クラブについて語ったジョーダン・スピース(Tracy Wilcox/PGA TOUR)

ジョーダン・スピースがタイトル防衛に挑んだ「バレロテキサスオープン」（編注：35位）はメジャー「マスターズ」へ向けた最後の調整で、他の大会にはない特色を持っていた。我々（GolfWRX）は同大会で、2015年「マスターズ」王者にして、同年のフェデックスカップ王者に使用するギアについて話を聞いた。最近ヒビが入ったことでドライバーを交換したこと、そしてオーガスタナショナルへ向けて何か変更するかなど、いろいろと語ってくれた。

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スピースのドライバー(Courtesy of GolfWRX)

GolfWRXとスピースのギアに関するQ&Aは以下の通り。

GolfWRX:よく知られているように、あなたはスイング改造に取り組んできましたし、今もスイングについては懸命に取り組んでいます。それにはライ角やロフト角、シャフトなどといった変更も相まっているのでしょうか。

スピース：それはまだ変えていないが、「ザ・プレーヤーズ」でドライバーにヒビを入れてしまったんだ。自分はスピン量のかなり少ない選手で、ドライバーは低スピン化をたどっているので、これまで何パターンか、ロフトなど異なるセッティングを試してみたことはあるよ。

今は、（タイトリスト TSi3）ドライバーのヘッドを、昨年使っていてかなりソリッドだった物と同じようなスピン量にしようとしている。スピン量過多にならずに十分なスピン量を得ようとしている。今はそれが課題となっている。

でも、それ以外のクラブはとてもしっくりきている。打ち出しの状態はとても良い感じだね。今年はこの時期になって、ちょうどウェッジを替えたところ。春を迎えるにあたり、真新しい物にしたけど、打ち出し角やロフトに関してはいじっていない。

GolfWRX:特にオーガスタ用にウェッジのバウンスを変えたりしましたか。

スピース：変えていないね。オーガスタへ向けては、特に何も変えていないよ。僕はそれぞれ、柔らかい砂や硬い砂、あるいはベント芝や芝目のきついバミューダに合わせて何か変えるということはしないんだ。

僕は芝目のきついバミューダでピッチショットを学んだけど、これは沈んだボールを打ちにいくことを意味する。バウンスを使わないので、僕の60度ウェッジにはバウンスはほとんどない。バンカーでさえ、クラブをボールのかなり近くへ入れようとするので、砂質の硬軟で違いは生じないんだよ。これは技術的なこと。少しずれたとしても、ウェッジのバウンスは関係ないんだ。

スピースのハイブリッド(Courtesy of GolfWRX)

GolfWRX:ではウェッジでは、バウンスではなく、よりリーディングエッジを使っているということでしょうか。

スピース：僕はボールを打ち込みに行く。ロフトが必要な場合は、打ちにいって、ボールをつかまえるところでロフトを作り出している。必要がない限り、地面を先に打つことはないね。

GolfWRX:では、今年SM9に替えた以外は、本当の意味での用具変更は行なっていないのでしょうか。

スピース：SM9を使っているけれど、60度は特別に作ってもらったプロトタイプなんだ。僕が行なった唯一の用具変更は、プレーする場所によって、ドライビングアイアンとハイブリッドを使い分けているところくらいかな。

今年のオーガスタは距離が伸びたので、ハイブリッドを使おうか考えている。オーガスタでは、両方試したことがあるけれど、僕にとってはハイブリッドの方がより良いことが多い。というのも、パー5で2オンを狙う上で、ハイブリッドは距離がちょうどいいいんだ。

スピースの60度のウェッジ(Courtesy of GolfWRX)

GolfWRX:60度ウェッジは、多くの選手がウェッジワークスのプロトタイプを使用しているようですが、このウェッジを使用するのはどういう理由があるのでしょうか。そして、このウェッジはオーシャンサイドにあるTPI（タイトリスト・パフォーマンス・インスティチュート）でフィッティングしているのか、あるいはどこか別の場所から届けられるのでしょうか。

スピース：オーシャンサイドでテスティングはしているよ。もちろん、その方が何十通りもの異なるグラインド、ルックス、そしてロフトを簡単に試打できるからね。あそこには多くの種類があるし、施設も最高なんだ。でも、試合会場でも、僕らはほぼ全ての種類にアクセスできる。正直に言うと、そう言う意味で、僕らはかなり甘やかされていると思う。

ウェッジのグラインドはTグラインドに替えたけれど、それがいつのことだったか思い出せないくらい何年も前のこと。理由は、フェースを開くと、よりクリーンで地面の抜けが良く見えたから。僕らはツアーの現場で、ボーケイのレップであるアーロン・ディルと会って話をすることができる。彼は本当に良くできる人。SM9の60度を持ってきたので、「これは僕のやつと少し見た目が違うね。見比べてみたいので、他のを持って来てもらえるかな」と頼んだりするんだ。

彼は「溶接で調整して、君の持っているやつと同じような見た目にできるよ。それに、すでに君の持っているやつのバックアップも作れるよ」と言った。通常、僕らが好みの物を手に入れるうえで、問題が生じることはないね。

GolfWRX:それは我々が持っている入手経路とはずいぶん話が違いますね。

スピース：まあ、僕らのクラブは早く摩耗するからね。

GolfWRX:それはあなたがしっかり練習するからですね。

（協力／GolfWRX、PGATOUR.com）