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注目の5ルーキーズ/トニー・フィナウ<佐渡充高の選手名鑑 135>

■ 常識が変わる!? 400ヤード級の超絶ドライブ!

今大会の注目新人はトニー・フィナウ(25)だ。彼の出現で、今季PGAツアーは、飛ばしのカテゴリーで激震が走ることは間違いない。身長193センチ、体重91キロの巨漢が放つ豪打のエピソードは数知れず…。その中からいくつかを紹介しよう。

■ エピソード#1「打球がワープ」

僕が初めて彼を見たのは2007年のウィスコンシン州、五大湖近くの街、ミルウォーキーで開催された「USバンク選手権」で、彼は当時17歳のアマチュアだった。フィナウはファイアー・リッジCCで行われたマンデー・トーナメントで「64」のコースレコードをマークして1位で通過し、出場権を獲得したのだった。開催コースのブラウンディアパークGCの16番は、371ヤード、軽い左ドッグレッグで打ち下ろしのパー4だ。グリーン手前にはクリークが横切っているため、攻略の鍵はティショットで手前に刻み、ショートアイアンの2打目で、バーディチャンスにつけられるか。ギャラリーの間で、「このホールで1オンを狙う選手がいる」という噂が広がり、さっそく見に行くと、そこに現れたのはフィナウだった。

初日はグリーン手前に外したものの、2日目は約2メートルのところに1オン成功。3日目、最終日も1オンに成功し、余裕でバーディを奪取した。彼のショットを目撃し、言葉を失うほどの衝撃。打球は目で追えないほど早く、あっと言う間に300ヤード以上も先の地点にワープしたようだった。同大会でのフィナウの平均飛距離は331.6ヤードで1位。最終日の平均は346ヤード、ロンゲストドライブは369ヤードと、飛びの分野は群を抜き1位を独占した。

■ エピソード#2「M.ジョーダンも驚愕の420ヤードショット」

実は、その少し前にマイケル・ジョーダンは「すごい高校生がいる」という話を聞きつけ、早速一緒にプレーしていた。ジョーダンも飛ばし自慢だったが、フィナウに毎ホール100ヤード近くアウトドライブされ、驚きの連続だったそうだ。最終ホール18番は498ヤードのパー5。下りではなくほぼ平坦な地形だった。フィナウのドライバーショットはフェアウェイに豪快に放たれ、飛距離は何と420ヤードを記録。2打目はウェッジでグリーンオンに成功した。衝撃体験の連続でジョーダンはホールアウト後すぐに「噂以上のすごい選手がいるぞ!」とナイキのゴルフ担当者に連絡を入れたのだった。

■ 名門ゴルフ部のスカウトをすべて断り、17歳でプロ転向

フィナウは1989年9月、ユタ州ソルトレイクシティに生まれた。父ケレビはトンガ人で、12歳の時に米国カリフォルニア州に移住。母ラヴェーナはトンガとサモアの血を受け継ぎ、カリフォルニアで生まれた。(トンガもサモアもフィジーの東にあるポリネシアの島)夫妻には10人の子供が誕生し、フィナウと1歳下の弟ギッパーはゴルフで才能を発揮。フィナウは高校卒業直後の17歳、弟16歳、兄弟は同日にプロ転向を果たした。

フィナウはユタ州の「アマチュア選手権」で史上最年少の16歳で優勝。当時から同じユタ在住のレジェンドで、辛口で知られるジョニー・ミラーも「ゴルフのスケールが違う」と手放しで絶賛するほど。名だたる強豪大学ゴルフ部からのスカウトの他に、バスケットボールでのスカウトもあったが、彼はすべて断った。理由について「経済的な事情もあるが、プロで生きていく自信があり、10代でも通用すると証明したい」と話した。

プロ転向の2007年、「全英オープン」と同週開催の「USバンク選手権」で、前述の通りマンデークオリファイを突破しPGAツアーデビューを果たしたフィナウ。予選通過は当時、史上5番目の年少記録となった。(※最年少はボブ・パナシックで1957年「カナディアンオープン」15歳8ヶ月29日、2番目はタッド・フジカワで2007年「ソニーオープン」16歳と4日、3番目はタイ・トライオンで2001年「ホンダクラシック」16歳9ヶ月4日、4番目はトミー・ジェイコブスで1952年「マスターズ」17歳1ヶ月22日)

■ 母の死を乗り越えて

意気揚々とプロ転向を果たしたものの、現実は厳しかった。3年前の12月、母ラヴェーナはネバダ州で交通事故に遭い急逝。いつも熱烈に応援してくれた母との別れはあまりにも辛く、翌年はショックのせいか胃潰瘍の手術を受け、しばらく試合を欠場していた。6年もの間ミニツアーを転戦し、昨年ようやくカナディアンツアーの出場権を獲得。進学せずに17歳でプロになるという決断で、多くの批判にさらされてきたが、ゴルフで世界屈指の選手になるという目標、そしてフィナウ家の幸せな暮らしを叶える夢のため、彼は奮起し全身全霊で努力を続けた。そして今年ウェブドットコムツアーのメンバーになり、PGAツアーへの足掛かりをつかんだ。

今年8月の「ストーンブレアクラシック」で悲願の初優勝を果たし、PGAツアーの出場権を確実なものとした。同大会での22アンダーは大会記録で初優勝に花を添えた。23試合に参加し1勝、トップ10に5回、賞金ランク8位の好成績。記録の中で光っていたのは2014年同ツアー最長飛距離“409ヤード”の1位の記録だ。今週の会場ラスベガスのTPCサマリンはドライな気候で地面も固く飛距離が出やすい。フィナウの活躍、そして超豪打も楽しみだ。

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佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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