トーマス組が首位 ウッズ組は2打差2位発進/PNC選手権初日
タイガー・ウッズがPNC選手権のためにギアへ施した6カ所の調整
タイガー・ウッズが使用ギアのラインアップを入れ替えようものなら、ゴルフ用具界では一大ニュースとなる。今週の「PNC選手権」を迎えるにあたり、彼は必ずしも“変更”したわけではなかったが、使用するギアにいくつかの興味深くインパクトのある“調整”を施した。
ウッズの場合、小さな変更でさえ注目に値し、それがゲーム全体にどのような変化をもたらすかについての見識を与えてくれるのである。
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我々が前回、サザンヒルズでの「全米プロゴルフ選手権」でウッズのギアを現地で分析して以来、彼はドライバーと3番ウッドに微調整を施し、パターヘッドに重量を加えて長年使用したパターグリップを変更した。また、全ショットに使用する1つの用具にも変更を加えている。
以下はその詳細である。
□ドライバー
5月の全米プロゴルフ選手権では、ウッズの使用するテーラーメイド ステルスプラスドライバー(9度)の15gの可動ウェイトは、ニュートラル位置からわずかにドロー設定に寄った位置に付けられていた。ウェイトをこの位置に付けることにより、ヘッドの重心位置には、わずかにドローバイアスがかかっていた。
今週、彼は軽めの10gのウェイトを使用し、それをニュートラル位置に取り付けている。それ以外の全ての条件が同じであれば、これによりドライバーは若干軽量となり、比較的ドローバイアスは軽めとなる。
しかし、ウッズはホーゼル設定にも変更を施している。
テーラーメイドのステルス用ホーゼル設定チャートを参照したところ、彼のドライバーのライ角は、それまでの57.25度から58.75度に変更されたもようである。しかし、フェース角が標準と比べて3度オープンになり、ロフトが1.5度立っているのは、これまでのホーゼル設定と同じである。
一般的に、ライ角がよりアップライトになると、インパクトでドライバーのヘッドはリリースしやすくなる。
ウッズのドライバーは、ソールウェイトが軽くなり、その位置がよりニュートラル寄りとなり、更にライ角がよりアップライトになった。
□3番ウッド
ドライバー同様、ウッズはテーラーメイドSIMチタニウムの3番ウッド(15度)のホーゼル設定も変えている。
テーラーメイドのSIM用ホーゼル設定チャートを参照したところ、1.5度オープンになり、ロフトは0.75度立った状態で、ライ角は59.5度に調整されているもようである。これまでの設定は、3度オープンでロフトは1.5度立ち、ライ角は58.75度となっていた。
ウッズはこれまで同様、三菱ケミカル ディアマナD+ 70TXシャフトを使用し、ヘッドのウェイトも変更していないようなので、彼の3番ウッドは若干スピン量と打ち出し角が上がり、ライ角がアップライトになったことで、ドローバイアスのかかった設定となった。
□パターとグリップ
キャリアのほぼ全体を通じて、ウッズは見るからに薄く、軽い構造を持ったピンPP58パターグリップの装着されたスコッティキャメロン ニューポート2 GSSプロトタイプパターを使用してきた。彼は短期間、別のパターグリップを使用したこともあったが、ほぼ常にスタート地点からのPP58だった。
今週、ウッズは同じパターヘッドを使用しているものの、装着されたグリップは77~80gとより重くなったスコッティキャメロン ピストリニプラス グリップとなっている。これまで使用していたピンPP58グリップは、名称が示す通り、わずか58gしか重量がなかった。ただ、これまで同様、ウッズが新たに使用しているスコッティキャメロンのグリップのメーカーロゴは、マジックか何かで、黒く塗りつぶされている。
我々はこれまで、ウッズが「全英オープン」の遅いグリーンと強い風に対応するため、パターヘッドの裏に鉛テープを貼るのを目撃してきた。鉛テープはわずか数グラムの重量を加えるに過ぎないが、これはパターの打感とパフォーマンスにインパクトの強い変更を与えるには、十分な重さなのである。
パターフェース中央についた打球痕に基づくと、ウッズが芯を外すことはキャリアを通じてほとんどなかったようなので、彼がセットアップに変更を加えたということは、そこに重要な意味があったであろうことが推測できる。
□ゴルフボール
もう何年もの間、ウッズはブリヂストン ツアーB XS TWエディションボールを使用してきた。これは、アプローチショット(グリーンを狙うショット)での高スピンと柔らかい打感を実現するため、彼がブリヂストンと共同で設計したボールである。しかし、今週のウッズは、比較的スピン量の少ないブリヂストン ツアーB Xを使用している。これにより、わずかながら操作性と止める威力を犠牲にしつつ、長い番手のショットで飛距離を稼ぐことができる。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)