「63」の岩田寛が暫定15位に急浮上、松山英樹と並ぶ 首位にJ.デイら
2015年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/13〜08/16 場所:ウィスリングストレイツ(ウィスコンシン州)
岩田寛はイワタ節 メジャー記録「63」達成も「興味がない」
初出場となる「全米プロゴルフ選手権」の大舞台で、岩田寛がメジャー史に残る記録を打ち立てた。123位から出たウィスリングストレイツ(パー72)での2日目を1イーグル、8バーディ、1ボギーでプレーし、海外4大メジャーの18ホール最少ストロークタイ「63」を記録する25人目(27例目)の達成者に。順位も予選通過圏外から首位と5打差の暫定15位に上げ、上位争いに名乗りを上げた。
日本人が海外メジャーで「63」を記録したのは、1980年の「全英オープン」(ミュアフィールド/パー71)3日目にマークした青木功に次いで2人目。米国メジャー初出場者の「63」は、1995年「全米プロ」(リビエラCC/パー71)初日のマイケル・ブラッドリーに続き2人目となる。
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現地では、ホールアウト後に公式会見場に招かれる注目ぶり。そんな周囲の喧騒をよそに「1日だけのことなので、記録には正直あまり興味がない」と、本人はいたって冷静だ。「良いことも悪いことも、切り替えて明日に臨みたい」。その表情には笑みも高ぶりもなかった。
スタート前の練習では「調子は良くなかった」という。前日は左への曲がりに苦心し、夜8時ごろまで打ち込んだ1Wは、1発も打たないままティグラウンドへ。「ダメもとで打った」という最初の1番、2番では1Wでフェアウェイに運んだが、4番では左の湖岸近く、5番(パー5)も左ラフに曲げて「心が折れそうになった」と振り返る。
しかし、その4番で、グリーン奥のカラーから6mをパターで決めて2つ目のバーディ。5番も4オン1パットのパーで収め、ピンチの回避をその後の急加速につなげた。
8番では、グリーン左ガードバンカーからの3打目が直接カップイン。後半11番(パー5)では225ydの2打目を3Iで2オンさせ、右奥7mを決めてイーグルを奪う。9番から手応えを取り戻した1Wとともに、ショットの冴えは増していく。その後も4つのバーディを重ねると、17番(パー3)ではピン奥1.5mにからめて8つ目。最難関の18番も3オン1パットのパーとし、「63」の大記録を完結させた。
初日と比べて実に14ストローク少ないラウンドで、驚異的なカムバック。ちなみに初日の「77」は、海外メジャーで「63」をマークした前日の最多ストロークという、ちょっぴりの不名誉も加えることになった。(ウィスコンシン州シボイガン/塚田達也)
■海外4大メジャー最少ストローク「63」達成者
大会名 | 選手名 | 年度 |
---|---|---|
マスターズ | ニック・プライス | 1986年/オーガスタナショナル/3R |
グレッグ・ノーマン | 1996年/オーガスタナショナル/1R | |
全米オープン | ジョニー・ミラー | 1973年/オークモントCC/FR |
ジャック・ニクラス | 1980年/バルタスロール/1R | |
トム・ウェイスコフ | 1980年/バルタスロール/1R | |
ビジェイ・シン | 2003年/オリンピアフィールズCC/2R | |
ジャスティン・トーマス | 2017年/エリンヒルズ/3R | |
全英オープン | マーク・ヘイエス | 1977年/ターンベリー/2R |
青木功 | 1980年/ミュアフィールド/3R | |
グレッグ・ノーマン | 1986年/ターンベリー/2R | |
ポール・ブロードハースト | 1990年/セントアンドリュース/3R | |
ジョディ・マッド | 1991年/バークデール/FR | |
ニック・ファルド | 1993年/セントジョージズ/FR | |
ペイン・スチュワート | 1993年/セントジョージズ/FR | |
ロリー・マキロイ | 2010年/セントアンドリュース/1R | |
フィル・ミケルソン | 2016年/ロイヤルトゥルーンGC/1R | |
ヘンリック・ステンソン | 2016年/ロイヤルトゥルーンGC/FR | |
全米プロ | ブルース・クランプトン | 1975年/ファイヤーストーンCC/2R |
レイモンド・フロイド | 1982年/サザンヒルズCC/1R | |
ゲーリー・プレーヤー | 1984年/ショールクリークCC/2R | |
ビジェイ・シン | 1993年/インバーネスC/2R | |
マイケル・ブラッドリー | 1993年/インバーネスC/1R | |
ブラッド・ファクソン | 1995年/リビエラCC/4R | |
ホセ・マリア・オラサバル | 2000年/バルハラGC/3R | |
マーク・オメーラ | 2001年/アトランタAC/2R | |
トーマス・ビヨーン | 2005年/バルタスロール/3R | |
タイガー・ウッズ | 2007年/サザンヒルズCC/2R | |
スティーブ・ストリッカー | 2011年/アトランタAC/1R | |
ジェイソン・ダフナー | 2013年/オークヒルCC/2R | |
岩田寛 | 2015年/ウィスリングストレイツ/2R | |
ロバート・ストレブ | 2016年/バルタスロールGC/2R |