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2022年 アイルランドオープン
期間:06/30〜07/03 場所:マウントジュリエットエステート(アイルランド)

「いま僕はココにいます」Vol.144 アイルランド編

人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・29歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。

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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、キルケニーにいます。

今週は欧州ツアー(DPワールドツアー)の「アイルランドオープン」に出場します。欧州大陸から英語圏にやってきました。

今回はまた珍道中…。前週はドイツ、ミュンヘンでの「BMWインターナショナルオープン」を戦い、日曜日の夜にフランクフルトまでレンタカーで移動。その夜にスコットランドに飛んで、火曜日(28日)に「全英オープン」出場権をかけた最終予選に参加する予定を組んでいたのです。

ところが、フランクフルトの空港に着くなりビックリ。カウンターの前に長蛇の列ができていたのです。大混雑で、チェックインカウンターをたらい回しにされ、順番がなかなか巡ってきません。怒号も飛び交う異様な雰囲気。どうやらシステムトラブルで、多くの人の予約が無効になってしまったようなのです。

カウンターの女性従業員や、たまたま隣の席で待っていたお客さんも泣き出す始末…。コロナ禍から活気と客足が戻ってきたはずの空港では現在、多くの国でスタッフが足りず、混乱に至るケースが少なくありません。

僕はそれからなんとかエジンバラに辿り着こうと、フライトをネット検索。なんとかデュッセルドルフからの直行便を見つけました。レンタカーはすでに返却したため、電車で辿り着こうと考えたところ…今度は電車も90分、120分と遅延。その日の移動は諦めて、空港近くのホテルに1泊することにしました。

トラブルは続くもので、タクシーに乗ろうとすると、ゴルフバッグの大荷物を抱え、しかもホテルまで2km未満の道のりでは乗車拒否をされてしまいます。結局、荷物を空港に置いてあるカートに乗せてホテルまで歩く羽目に。踏んだり蹴ったりでした。

結局デュッセルドルフからエジンバラに到着したのは27日(月)の午後でした。翌日の「全英オープン最終予選」は本戦会場のセントアンドリュース近郊、フェアモントセントアンドリュースで1日36ホールのタフな戦い。なんとか回りきりましたが、あえなく出場切符には届きませんでした。

それでも、そこでめげる訳にはいきません。そんな暇はないんです! 激しい雨風を浴びて長時間のラウンドを終えてすぐにエジンバラ空港へ。ギリギリで飛び乗った夜のフライトでダブリンに向かい、さらにレンタカー移動を経て今週の会場に着いたのは水曜日(29日)の午前2時。こんな激しい旅もやっぱり欧州を戦う上では日常なのです。

旅人ゴルファー

Profile

川村昌弘
川村昌弘Masahiro Kawamura
1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
川村昌弘選手の略歴・戦績はプロフィールページで

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