2023年 ザ・アメリカンエキスプレス
期間:01/19〜01/22 場所:PGAウエスト ニクラス・トーナメントコース(カリフォルニア州)
リッキー・ファウラーがキャディのパターのレプリカを使用している理由
今週の「ザ・アメリカンエキスプレス」で今年の初戦を迎えることとなったリッキー・ファウラーは、ギアのセットアップに大きな変更を施してカリフォルニア州ラキンタへと姿を現した。
ファウラーはドライバーと3番ウッドをコブラの新しいエアロジェットに変更し、さらに新しいパターをバッグに入れているのだが、これは彼のキャディであるリッキー・ロマノが使用するモデルのレプリカなのである。
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ファウラーは昨年、複数のパターを試していたが、どうやらパターに関する試行錯誤は新年も続いているようだ。最新の変更は、ファウラーが先週の日曜にロマノのパターを手に取り、それで何球かボールを転がした直後に行われた。これはファウラーがこれまで練習や競技で使用した物とは似ても似つかぬパターだったが、ファウラーはロマノのオデッセイ バーサ ジェイルバード パターを気に入り、自分にも1本欲しいと思ったのである。
そのため、ファウラーは月曜に、キャロウェイのPGAツアー担当部長であり、かつてオデッセイでツアーレップを務めていたジョー・トゥーロンとコンタクトを取り、ロマノのパターと類似した物をリクエストした。そして、トゥーロンはファウラーに、17インチのスーパーストロークツアー3.0グリップが装着され、ソールに20~25グラムの鉛テープが貼付された新品のオデッセイ バーサ ジェイルバード パターを手渡した。
長めのグリップが装着されてはいるものの、パター自体は、アームロック式でもなければ、長尺でもなかった。ファウラーはグリップを前腕、胸、あるいは腹などにアンカリングしているわけではない。彼はいつも通り、通常の握り方とスタンスで、普通にストロークしているのだが、カウンターバランスのセットアップが、物事を単純化することでファウラーを助けているのである。
「ここ数年、全くもって、前の自分のように、あるいは自分の望むような感じでパットができていなかったんだ」と、昨季ストローク・ゲインド:パッティングで161位に沈んだファウラーは述べた。
「自信という面から言っても、前まで常に感じていたフィーリングを感じられない部分がその一因となっていた。右手が、自信を持ってストロークできていないんだ。ただ、必ずしも何かを模索していたわけではない。僕は辛抱しながら、自分の通常の練習に取り組んでいたんだ」
「これにはとてもショックを受けたよ。というのも、これまで一度も長めの物や、カウンターバランスみたいな物は試したことがなかったから。とても興味深いのだけど、ある意味、これは僕を自由にしてくれたんだ。僕やストロークやスタンスを変えたわけではないし、自分の持っている通常の長さのパターを使う時と握り方を変えているわけでもないからね。とにかく、何というか、これは僕のために何かを果たしていてくれて、僕が考えなくても良いようにしてくれている感じがするんだ」
ファウラーはGolfWRXとのインタビューで、他にもいくつかの話題について触れている。以下は、その話題の内容である。
新しいドライバーと3番ウッドについて
ファウラーは昨季、ほぼ1シーズンを通してコブラ キングLTDx LSドライバーとラッドスピードビッグツアーの3番ウッドを使用した。
ただ、彼は数カ月前からコブラの新しいエアロジェットドライバーとフェアウェイウッドのテスティングを始めており、彼はこの新しいクラブについて、特に寛容性が大幅に向上したと述べた。十分なテスト期間を経て、クラブが手に馴染んだことから、2023年の初戦で新しいエアロジェットを実戦投入することに決めた。
「まあ、結局のところ、僕だってより良くなったと感じなければ、このドライバーと3番ウッドをバッグに入れることはなかったよ」とファウラーは説明した。
「もちろん、僕らは常に新しい製品を使うよう努めてはいるけれど、僕は自分のクラブには満足していたんだ。昨年のドライバーと3番ウッドは、もう2年前くらいから使い続けていたけれど、新しい3番ウッドに関しては、トウ寄りで打つミスに対して少し寛容になっていると感じたんだ。エアロジェットの3番ウッドは、少し安定感が増していて、弾道の特性はほとんど同じながら、寛容性が少し増しているので、良い感じのボーナスみたいなものだね」
「ドライバーも同じような感じだね。フェースの下側から上側にかけてのヒットに対して、数字がよりタイトになっていて、ミスに対してスピン量が上がらないし、フェースの上側でヒットしても、スピン量が落ちすぎるということもないんだ。これにより、左右の球の散らばりがタイトになったね。その上で、実のところこれまでよりロフト角を0.5度増やしたんだ。LSはかなり低スピンのヘッドで、これは僕にとってはこれまでも素晴らしい感じだった」
「少しでもロフトを上げることができれば、間違いなく左右の散らばりを減らす上での助けとなる。ロフトを低くすると、右へ吹け上がったり、左へ突き抜けたりすることもあるから。増やせるのであれば、ロフトは友達なんだ」
ブッチ・ハーモンと再びコンビを組んだことについて
それまでジョン・ティレリーをスイングコーチとしていたファウラーは、昨年の9月にかつてのスイングコーチだったブッチ・ハーモンの門を再びたたいた。ファウラーは昨秋に確かな手応えをつかんだ上で、「ザ・アメリカンエキスプレス」へとやって来た。彼はシーズン開幕戦の「フォーティネット選手権」で6位タイに入り、「ZOZO選手権」では2位に入ったことで、フェデックスカップでのランキングを26位としている。
「昨秋はプレーし続ける中で、成功したことがあったんだ」とファウラー。「ただ、それはまだ(スイング変更を)大胆にやっている中でのことであり、とても心地良いというわけではなかったんだ。今は、かなり心地良くなってきたけどね」
「これは、ここ何年間かでティレリーから学んできたことと、ブッチから得たフィードバックのコンビネーションの賜物だと思う。ここ数カ月、また彼の元に戻り、話をする中で、何をするべきかというのが自分の中ではっきりしたし、最終的には、それで物事が整理できたと思う。まだ、練習レンジでは、スイング改造に取り組む上で、大袈裟にやらなければならない部分もあるけれど、今は秋口よりはかなり心地良くはなっているね」
ゲーリー・ウッドランドがコブラの契約選手に加わったことについて
先週のPGAツアーイクイップメントレポートでは、ゲーリー・ウッドランドがコブラと新たに用具契約を結んだことについて伝えた。今週、我々はこのニュースについてどう思うかを長年コブラの契約選手としてプレーするファウラーに聞いてみた。
「そうだね、ゲーリーは最高だよ」とファウラー。「僕らは南フロリダの自宅にいるときは、少しばかり一緒にプレーすることもあるんだ。彼はジュピターの少し南に住んでいてね。彼はすでにプーマの一員ではあったけれど、コブラとクラブの契約をし、フルで僕らの仲間になったね。彼がコブラとの契約をエンジョイしているのは知っているよ。彼はアイアンをとても気に入っているし、僕は彼がウッド類も気に入っていることを知っている。そして、全ての準備が整ったことで、彼は前へ進むことにとても興奮していたよ」
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)