最も注目されたフェアウェイウッドBEST10【2020年アクセス数ランキング】
これぞ名器? PGAツアープロが長年使い続けるクラブ
PGAツアーの選手たちが常に最新にして最高のギアを使用しているであろうことは、容易に察しがつく。それは、用具メーカーが理論的に毎年テクノロジーの限界を更新し、押し上げているため、理に適っているといえる。そして、当然のことながら、各メーカーは契約選手に最新の製品ラインを使用してもらうことを望んでいる。
しかしながら、いつの時代も消えて無くならないクラブが存在する。迷信、悪癖、郷愁、あるいはその中間の何か…といったところか。以下のクラブは、ツアーで“引退”を拒否し続けてきた名器たちである(なお、タイガー・ウッズが長年愛用しているスコッティキャメロン ニューポート2 GSSをはじめとするパターはここでは例外として取り上げない)。
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ケビン・ナのキャロウェイGBBエピックドライバー
古いドライバー(ここでは発売から4年以上経過したものを古いクラブと定義する)を使用する選手はケビン・ナだけではないが、彼の乗り換えを承知しない姿勢は注目に値する。機能している物を手元に置き続けるのは、必ずしも罪とはいえないが、キャロウェイが2017年以降に遂げてきた進化からすると、新しいドライバーを使用すれば、あと10yd飛距離を伸ばせたであろうことは想像がつく。
しかし、ナのクラブに対する揺るぎない信頼は責められない。ましてや、1月「ソニーオープンinハワイ」で優勝し、過去4シーズン連続で勝利を挙げたとあってクラブの変更はなおさら難しいものとなった。
<仕様>
ドライバー:キャロウェイGBBエピック(9度)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD GP6 TX
フィナウとケプカのナイキ ヴェイパープロ 3アイアン
これは、いまだにギアマニアを魅了するクラブである。なぜ、世界最高クラスの選手、トニー・フィナウとブルックス・ケプカはこの3アイアンを繰り返しバッグに戻してきたのだろうか? 過去4、5年の間に、このクラブはフィナウとケプカにより、何度か“ベンチ要員”としてバッグから抜かれたこともあったが、1月「ザ・アメリカンエキスプレス」ではともにこのアイアンを使用している。
かつてナイキで技術者をしていたベン・ギンタ氏はそのワケを「あのモデルについて、選手たちは好印象を持っていますね。そんなにオフセットはなく、一貫性があります。彼らの見た目に馴染んでいるし、クラブとして本当に素晴らしいものです」と言う。議論の余地はなさそうだ。
<仕様>
ブルックス・ケプカ
ナイキ ヴェイパー フライ プロ(3番アイアン)
シャフト: 藤倉コンポジット プロ95ツアースペック Xフレックス
トニー・フィナウ
ナイキ ヴェイパー フライ プロ(3番アイアン)
シャフト: グラファイトデザイン ツアーAD DIハイブリッド 105X
カプルスのキャロウェイ FT-i スクエアウェイ 3ウッド
「これより良く打てるクラブは見つかっていなんだ」。これは、2019年のギアドライブポッドキャスト(音声番組)でフレッド・カプルスがGolfWRXのジョニー・ワンダーに語った言葉である。
いかにしてこのクラブがカプルスのバッグに収まったかという、以下の話は、最も彼らしいエピソードといえるかもしれない。
それは、2008年に「ボブ・ホープ クライスラークラシック」が開催されたシルバーロックの練習レンジでの出来事だった。当時、ハリソン(シャフトメーカー)のツアーレップがフレッドとともにテストを行っており、サンプルの1つにキャロウェイの四角いヘッドのフェアウェイウッドが取り付けられていた。当時、シャフトメーカーのツアーレップは、試打を迅速に行うべく、あらかじめ試打用のクラブを組み上げていた。何球か打つと、フレッドは振り返って「これは気に入った」と言った。ツアーレップは「良かったです。では、どのヘッドをつけましょうか?」と聞くと、フレッドは「いや、この全体が気に入ったんだ。ありがとう」と答えた。そして、ヘッドカバーが被せられ、バッグに収まり、今日に至ったのである。
<仕様>
キャロウェイ FT-i スクエアウェイ(15度)
シャフト: ハリソン ムゲン プロトタイプ 75 X(43インチ、D3)
ステンソンのキャロウェイ レガシーブラックアイアン
これまで注目を集めてきたのは、ヘンリック・ステンソンが長年信頼を寄せてきたキャロウェイ DIABLO Octane フェアウェイウッドの3ウッドだったが、これが正式にお役御免となったことで、アイアンが彼のバッグで傑出して長い寿命を誇るクラブとなった。念のため前置きしておくと、キャロウェイ レガシーブラックアイアンは、これまで一度も米国で販売されたことはない。これは日本限定モデルであり、2013年に彼の目に止まった。ステンソンはこれまで一貫して、アイアンの寛容性に重きを置いてきた。このクラブがアドレスでブレードアイアンの見た目をしつつ、ミスへの許容性が高いところを気に入っていた。近年で最高のボールストライカーのひとりであるステンソンのようなゴルファーでさえ、得られる手助けは最大限に活かすということを知ると、誰もが安心するだろう。
ウワサによると、ステンソンはこれまでこのアイアンセットを10セット以上使用しており、ストックは減ってきているようである。
仕様
キャロウェイ レガシーブラック(3番-PW)
シャフト: 日本N.S.プロ モーダス3 ツアー120X
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)