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ビジェイ・シンの禁止薬物問題について、米国ツアーが声明
米国ツアー・アンチドーピング・プログラム(2008年7月施行)は、世界ドーピング防止機構が定めた禁止薬物とその使用について、それらの適用と解釈を標準化したインターナショナル・アンチドーピング・スタンダードに準じている。
2013年1月28日のスポーツイラストレイテッド電子版の記事によると、ビジェイ・シン(フィジー)は、鹿の枝角からできているスプレー式のサプリメントの使用を認めている。その後、シンはこのサプリメントの使用を正式に承認した。このサプリメントは増殖因子が含まれるIGF-1という世界ドーピング防止機構と2011年8月に米国ツアー機構が警告を出した禁止リストに載っている薬物だ。スポーツイラストレイテッドの記事が出て以降、世界ドーピング防止機構も2013年2月5日付でこのサプリメントについての警告を発令した。
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現在このIGF-1の定期的な血液検査のテストは行われていないが、米国ツアー・アンチドーピング・ポリシーはたとえそのテストによって陽性が確認されていなくても、禁止薬物リストにあるサプリメントの使用は違反行為であるとしている。世界ドーピング防止機構の承認のもと、UCLAの研究所でのテストを経て、シンが使用したこの鹿の枝角のサプリメントにIGF-1の存在が確認されると、米国ツアー機構は米国ツアー・アンチドーピング・ポリシー違反の手続きを進め、シンに対する制裁措置が取られた。シンは米国ツアー・アンチドーピング・プログラムのガイドラインのもと、この制裁措置に対して不服を申し立てている。この不服申し立ての期間中、米国ツアー機構の代理人は世界ドーピング防止機構に数々の技術的観点の確認をとった。
その際、世界ドーピング防止機構は、陽性結果が出ない限りこの鹿の枝角サプリメントの使用は禁止とはしないことを明言した。そして4月30日、実際に世界ドーピング防止機構は米国ツアーに対し書面にて以下のように通達を出した。
「IGF-1に関する件において、世界アンチドーピング・エージェンシーは、鹿の枝角スプレーの使用は禁止事項とはしない。ただ一方で、この鹿の枝角のスプレー式サプリメントはアンチドーピングテストに影響を与える恐れのある少量のIGF-1が含まれていることもまた事実である。選手はIGF-1またはhGHのテストで陽性結果が出た場合、それは薬物違反が疑われる分析報告であることを認識すべきである」。
この新たな情報と世界ドーピング防止機構の禁止薬物リストの解釈に基づき、米国ツアー機構はビジェイ・シンによる鹿の枝角サプリメントの使用は米国ツアー・アンチドーピング・プログラム違反ではないと見なすこととした。
シンの発言が世の中に公になって以来、彼は米国ツアー機構による調査に率直に、そして正直な態度をもって協力している。シンがこのサプリメントを禁止薬物と知りながら使用したとは考え難いが、米国ツアー・アンチドーピング・プログラムは選手に対し、いかなる目的においても禁止薬物の使用について責任を持つよう声明を発表した。これついて、特に2011年8月の鹿の枝角サプリメントに関する警告を考慮すると、シンは自身が使用したこのサプリメントには禁止薬物が含まれていないということを証明すべく、米国ツアー・アンチドーピング・プログラム管理者や他の選手への伝達ソースへのコンタクトを取るべきだろう。
今後に向け、米国ツアー機構は選手に対し、薬物使用についての指導、そしてどのような材料によってできているか十分に理解していない製品の使用におけるリスク管理の徹底を強化していく構えだ。米国ツアー機構は今後、選手に対し24時間365日体制での情報提供、またいかなる製品についての質問にも答えられる体制づくりに取り組んでいく。
米国ツアー機構は今後、更なるアンチドーピングについて科学的前進を図っていき、世界ドーピング防止機構との協同歩調により、この領域における遅れなき発展を進めていく。特に成長ホルモンとIGF-1についての研究において、そのポリシーや手続きに遅れを取らないようにしていく構えだ。全ての薬物について定期的な血液検査が完了したのち、米国ツアー機構はそれらの状況を継続的に監視しながら、必要に応じて適宜そのポリシーを修正していくとしている。