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ゼッケンの広告収入は誰のもの?米国でキャディが集団訴訟

松山英樹石川遼の主戦場である米国男子ツアー(PGAツアー)に参加する80人以上のプロキャディが、同ツアーを相手に集団訴訟を起こした。キャディが試合中に着用するビブス(ゼッケン)に企業ロゴを掲出してツアーが得ている年間5000万ドル(約59億円/原告側による試算)の広告収入への対価を求めている。

提訴は3日(火)付。原告側は、キャディは選手同様、ラウンド中のウエアなどに個別の契約スポンサーのロゴを掲出できる権利をツアーの規則で有していながら、統一ビブスを着用されられることで肖像が無断使用され、経済的損失を被っていると主張。過去、将来に及ぶ賠償金額は1億ドル(約118億円)になる可能性もあると見積もっている。

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PGAツアーを働きの場としている複数のキャディは昨年、プロツアーキャディ協会(Association of Professional Tour Caddies)を発足させた。コース内での活動エリアの制限など金銭面以外の待遇向上についてもツアーと交渉を続け、ビブスの広告収入の一部をキャディの健康保険と年金に充当させるよう訴えてきたが、話し合いは決裂。「キャディがプロツアーに貢献しているにもかかわらず、ツアーはキャディを二流扱いしている」(訴状)として、法的手段に踏み切った。

一方、PGAツアーのコミッショナー、ティム・フィンチェム氏は、係争中の案件であることを理由にコメントは避けたものの、一般論として「多くの人は、キャディと選手の関係を理解していない。(選手が)誰かバッグを担ぐ人を手配して、金銭的な合意をする。歴史的にキャディの問題は選手が扱ってきた。キャディと直接交渉することは、一度もツアーのポリシーだったことはない」と表明。キャディが雇用関係を結ぶのは選手であり、ツアーではないという従来通りの考えを強調した。

原告代表は、かつてグレッグ・ノーマンやペイン・スチュワート、ジャスティン・レナードらのバッグを担いだベテランキャディのマイク・ヒックス氏と、ケビン・ナのキャディを務めるケニー・ハームズ氏。ほかにも、ウェブ・シンプソンのキャディのポール・テソリ氏、スティーブ・ストリッカーのジミー・ジョンソン氏、ザック・ジョンソンのデイモン・グリーン氏、ライアン・パーマーのジェイムス・エドモンドソン氏らが名を連ねている。

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