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2014年 ライダーカップ
期間:09/26〜09/28 場所:グレンイーグルスホテル(スコットランド)

欧州圧勝?下馬評の低さをモチベーションに変える米国代表

今回の「ライダーカップ」でアメリカが勝つという意見は少ない。アメリカにとっては、あまり馴染のない立ち位置ではある。それでも不利な立場を大いに受け入れようではないか。“氷上の奇跡(1980年のレークプラシッドオリンピックでのアイスホッケーで、アメリカがソビエト連邦(現ロシア)に4-3で勝利した試合)”と聞くとスリリングな気持ちにさせられるが、アメリカは大半のケースで有利とみなされ、勝利が確実という大きな期待を背負うことも厭わない。

もちろん、常にアメリカが勝つとは限らない。だが、勝てると期待してしまう。

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それでもアメリカ国外に目を向ければ、グレンイーグルスでアメリカの勝利を予想する声を見つけるのは難しいかもしれない。両チームの代表キャプテンにさえ、確実なことなど何1つ言えない。

欧州代表キャプテンのポール・マギンリーは、「今回の『ライダーカップ』は我々が勝つと思われているようだが、『ライダーカップ』の歴史を振り返ると、あまり見られなかったケースだ。無論、それは良いこと。良いポジションにいるということだからね」と語る。

一方アメリカ代表キャプテンのトム・ワトソンは、「今回の欧州代表を見れば、確かにアメリカよりも強力な布陣に見える」と話し、下馬評では不利と認めている。

実際、近年開催された「ライダーカップ」での対戦成績を見れば、欧州代表が有利なのは明らか。ヨーロッパは直近9大会中7大会でアメリカに勝利している。

それに加え、今大会に出場するメンバーの世界ランキングも考慮すべきだろう。
世界ランキングトップ5に入る4選手が、欧州代表としてグレンイーグルスでの大会に出場する。残念ながらアメリカ代表に選出された選手の中にトップ5は1人もいない。仮に今大会の結果をビッグネームが左右するとすれば、欧州代表が有利と言われても仕方がない。

それに加え、アメリカ代表の選考から漏れた選手達の名前も見るべきだ。今大会には過去の大会に出場した経験を持つタイガー・ウッズジェイソン・ダフナーダスティン・ジョンソンは出場しない。そしてフェデックスカップ・プレーオフシリーズのラスト2大会で優勝し、今もっとも勢いに乗るビリー・ホーシェルクリス・カークの名前もメンバーにはない。

ホームアドバンテージ、それから刺激的な声援を送るファンの存在も重要になるだろう。ヨーロッパのファンは、自分達の代表に全力で声援を送る。1993年の大会以降、アメリカが海外で開催される「ライダーカップ」に勝てていないのは、こうした理由からかもしれない。

過去に9度「ライダーカップ」に出場し、今大会にも出場するジム・フューリックも、ヨーロッパサポーターの存在に目を向け、「ヨーロッパのファンの方が声援が大きい。彼らにはチームソングや、チャントがある。アメリカのファン3000人の声援よりも、ヨーロッパのファン3000人の応援の方が大きいだろうね。それは間違いないと思う。熱狂的で、騒々しい。サッカー文化が根付いている国だからかもしれない」と、警戒している。

過去の「ライダーカップ」ではアメリカ優勢という意見が多かった。近年ヨーロッパの力が伸びてきたとはいえ、アメリカにも勝機は十分にあるという見方をされていたのだが、今大会前の空気は異なる。仮に欧州代表が圧勝したとしてもサプライズではなく、むしろ、アメリカが接戦に持ち込む方が驚きと言われているほどで、ここまではっきりと両チームの立ち位置が逆転したのは、今回が初めてのことだ。

下馬評では圧倒的に欧州代表が有利なだけに、自信や慢心と戦わなければならないのは、ヨーロッパ勢の方と言える。

世界ランキング1位のロリー・マキロイは、「僕らが勝つと言われているわけだから、周囲からの大きな期待に上手く対応出来るかが鍵になる。僕らがライダーカップトロフィーを勝ち取ると思われているからね」と話す。

高まる期待に水を差すわけではないだろうが、マキロイは、欧州代表が直近2大会での合計9セッションで2勝しかしていないと指摘する。その2つとも大差をつけたヨーロッパだが、その内の1つである2012年大会最終日のシングル対決でも、12ポイント中8.5ポイントを獲得し、4ポイントのビハインドから大逆転勝利を収めた。

アウェーチームが最終日に4ポイント以上の差から逆転優勝したのはライダーカップ史上初のことで、前回の結果は両チームの記憶に新しい。

今大会ではアメリカが2年前の借りを返せるだろうか?その可能性はある。仮に、前大会と正反対にアメリカがリードされた展開で最終日を迎え、逆転して勝てば最高のシナリオとなるだろう。

アメリカを率いるワトソンは、リベンジこそ今大会のスローガンと気を吐く。メディナで屈辱を味わった12選手中9人が今大会にも出場するだけに、ワトソンは、あの悔しさを忘れるべきではないと語る。

「モチベーションは十分にある。最大のモチベーションは、前大会で敗れたこと。リードを広げながら敗れた。これが2014年のライダーカップに出場するメンバーにとってモチベーションでないというのなら、我々は空回りしていることになる」。

アメリカには少しでもアドバンテージとなる要因が必要になる。ワトソンが掲げる勝利という目標達成は厳しいだろうが、スコットランドでミラクルを起こす術を知らないわけではない。彼はこれまでのキャリアで奇跡を何度も起こしてきた。PGA・オブ・アメリカが今回ワトソンを主将に任命したのは、そういう理由もあったはず。

そして、海外開催の「ライダーカップ」でアメリカが最後に勝った1993年の主将がトム・ワトソンだったという点からも、今大会で好結果が得られるのではという気配が感じられる。

何の兆しがなかったとしても、大会前からかかる大きな期待が、金曜の初日からヨーロッパの選手達にとって大きな重圧になるかもしれない。

「どちらが有利か、不利かというような話を不快に感じることはない」と話した欧州代表のグレーム・マクドウェルは、「とにかく、真剣勝負になるということだけ」と続けた。

情報提供:PGA TOUR

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