石川遼が描く2019年の構想 フラッグ販売などファンサービス継続へ
2015年 プエルトリコオープン
期間:03/05〜03/08 場所:トランプインターナショナルGC(プエルトリコ)
石川遼は過去4大会でワースト順位 最終日にようやく“気づき”
プエルトリコのトランプインターナショナルGCで行われた米国男子ツアー「プエルトリコオープン」最終日。予選を通過した76人中74位タイから出た石川遼は、今週最多の6バーディを決めたが、3ボギー、1ダブルボギーを叩いて「71」。通算4オーバーは73位タイ、獲得するフェデックスカップポイントは0.92点のみに終わった。
2番(パー5)、残り40ydあまりの3打目をグリーン手前の傾斜でワンクッションさせてピンに寄せ、最初のバーディ。過去4年間、16回プレーして通算16アンダーという相性の良いホールで幸先よくスコアを伸ばしたが、その後は勢いを作れなかった。
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4番では残り192ydから6Iで打った2打目を右にプッシュアウトさせ、ウォーターハザードに入れてボギー。カリブ海に浮かぶプエルトリコは天候が変わりやすいことで有名で、8番(パー3)、9番は激しい強風と大雨に見舞われて2連続3パットボギーを叩いた。
12番で「弱いと思った」という4mのバーディパットが決まった直後の13番では痛恨のダブルボギー。強い向かい風が吹く中、フェアウェイから残り150ydを9Iで打った第2打がグリーン左奥の池に消えた。「奥の池は全然考えていなかった。ちょっと左に引っかけたんですが、ピンの左横ぐらいで止まると思っていた」。一気に通算7オーバーとなりこの時点で屈辱の最下位に転落した。
意地を見せたのは上がり3ホール。16番では「完ぺき。打ち方、方向性、距離感、ラインの読みがぴったり合った」という15mのバーディパットを沈めた。続く17番では1Wで追い風に乗せて350ydのビッグドライブを見せ、ウェッジでピンに絡めてバーディ。さらにティが前に設定された585ydの18番(パー5)では1W、4Wと会心のショットを続けてグリーン右手前まで運び、最後はタップインで3連続バーディフィニッシュを決めた。
2012年には2位にも入った大会で、4年目にして自己ワーストの順位。それでも収穫はこの最終日にあった。「13番のミスは悔やまれるが、上がりの9ホールの内容には満足している」という。「6番のショット、あそこがきっかけだったと思います」と振り返った。
左からの強い向かい風が吹いていた6番ホール(パー3)では、今週ほとんど見られなかったドローボールを選択。打つ前には、クローズスタンスでインサイドアウトの軌道の素振りを6回。これまでとは違うトップで、ワンテンポゆったりとしたリズムから放たれたボールは、ピンそば5mにつき、バーディを決めた。
「自分でふと、“こういうことをやりたい”と気づいた。これまではスイングに不信感があって“打ってみないと分からない”というのがあったが、低いドローで風に負けないように振っていくのは自信があったのでトライした。最初の3日間はただクラブを振って、ボールをただ叩いているだけだった。最後の9ホールはコントロールできるようになってきたところがある」
次週はフロリダ州で開催の「バルスパー選手権」に出場。「大事なのは“本筋”にトライしているかどうか。来週の難しいコースでもトライしたい。自分のできないことをできると思うのではなく、“できる”と思うことをやってトライする」
タンパ近郊の林間コースでは例年、ツアーでもパーオン率が高い選手が多い。「来週は1年の中でも楽しみにしているコース。今週とはタイプ的に違うコースですけど、ボールをしっかりコントロールしていくことが非常に重要になってくる」。今週は1Wを使用したティショットでフェアウェイをキープできたのは32%、パーオン率も62%にとどまった。自らが語るように、ボールコントロール、高い精度のショット力が要求されるだろう。(ゴルフ解説者アンディー和田)