賞金総額12億円超 欧州の旗艦大会に久常涼、星野陸也、桂川有人が挑戦
2024年 BMW PGA選手権
期間:09/19〜09/22 場所:ウェントワースC(イングランド)
「いま僕はココにいます」Vol.197 休養のご報告
“旅人ゴルファー”川村昌弘が右手首の故障により、長期の休養に入ることを明らかにした。予選落ちした前週の「アイルランドオープン」を終えて決断。約2年前に発症した痛みが長引いたままで、DPワールドツアー(欧州ツアー)の特別保証制度(公傷)を利用して離脱する。復帰時期は未定。自身のコラムで近況と見通しについて語った。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はロンドンにいます。
DPワールドツアー(欧州ツアー)は今週、「BMW PGA選手権」を英国のウェントワースで迎えます。楽しみにしていた年に一度のフラッグシップトーナメントですが、今回はご報告があります。
先週の「アイルランドオープン」を最後に、しばらく試合から離れることに決めました。ここ1、2年、手首の故障をごまかしながら転戦を続けてきましたが、いったんここで区切りをつけて休養に入ります。
2022年1月、シーズンの序盤戦に右手首に痛みを発症し、長らく厳しいプレーを強いられてきました。試合に出続けることを優先して、インパクトのイメージを変えたり、クラブをすべてスイッチしたりと付け焼刃のような試行錯誤の繰り返し。1Wショットのキャリーが以前よりも30yd近く落ちても、離脱しない道を探ってきましたが、今の状態では上を目指すことが到底できないという考えに至りました。
アイルランドのリンクスコースでも自分にできること、自分の武器が本当に少なくなってしまったと実感しました。気温やコースのコンディションを考え、「この球を打ちたい」とイメージがわいた弾道が、今の手首の状態では打てません。最初に痛みが出たのは右でしたが、転戦でアジャストしていくうちに左も悪くなってしまいました。
暖かくて身体の動きが良い日は、自分のスイングスピードに右手首が耐えられず痛みが出て加減が必要になります。寒い日には動きが悪くなり、ウォームアップにも時間がかかってしまいます。ショットの前にはいつも「今の状態で、この打ち方に手首がついてくるのか」と考えなければいけなくなりました。このまま無理をすれば、シード権を守れたかもしれません。しかしここで休まなければ、毎年そういった状況で試合をこなすことになるでしょう。
手首痛に端を発し、最近は考えることが多くなった結果、体調が悪くなる週も増えました。不思議なもので、ひとたびスタートティに立つと集中してゴルフができるんです。それがホールアウトするとまたダウンしてしまうような日が頻発していました。
もっと早く決断しても良かったかもしれません。今シーズンはずっと好結果がなかなか出ないこともあって、離脱は今の状況から自分が逃げたり、あきらめたりするようで、なかなか踏ん切りがつかなかったのが正直なところです。
まずは手首を治す方法を探る時間を作りたい。手術をすべきか、あるいは別の治療法にトライするのか。今回のことをきっかけに、他の身体の部分のことを本格的に調べてみようという気持ちにもなりました。復帰時期の期限は設けず、腰を据えて回復に努めたいと考えています。
今後についての相談をするために、ツアーの本部もあるロンドンにやってきました。ラッキーなことにウェントワースの会場には手首のスペシャリストといわれる先生もいて、精密検査を受け、治療の方向性に関してアドバイスをもらったところ。メンタルヘルスのカウンセラーに会うこともでき、約1時間話し込んできたばかりです。長年過ごしてきたツアーに、こんなサービスがあるなんて知りませんでした。
お休みは、カムバックするための充電期間。コンディションを整えてもう一回、上を目指せる状態でツアーに帰ってきたいと思います。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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