マスターズ覇者のスコットが「PGAグランドスラム」を制覇
「マスターズ」覇者のアダム・スコットは水曜日、ポートロイヤルGCでコースレコードとなる7アンダー「64」をマークし、「全米オープン」覇者のジャスティン・ローズを2打差で下し「PGAグランドスラム」を制した。
残り10ホール時点で4打差をつけられていたスコットはパー5の17番で、6番アイアンを使いカップまで数インチの位置につけ、タップインでイーグルを奪った。ローズはアプローチショットに苦戦しこのホールをパーとし、ここでスコットは良き友であるローズをついに抜き去った。
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「もちろん、トップになれたことには興奮しているよ」とスコット。「楽しかった。この数日、特に今日は特別だったね。11番のティに立った時にはこの様なスコアが出せるとは思ってもなかった。でも、とても良いプレーができ、徐々にジャスティンを追い上げることができた」。
メジャー王者の4人が一堂に会した36ホールのエキシビションマッチで、初日「67」をマークしたローズはこの日「69」だった。
今年のオーガスタでグリーンジャケットに袖を通したスコットは、初出場の今大会で通算8アンダー「134」をマークし、さらにピンクジャケットも手に入れた。
スコットは、オーガスタでアンヘル・カブレラを下したプレーオフの2ホール目でも、6番アイアンを使用した。しかし、今回のクラブは新しいアイアンセットで当時とは違うクラブ。スコットは2週間前の「プレジデンツカップ」で、アイアンを取り替えたばかりだった。
「コイツ(アイアン)も運を持っているみたいだね」とスコットは話した。
2打ビハインドからのスタートだった「全米プロ」王者のジェイソン・ダフナーは、序盤から苦戦し優勝争いから外れた。ダフナーはこの日「70」で、首位に5打差の3位で終了した。3度メジャーのタイトルを手にしているパドレイグ・ハリントンは「71」で、首位に8打差で終了した。前回覇者であるハリントンは、「全英オープン」覇者のフィル・ミケルソンが欠場を決めたため代替出場した。
2打のリードで最終日を迎えたローズはこの日、序盤4つのバーディを奪いリードを倍にした。しかしスコットも序盤3つのバーディを奪い、そして難しいコンディションとなったバックナインではノーミスのゴルフを披露し、優勝を勝ち取った。
スコットは13番でバーディを奪うと、15番ではローズが30フィートのパットをわずかに外した後、20フィートのバーディパットを沈めた。
「2打差のリードでスタートした僕を倒すには、誰かがとても良いプレーをしなければならなかった」とローズ。「そういう立場にいる時は、そのまま勝利を収めたいものだ。でも、あんな勝ち方をされると、僕は負けたとというより、脱帽して相手を称えたくなるね。(スコットは)最終6ホールで4アンダーだったんだから。力強いフィニッシュだったよ」。
ルーカス・グローバーが2009年にマークしたコースレコード「65」を塗り替えたスコットは、このコースの名誉会員となった。
「来年誰かがコースレコードを更新しても(会員資格は)キープできるの?」とスコットは微笑んだ。