記録更新が続くスピースが王手 松山英樹は10位に浮上
2015年 マスターズ
期間:04/09〜04/12 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
松山英樹 チャンス決めきれず11打差で最終日へ
ジョージア州のオーガスタナショナルGCで開催中の「マスターズ」3日目。3アンダーの12位タイから出た松山英樹は1イーグル、3バーディ、3ボギーの「70」をマークし、10位タイに順位を上げたが、単独首位を走るジョーダン・スピースとは11打差で最終日を迎えることになった。
最終18番、1Wショットを右の林へ曲げた松山は、ティグラウンドで大きく溜め息をついた。例年よりも軟らかいグリーンコンディションとはいえ、3日間連続のアンダーパー。それでも思うようにスコアを伸ばせず、優勝争いに加われないもどかしさが181cmの体に充満した。
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ムービングデーを迎えるにあたり、スピースとの差は最初から11ストロークあった。松山は1つスコアを落とした8番(パー5)で、前日の2番(パー5)に続くイーグルを決めて勢いをつけた。「うまくラインに乗ってくれた」。グリーン手前から残り55ydの3打目、ロフト角60度のウェッジで転がしたボールで、スライス軌道を描いてカップに沈めた。ピン奥から4mを沈めた12番(パー3)からは2連続バーディ。ロリー・マキロイ(北アイルランド)やタイガー・ウッズらと同様、上位を脅かそうと懸命に巻き返した。
しかし波に乗り切れない。原因はグリーン上でのプレー。「ショットはそんなに悪くない。でもパッティングがイマイチかなと…。グリーンのスピードもきのうとあまり変わっていないのに」。15番(パー5)、16番(パー3)と5m前後のバーディパットを決めきれず、肩を落とした。
「ストロークがいい時もあるんですけど、なかなかそれが続かない。いいところは入ってくれているが、うまくいかないところで全然違う方向に行ったりする。それがもっと惜しいパットになれば入る確率も高くなる」
3日間のパーオン率は70.37%(38/54ホール)で全体15位。パッティング部門でも平均パット1.79は全体24位と低くないが、数字だけでは語れない感触の悪さが手に残る。「やっぱり60台を出したい。今のショットだったら、良くないなりにもチャンスにつく。普通のパッティングがあれば60台は簡単に出せる」
残りは18ホール。「頑張るしかない。それしかないでしょう」。西日に照らされた顔を必死に上げて静かに言った。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)