川村昌弘のスリランカ旅(後編)
2017年 クイーンズカップ
期間:06/15〜06/18 場所:サンティブリ サムイCC(タイ)
「いま僕はココにいます」Vol.14 スリランカ前編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・23歳。2012年のプロデビューから5年間で巡った国の数は20以上。活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。世界を旅することこそが、幼い頃からの夢だった。傍らにはキャディバッグと小さなスーツケース。ゴルフで旅する渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、コロンボにいます。
さあ、コロンボがどこにあるかご存知ですか? ここはインド洋に浮かぶ小さな島国・スリランカ。タイでのアジアンツアー「クイーンズカップ」を終え、バンコクから約3時間半のフライトを経て、人生で初めて同国を訪れました。
試合のない今週、旅のきっかけになったのは、「いつかは行ってみたい」と思っていたスリランカにあるゴルフ場でした。かつてイギリス領だった当地には、ロイヤルコロンボGCという130年の歴史を持つコースがあります。そんな願いをかなえるため、アジアで仲良くなったミスン・ペレラという選手にアプローチ。事前に思い切ってメッセージを送ったところ、快くOKをもらい、今回の案内役を買って出てくれたんです。
スリランカの首都はスリジャヤワルダナプラコッテですが、西海岸にあるコロンボが同国最大の都市。気候は最高としか言いようがありません。湿度も低くて気温は連日30℃に届かないくらい。日陰に行くと涼しく、夏の北海道のような心地です。これが一年を通してあまり変わらないというんですから。海沿いのリゾートは、とてもきれいでオーストラリアかと錯覚するような景色もありました。
さあ、お目当てのロイヤルコロンボGC。実はペレラ選手はここのヘッドプロで、スリランカでもっと有名なのは彼のお父さんなんです。ナンダセナ・ペレラ選手は同国プロゴルファーの草分け的存在。プロツアー転戦前の1990年にはアジア大会で銀メダルを獲得。当時、金メダルを手にしたのは丸山茂樹さんでした。
アジアで2番目に古いコースとして知られるこのゴルフ場は、伝統的な「曲げてはいけない」という、ショットの飛距離よりも正確性が求められるレイアウト。グリーンのメンテナンスが素晴らしかった。そして、プレー中にも場内を電車が通るんです。午前中に1番ホールのグリーンをプレーしていたところ、タイミングよく通過して撮影に成功! 次に通るのは夕方だとかで、本当にラッキーでした。
今回の旅は1回では収まりません(笑)。次回もスリランカからお伝えしますので、どうぞお付き合いください。
<今週のランチ>
ロイヤルコロンボGCのクラブハウスで食べたチキン・ビリヤーニ。カレーチャーハンのようなお米の上に、ローストした鶏肉が乗っています。白くて丸いのはゆで卵。690スリランカ・ルピー(約501円)でした。お隣インドの料理と違うのが、スリランカ料理は油が少なくとてもヘルシーだということ。辛さも控えめです。ここだけの話、ペレラもインドに行くとオイリーな食事でおなかを壊すことがあるそうです。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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