ザ・プレーヤーズ選手権を制したカイマーに訪れた祝福とは(Stan Badz/PGA TOUR)

先週日曜、日暮れ時のTPCソーグラスで「ザ・プレーヤーズ選手権」優勝を手に入れたマーティン・カイマー。彼は勝利を挙げてからの3日間をどのように過ごしたのだろうか。

全てのインタビューと、米国ツアー大会を優勝した選手が行う一連の仕事を終えたカイマーは、ようやく携帯電話のメールをチェックした。そこで多くのメッセージが届いていた事は想像できるだろう。そのうち一つは同胞のベルンハルト・ランガーからだった。「良いメッセージだったよ」とカイマー。更にもう一つ、ライダーカップのヨーロッパチームキャプテンであるポール・マギンリーから。彼はその時、同じくフロリダ州のジャクソンビルで行われていた大会で、スカイスポーツと仕事をしていた。

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マギンリーからのメッセージは「このあと何か用事はあるか？」というもので、カイマーはないと答えた。そこで、カイマーはキャディのクレイグ・コネリーを連れ、マギンリーと近くのバーで会った。そこでゴルフについての色々な話で盛り上がり、特に今年のライダーカップについての話をした。

実はカイマーは、マギンリーのことを深く知らなかった。一緒の時間を過ごせたことで彼の事を徐々に知ることができたのは良い事であった。特にカイマーは、ライダーカップ出場の為の充分なポイントを有していなかったら、キャプテンピックで選ばれる必要があるからだ。

カイマーは疲れていたにも関わらず、マギンリーがお祝いをしてくれたことに対し、非常に感謝をしていた。「大会で優勝した後に、部屋に戻って一人になると寂しさが出てくるものだ。それは（優勝を経験した選手は）誰でも感じることだけど、実はバーでお酒でも飲みながらそれに浸りたいものなんだよ。盛大なパーティなんか必要なくて、ただゆっくりとリラックスして誰かとそのことを話しながらね。」とマギンリーは話していたという。

「本当に良い時間だった。良い会話もできたしね」とカイマー。誰が支払いをしたかって？「僕がしたよ」。ザ・プレーヤーズ選手権の優勝賞金は1.8ミリオンドル。余裕があったことは疑いようがない。

カイマーは今週の「HPバイロンネルソン選手権」に参加する為に、月曜にジャクソンビルを出発しダラス・フォートワースに到着する航空券を取っていた。彼が空港に着くと、ダラスの悪天候により出発便に遅れが出ていた。

それを待っている間に彼は、携帯電話を充電しなければならなかった。差し込みを見つけ、充電しながらメールをチェックした。もちろん彼は写真を撮られ、それをツイッター上で見る事ができた。「携帯電話を少し斜めに持って写真を撮っている人もいるんだ。まるで僕が気づいていないとでも思っているかのようにね」とカイマー。「でもそれは仕方のないことだし、気にしてないよ」

そして彼の出発便は欠航となり、火曜まで出発できなくなったカイマーはホテルに戻った。

カイマーは火曜の朝に出発し、テキサスに到着した時には現地時間正午を回っていた。前日に空港で長時間待たされたことから、彼は疲れていた。それ以上に、「ザ・プレーヤーズ選手権」で4日間連続トップを守り続けたプレッシャー、そして71番目のホールで28.5フィートからのパットを決めなければならなかったこと、続く72番目のホールでは浮き沈みがあったにも関わらず、それまでの成功を保守しようと努めたことで、大きな疲労感を感じていた。練習のためにカイマーに残されたエネルギーは僅かだった。結局3時間仮眠を取ることにした。「予定はしてなかったんだけど、すごく疲れていたんだ」

水曜の朝、ドイツにいる彼の父親から電話があった。ただ、カイマーがCNNに出ていたのと見たと伝えたかった。カイマーが空港で携帯電話を充電している姿が写真に撮られ、放映されていたのだ。ツイッターがあるとこんなにも世界は小さく感じるものなのだろうか。

その日の午後、メディア関係者と勝利について話をした。一つ目のトピックは、先週の大会では非常に神経を使い、体力的にも精神的にも非常に疲れきっているにも関わらず、休養を取らずに今週の「HPバイロンネルソン選手権」に参加をすると決めたのはなぜか？についてだった。

彼はこのあとイングランドへ飛び、欧州ツアーのカギとなる「BMW PGA選手権」に出場する。さらに彼のスケジュールは過酷さを増すのだ。一週間休暇を取ることは簡単なことだが、カイマーは決して後に引くことはしない。「昨年、この大会に出場して成績を残せた（5位タイ）から、今年もここに来てプレーがしたかったんだ」とカイマー。「これが僕のプランだから。僕は一回決めたことは必ずやるんだ」