石川遼が描く2019年の構想 フラッグ販売などファンサービス継続へ
2015年 トラベラーズ選手権
期間:06/25〜06/28 場所:TPCリバーハイランズ(コネチカット州)
石川遼のスイング改造2015
前週の海外メジャー今季第2戦「全米オープン」を終え、スイング改造中であることを打ち明けた石川遼。「僕にとっては遠回りだった」と、ここ数年取り組んできた方向性を撤回し、原点回帰を宣言した石川が、いま取り組んでいることは何なのか?「トラベラーズ選手権」の会場、TPCリバーハイランズで本人に直接聞いた。
――改めて、スイング改造に思い至った時期ときっかけは?
「全米オープン予選の前日です(6月7日)。練習場で練習していて、毎回同じ球筋で打てなかった。10球打つうち、同じスイングで同じ球というのが8、9球というレベルにならないとツアーでは戦えないと思っているけど、どうしても10球に3、4球で他はバラバラだった。理由を考えたときに、リズム感がないと思った。スイングプレーンとか細かいところじゃなく、大きな筋肉で球を打っていくようなイメージが必要だった」
――昔のスイングに戻した?
「新しいスイングだけど、リズム感としては2008年くらいに近いかなという感じがする。あの頃は結構1本足で練習していて、リズムが良かった。日本オープンで2位(08年10月)になったときに、片山(晋呉)さんが1Wを抜いて優勝したけど、あのとき僕は14ホール中13ホールくらいで1Wを打っていた。あの時が今までのゴルフ人生の中で、一番精度が高かった(苦笑)。やっぱりリズム感が良かったので振り切れるし、そうなると曲がらない。再現性が高い。やっぱりそこかなと。どんなにコース上でプレッシャーが掛かってもそれができるのは、スイングプレーンとか、フェースの使い方とかじゃなくて、リズム感なんですよ。練習して追求していく中で、それが足りないということに気がついたんです」
――これまでのスイング改造の流れは?
「2010年くらいから、体重移動をしないように変えていった。腰(腰痛)もあったし、タイガー(・ウッズ)が来日して一緒に回ったときに左一軸(スタック&ティルト)打法をやっていて、良いのかなと思ってやり始めた。左一軸まではいかなかったけど、前に比べて体重移動は少なくなった。当時はインパクトゾーンが長くなると思って変えたけど、徐々にスイングが小さくなって、それと米ツアー参戦が重なって、余計に狭いフェアウェイや池のプレッシャーに対して動きが小さくなっていった。それがリズム感をなくし、安定感もなくした理由だと思う。それから、腰に負担が掛からないようにさらに変えようとしたのが13年1月」
――現時点での手応えは?
「良いと思うし、良い方向に向かっている。今まではリズムが毎球、毎球バラバラすぎて、自分の調子が分からなかった。でも、今は動きが1つのものになってきているから、調子が良い、悪いというのが分かる。すごくレベルの低い話ですけど」
――ゆったりしたスイングに見えますね
「バックスイングが大きくなった分、ゆっくり見えると思う。今はボールに重さを伝えることを一番意識してやっている。クラブを力任せで振らないで、ヘッドの重さと重心の重さで球を打っていくイメージ。アイアンの飛距離はどちらかというと伸びている。将来的にはあと半クラブ、1クラブくらい伸ばしたい。そうすれば、全然景色が違うと思う」
(コネチカット州ハートフォード/今岡涼太)