藤田寛之は米シニア最終戦26位 来季は“シニア最高峰”を主戦場に
2024年 チャールズ・シュワブ・カップ選手権
期間:11/07〜11/10 場所:フェニックスCC(アリゾナ州)
アマチュアが学ぶべき 米シニア最多勝利の67歳が追及する“機能性”
◇米国シニアプレーオフ最終戦◇チャールズ・シュワブ・カップ選手権 最終日(10日)◇フェニックスCC (アリゾナ州)◇6860yd(パー71)
67歳のベルンハルト・ランガー(ドイツ)が通算18アンダーで今季最終戦を制した。昨年「全米シニアオープン」以来の勝利で自身の持つ米シニアツアー最多勝利数を「47勝」に更新。同ツアーに加わった2007年からの連続優勝は「18年」に伸びた。
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今回は、ランガーの成功の一要因であるギアをのぞく。ゴルフ界全体で見ても、彼のセットアップは独自性の強いものとなっている。
1. 古典的ハイブリッドに鉛テープ
アダムス アイディア プロツアー プロトタイプのハイブリッドは信頼の一本だ。2006年に初登場したモダンクラシックだが、今でもバッグに入れるプロはおり、ランガーもその一人である。彼はロフト角18度で、RTテクノロジーズ マイダスフィラメント ウォンドナノシャフトを装着したモデルを使用している。
2. アイアンは“番手ごと”に決定
ランガーは14本のクラブをそれぞれ“個別のツール”として扱う。
多くのゴルファーはパフォーマンスと見た目の一貫性を重視し、全番手で同じモデルのアイアンセットを使用する。しかし、ランガーは番手ごとにクラブを選択する。そのため6、7番と8番で異なるモデルを使うことが珍しくない。
今大会では、ツアーエッジExotics CBXのロングアイアン(4~6番)、ツアーエッジExoticsプロ732のミドルアイアン(7~9番)、ツアーエッジBLプロトのピッチングウェッジを使用した。また、ロングアイアンにはウェイトポートが搭載しており、番手ごとに重量配分をカスタムできるようになっている。
ランガーのハイレベルなショットは、1本のフィッティングでアイアンセットを決定するのではなく、番手ごとに見極めることから成り立っているのだ。
3. パターのグリップは“2本つなぎ”
ランガーが長尺パターを胸から離し、両手をつけずにグリップすることはすでに多くの人が知るところだ。しかし、そのパターが“普通でない”ことは、どれくらいの人が知っているだろう。
ランガーの使用するオデッセイ ホワイトホット2ボールパターには、パター専用のグリップではなく、ゴルフプライドの普通のクラブ用グリップが“2本”装着されているのである。彼はパター専用のやや大きめのものではなく、通常のクラブのグリップの感触を好んでいるのだ。
アライメントの補助はシンプルにマジックペンで書き書き。パターのクラウンには、ターゲットラインと平行に太めのラインが引かれている。見た目がクールかはさて置き、実に機能的なのだ。
アマチュアにとって、機能性を重視するランガーのセットアップは学ぶべき点が多い。14本のクラブをそれぞれの仕事を持つ道具とみなし、ニーズに合っていることを確認する。勝ち続ける67歳が行き着いた、ある種の美学なのかもしれない。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)