ファウラーがトップ10返り咲き 松山英樹は26位/男子世界ランク
2017年 WGC HSBCチャンピオンズ
期間:10/26〜10/29 場所:シェシャンインターナショナルGC(中国)
結果も内容もいまひとつ それでも松山英樹がつかんだもの
◇世界ゴルフ選手権◇WGC HSBCチャンピオンズ 最終日(29日)◇シェシャンインターナショナルGC(中国)◇7266yd(パー72)◇
灰色の雲と薄い靄(もや)がコースを覆った最終日。気温も下がり、風も吹き荒れた難コンディションの中、松山英樹は4バーディ、4ボギーの「72」。通算4オーバーの50位と不本意な順位で終えたが、意外にもその表情は澄み渡るような清々しさだった。
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松山にとって2017年の米ツアーはこれが最終戦の見通し。今年を振り返り「勝ちたいために、ごまかし続けた部分が最後の数ヶ月に出ていた」と打ち明けた。
8月の「WGCブリヂストン招待」でシーズン3勝目を挙げ、直後のメジャー「全米プロ」では、日本人初のメジャー制覇に向けてサンデーバックナインで首位にも立った。だが、それ以降のプレーオフシリーズでは低迷。昨季最終戦が終わった翌週は「プレジデンツカップ」に出場。2週間後には新シーズン初戦を迎えていた。
休みなく続く試合を前に、自身の状態に不安や不信感を覚えながらも、結果を優先して微調整で戦ってきた。「今週に入って、“それじゃいけないな”と。そこ(悪い部分)に目をつむっていたら、自分の追い求めているものが打てないと思った」と、今週から大胆な取り組みに着手した。「逃げてきた部分をやっと正面から受け止めてやった。それを4日間試せたことは大きかった」という達成感が、松山の表情を明るくした。
帰国後は、11月初旬の日米首脳とのゴルフを経て、国内ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」(同16日開幕、宮崎)、ツアー外の「ヒーローワールドチャレンジ」(同30日開幕、バハマ)に出場する。来年1月の米ツアー初戦「トーナメント・オブ・チャンピオンズ」(ハワイ)まで約2カ月。「この2カ月はすごく大事になる」と、再スタートに向けて胸に期すものがある。
「休みたい自分と練習しなきゃいけないという自分がいる。いろいろ予定も入っているし、その狭間でしっかりうまく予定を立てながらやれたらいい。スイングにせよ、パッティングにせよ、かなり変えなくちゃいけない部分は多いと思う」。
短い冬の間にどれだけしっかり根を生やせるか。「いまやっていることは、絶対次につながると思う」という確信を胸に、1月のハワイの青空を思い描いた。(中国・上海/今岡涼太)