松山英樹、2年ぶりの「マスターズ」に向けて再渡米 「勝つために行く」
2014年 マスターズ
期間:04/10〜04/13 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
タイガーの“オーラ”は以前よりも弱まった!?
2014/03/28 13:03
タイガー・ウッズが腰痛の治療を受けていた1週間前、マット・エブリーがベイヒルでブルーのブレザーに袖を通した。ウッズにとって相性の良いコースで。
先日はトーレパインズでスコット・スターリングスが優勝トロフィーを掲げた。トーレパインズと言えば、ウッズが過去に8勝をあげたコースで、足を骨折した状態で全米オープンを優勝したこともあった。だが、今回は大会3日目で姿を消した。
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フロリダ州ジュピターにあるウッズの自宅からほど近いPGAナショナルでは、ラッセル・ヘンリーが優勝。ウッズは腰痛の為に最終日を途中で棄権した。
その翌週、トランプナショナルドラールでは、23歳のパトリック・リードが優勝し、7週間でツアー3勝目を記録。過去に同コースで4勝をあげたウッズは、最終日に苦しみ、最終日のスコアとしてはワーストとなる「78」を記録。
これらの結果はウッズ、そしてゴルフ界全体にとって何を意味するのだろう?
「確実に違う時代が迫っているということじゃないかな」。
こう語るのはアダム・スコット。
この現実をウッズも認識すべき時なのかもしれない。
2000年、ウッズはペブルビーチで開催される「全米オープン」に向かう道すがら、ラスベガスに立ち寄り、当時コーチを依頼していたバッチ・ハーモンに会いに行った。その時期ハーモンの指導を受けていた19歳のオーストラリア人は、プロ転向を直前に控えていた。25マイルという強風が吹く悪条件の中でコースレコードを塗り替えたウッズを見て、スコットは自分の将来についてじっくり考えたという。
「(フィジカル面で)他の選手に出来ないことを彼がやっていたのは明らかだった。当時こそ、それが彼にとっての15本目のクラブだったけれど、今では誰もが300(ヤード)飛ばすからね」。
当時のウッズは、世界ランキング1位を独走。先週のベイヒルでスコットが優勝していたら、ウッズを抜いて世界ランク1位になる公算が大きかった。
彼が優勝を逃したことを強調したいのではない。ウッズに代わりランキング1位になるチャンスを手にしたこと、スコットの成長、そして他の選手の台頭ということに大きな意味がある。
グレーム・マクドウェルは、「(ウッズから)これまでのような無敵さは消えた。オーラも昔と比べて弱くなったと思う。彼はタイガー・ウッズだし、自分の中では未だに偉大な選手だけどね」と、囲み取材でコメント。
更に、「彼と初めてプレーしたのがいつだったかは覚えていないけれど、その時は本当に驚かされる要因が多かった。自分とは異なるレベルにあった。ただ、誰でも年齢を重ねれば起こることさ」と続けた。
昨年5勝をあげ、PGAツアー年間最優秀選手賞を受賞した38歳のウッズだが、肉体とプレーが支払った代償は確実に存在する。
手術。4度のスイング改造。プライベートの諸問題。そして腰痛。
これらのことが合わさり、他の選手の目の前にあった大きな扉が開かれた。ウッズと同時代をプレーした選手達が感じた“傷痕”のようなものを、現在の選手達は経験していない(アーニー・エルスは2000年のメジャー4大会中3大会で2位。その内2回はウッズに敗れた)。
ビリー・ホーシェルは、今でもウッズと初めて会った時のことを覚えているという。それは、2006年にウィングドフットで開催された「全米オープン」だった。
当時アマチュア選手として予選通過を果たしたホーシェルは、駐車場でウッズと対面した際、自ら自己紹介をした。大会期間中に何度か駐車場で顔を合わす内に、「後をつけないでくれよ」という冗談をウッズに言えるまでになった。
「彼とプレーする連中が、彼のプレーを手助けしている。タイガーが特別なことをしているわけではないんだ。彼はパーを決めているだけなのに、周りが彼に勝つには特別な何かが必要と感じてしまう。きっと自分の力を信じられなくて、それで恐怖に感じていたんだろうね」。
当然ながら、ウッズ自身のプレーが高いレベルにあったことは言うまでもない。
では、今はどうだろうか?
マクドウェルは、こう分析する。
「(若手は)彼に勝てないとは考えていないよ。10年近くマスコミから高く評価されていたのが、最近ではネガティブなことに取って代わったからね。それに優秀な若手も多い。1人だけが注目されるのではなくて、10人から20人は優秀な選手がいる。19歳から21歳の選手でも、最高峰のレベルで戦えるという自信もあるだろうから」。
ウッズの成功は下の世代に多くの影響を与えてきた。27歳のホーシェルを含み、20代前半の選手にとっての憧れの対象だった。
スコットは、全盛期のウッズの圧倒的な力について、「当時の彼は、他の選手がティアップする時には数打差のアドバンテージを持つくらい全てが上手くいっていた。メディアへの接し方、存在感も含めて、彼のプレー、実力については広く知られていたからね。それが圧倒的な存在の一端を担っていたと思う。それに、紛れもなく実力もトップレベルで、勝つのが相当に難しい存在だったから」と語る。
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