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2013年 CIMBクラシック
期間:10/24〜10/27 場所:クアラルンプールG&CC(マレーシア)

<佐渡充高の選手名鑑 97>デービス・ラブIII

■ アジア初開催の米PGAツアー公式大会

「CIMBクラシック」はアジア開催初の米ツアー公式大会となる。昨年までは非公式の大会だったが、今年からは優勝回数、2年のシード権だけでなく、来季シード権に影響するフェデックスカップ・ポイントの対象となり、優勝者にはマスターズの出場権も与えられる。参加枠は78人で通常の大会の約半数と絞られ、その内訳はPGAツアーの上位60選手、アジアンツアーの上位10選手、スポンサー推薦8選手となっている。会場はマレーシアのほぼ中心部にあるクアラルンプールG&CC(6,951ヤード、パー72)。コースはトリッキーなホールもあるが、全体的にはフラットで比較的やさしい。予選落ちもないので、どれだけスコアを伸ばせるか、バーディ合戦が予想される。

■ 開幕戦で松山英樹に助言したデービス・ラブIIIとは?

今週はツアー20勝の大ベテラン、デービス・ラブIII(49)について記そうと思う。開幕戦で松山英樹と同組でプレーし、グリーン上で松山のボールの戻し方を注意した選手だ。僕は26年前の1987年、ラブがツアー2年目の頃から彼を見てきた。当時は4月のヘリテージで飛距離を生かしツアー初優勝、期待の若手選手だった。最初は愛想も、ジョークもなく、気難しい男?という印象を抱くようなタイプだった。ラブと同世代の選手のように、弾ける若さや笑顔はなく、発言も真面目、年齢よりも大人の雰囲気を醸し出していた。その理由はラブがまだ24歳の時、著名なインストラクターの父が飛行機事故で他界。長男の彼は突如一家の柱となり、家族を支えねばならない境遇になったからだった。

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また正義感にあふれ、間違ったことに毅然と立ち向かう男でもある。1998年「アーノルド・パーマーインビテーショナル」の3日目のプレー中、ギャラリーからラブのプレーを侮辱するような言葉が数回飛んだ。すると彼はその男へと走り寄り「もう一度言ってみろ!言えないなら皆の迷惑になるからやめてくれ」と迫った。一瞬緊迫したムードが漂ったが、その男は係員に取り押さえられ退場させられた。

一昨年ライダーカップのキャプテンを務め、大逆転負けを喫した時の潔い態度も見事だった。同試合は欧米の本気の「戦」であり、米国のファンからは非難の嵐。しばらく表舞台から遠ざかり静かにしているかと思ったが、彼はその逆だった。「すべての責任は自分にある。非難を浴びることで皆の気が晴れるなら僕はすべて受けとめる。敗北を償うためにも暫く試合に参加する」と毅然と述べ、2011年のフォールシリーズ4試合に出場した。自ら矢面に立ち、参加選手の名誉をも守ろうとした彼の覚悟を見かねたフィル・ミケルソンは「敗因は、主将であるラブの指示に逆らった自分にある」と詳細を説明したほどだった。

1997年の「全米プロ選手権」を制するなど、順調にキャリアを重ねて来たように思われた2003年、彼の別荘で個人事務所の代表だったロビン夫人の弟が拳銃で頭を貫き自殺。最初に発見したのはラブだと言われている。衝撃で立ち直れないほどの状況にもかかわらず、追い打ちをかけるように、その真相をめぐり良からぬ噂が飛び交った。しかし彼は風評から家族を守り、試練に耐え気持ちを奮い立たせツアーに復帰。その姿に周囲は驚き、彼への信頼はゆるぎないものとなった。その後、選手会長に選出され、2011年まで任を遂行。おそるべきタフガイなのだ。誠実で真面目な人柄から2012年12月5日、米国ゴルフ協会の最高賞であるボブ・ジョーンズ賞を受賞した。

■ ラブリーな一面も

ちょっと窮屈そうな男だが、普段は穏やかでスローテンポ。インタビューの約束をするとだいたい30分は遅れてフラリと現れる。「遅れてゴメン」と謝るのかと思ったら「まぁ~、いい時間だね」とケロリ、常にマイペースなのだ。NYCでラルフ・ローレンの契約選手が揃ってのパーティーが行われた時、ラブのゴルフ談義は23時を過ぎても終わる様子がなかった。ロビン夫人は「いい加減にして!」とばかりに厳しい視線を送り続けたが効果なし。夫人はその間にワインを飲みすぎてフラフラになったこともあった。

釣りにスノーボード、ハンティング、インディ500を目指しスピードレースに参加したり、休日はハーレーダビッドソンでのツーリングなど多くの趣味を持っている。料理も好きで、最近では「アイアンシェフ」と言われ始めた。というのも、母親伝授の鉄製本格的グリル鍋や鉄板を使う料理が得意で、彼がデザインしたコレクションが発売されるほど、趣味も本気で極める男である。

タイガー・ウッズもラブの助言で成長

ラブは以前から若手の面倒見が良かった。タイガー・ウッズがツアーに参加し始めた頃、強気の言動を非難する選手が多く、ラブは折に触れ、夕食に誘いその席で気づいたことを率直に伝えていた。それはラブ自身が、トム・ワトソントム・カイトら諸先輩から、時に厳しい指摘を受け成長してきたからだ。その経験に自信があるからこそ、開幕戦で松山に助言をしたのだろう。ウッズがそうだったように、松山もこの出来事を機に、ラブと良い関係を築き、成長への糧としてほしい。先週のラスベガスで一緒に練習ラウンドの約束したことはその第一歩。松山の体調不良と、ラブが足を傷めたことで、このラウンドは叶わなかったが、近い将来ラブは必ず松山の力になってくれるはずだ。

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佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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