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<佐渡充高の選手名鑑 105>フィル・ミケルソン【前編】

2014/01/29 10:00

■ フェニックスはホームゲーム

今大会は週末ともなると連日10万人前後の観客が熱狂する最もギャラリーが多い大会だ。多くの観客は地元出身の選手を応援するが、中でも一番人気はフィル・ミケルソン(43)だ。ミケルソンはフェニックスオープンが行われる同州のアリゾナ州立大学出身だ。在学中に学生リーグのみならず、PGAツアーの試合で優勝を飾るなど、地元のスーパーヒーローなのである。その期待に応えようと彼も第二の故郷でのプレーはメジャー級の気合で毎年挑んでいる。その甲斐あって、今大会では3勝をあげ、特に昨年の優勝は通算28アンダーのトーナメントレコードタイの記録まで残しているのだ。

■ ミケルソンを育んだゴルフ愛ファミリー

◇元パイロットの父フィルSr.
そのミケルソンにゴルフを教えたのは父フィルSr.だ。父はトップガン(海軍戦闘機兵器学校)出身で戦闘機の機上経験を持つファイター、その後、民間機のパイロットとして活躍した。アイデアマンでリタイア後の1998年には、フォーカス付のギャラリー観戦用テレスコープを開発しビジネスを始めると、試合会場で「大ギャラリーで観戦するのが大変なタイガー・ウッズのプレーを最前列のように見られますよ!」とセールス。「タイガーではなくフィルじゃないの!?と思わず突っ込みそうになったこともあった(笑)。父はゴルフが大好きでシングルの腕前。一緒にプレーしたいと幼い頃から子供たちにクラブを与え、教えるようになった。父はとても朗らかな性格で、ある時、僕の自宅留守番電話に残された「フィルの父だよ。元気?」からはじまる元気一杯のメッセージが嬉しくて、何度も聞き直したこともあったほどだ。

◇シニア五輪・金メダリスト 母メアリー
母メアリーは正看護師で老人介護のスペシャリスト。またバスケットボールの選手で2001年、シニア五輪で金メダルに輝いたアスリートだ。テコンドーの有段者でもあり、フィルは母の影響からトレーニングの一環として格闘技を取り入れている。技術は父、身体づくりは母の指導で成長してきた。最近、両親は孫たちとショートコースでゴルフをするのが何より楽しみだそうだ。

◇美人インストラクター 姉ティナ
長女ティナ、長男フィル、二男ティム。3人の子供たちはそんな父の楽しいレッスンだからこそ、ゴルフに夢中になりメキメキ上達していった。フィルは右利きだが、父と対面しゴルフを教わった影響でレフティになった。自宅裏庭に、父が設営したグリーンでショートゲームの腕を姉とともに磨いていった。小学生の頃から、休みの日には姉と2人で一日中プレーし、ニアピンを競うなど切磋琢磨しあって、競技や勝負は姉から習得してきた。フィルがプロ転向した時には、姉はティーチングプロの活動をスタートしており、業界の先輩として弟に様々なアドバイスを授けた。姉は現在もレッスン番組やテレビ解説など多方面で活躍中だ。2009年には、母と、フィルの妻エイミーが同時期に乳がんの闘病で大変な時を迎えたが、姉の陣頭指揮で一家は困難を乗り越えるなど、実はミケルソンファミリーの影の司令塔である。

◇大学ゴルフ部監督 弟ティム
弟ティムも兄と同じ大学に奨学生として進学。卒業後はツアープロを目指しPGAツアーに挑戦したが断念した。その頃はフィルのキャディをしていた時期もあり、私は兄弟の練習ラウンドに同行したことがあった。とても話好きなティム。「兄は右利きだけどゴルフはレフティ。僕は左利きだけどゴルフは右。面白いだろ?」と父そっくりのマシンガントークで、朗らかな性格だ。「幼い頃から兄とはあらゆることで競ってきた。他のスポーツもゲーム(ポーカー)も僕が勝つことが多かったけど、ゴルフだけは兄に勝てなかったね」と脱帽。しかしティムは、監督という指導者の道へ転換すると、一気に才能を開花させた。2つの大学でコーチの経験を積み、現在は兄弟の母校ゴルフ部のヘッドコーチに就任。マーク・ウィービーなどツアープロの息子たちをはじめ、未来のスター選手育成で成果を挙げている。大学は試合会場のすぐ近くで、毎年、教え子たちを連れて兄の応援に駆けつけている。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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