州からは星野陸也選手、桂川有人選手、中島啓太選手と一緒に出場します。
さて、先週2日に行われた最終予選会で次週のメジャー最終戦「全英オープン」(スコットランド・ロイヤルトゥルーン)の出場権を獲得しました。1日36ホールの長丁場をクリアして6年ぶりに本戦に出場できます。
クオリファイは英国の4つの会場で行われ、合わせて288人が挑戦しました。各コースから全英行きが決まるのは上位4人。僕はリバプールにあるウェストランカシャーGCでプレーしました。1873年の開場、つまり151年前にできたゴルフ場をどうしても回ってみたかった。練習ラウンドでハーフを回ったあたりで早くも本当に良いコースだと感動しました。
深すぎるポットバンカーや、ものすごくタフなホールがあるワケではないのに、こじんまりとしたリンクスらしいゴルフ場。「ここを2ラウンドするのは楽しみだ」と思って迎えた最初のホールで、いきなりトリプルボギーをたたいてしまいました。決してミスとは言えないティショットが深いラフに入り、2打目で出したらバンカーへ。そこからアゴに当たって…と何もかもうまくいかないまま、大たたきを食らいました。
特別調子が悪いわけではないのですが、ツアーではここ3試合で予選落ちをしていて、なんだか呪われているんじゃないか…と思ったくらい。でも、そこでふと頭に浮かんだのがまさに前回出場した全英のことでした。カーヌスティでの初日、1番でまさにトリプルボギーからスタート。そこからじっくり巻き返して予選を通過し、決勝ラウンドにたどり着きました。
「あの時みたいに、何かあるかもしれないなあ」と気持ちを切り替えると、7番(パー5)でイーグル。そこから2ラウンド目の途中まではパーフェクトと言える内容でした。通算5アンダーの3位タイで通過。来週は米国での“裏開催”の大会(バラクーダ選手権)への出場も考えていたところで、念願のチケットを手にできました。
ゴルフって、やっぱりおもしろいものだなあと改めて感じます。どうにも流れが悪かった時期に、急に良い結果が出るんですから。今週は昨年まで欧州で一緒にプレーした久常選手とも久々に再開しました。このスコットランドオープンに出る選手は全員、全英にも出場します。一緒にロイヤルトゥルーンに向かえることをうれしく思います。
今大会のザ・ルネサンスクラブも全英に向けて良いテストになるはず。コースのつくりが違うとはいえ、リンクスであることに変わりはありません。
天候でまったく展開が予想できないのがスコットランドのゴルフ場です。雨や風が吹き荒れるときのコンディションに慣れて、その時々の一打、一打の対応力のイメージを早くつかみたい。なにかひとつ、また上向きの良いきっかけをつかめるようなラウンドができるよう頑張ります。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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