10億円は誰の手に? 『フェデックスカップ』プレーオフ特集
2014年 ドイツバンク選手権
期間:08/29〜09/01 場所:TPCボストン(マサチューセッツ州)
プレーオフ第2戦 松山英樹、不調でもパターを替えない理由
米国男子ツアーのフェデックスカッププレーオフ第2戦「ドイツバンク選手権」は29日(金)から4日間、マサチューセッツ州のTPCボストンで行われる。松山英樹は28日、当地でのプロアマ戦で最終調整を行った。
前日27日に18ホールのコースチェックを行った松山はこの日が2ラウンド目。状態は本調子に戻ったとはいえず「掴んだものはないですよ…。疲れもあるかもしれないんで、帰ります」。連日続けていた居残り練習は行わず、夕方になる前にはコースから引きあげた。
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直近2大会の優勝スコアは通算22アンダー(2013年、ヘンリック・ステンソン)、通算20アンダー(12年、ロリー・マキロイ)とロースコアが相次いでいる。初出場の22歳は「グリーンが硬いので計算して打たないと。短いホールではグリーンが小さかったりする。そう簡単にバーディ獲れるのかなって思います」と少々不安げ。ただし今年はマキロイも「例年よりもグリーンが硬い」という印象を持っており、イメージに他選手と大きなギャップがあるわけではない。
前週の「ザ・バークレイズ」では4日間で計120パットを叩き、優勝争いに加われなかった。今大会の練習場には6本前後のパターを持ち込んだ。しかし「替えませんよ。いつものように。(当日まで)分からないですけど…。僕と一緒で気分屋だから。いきなり入るかもしれない」と話し、スイッチの可能性は現時点では低そうだ。
「明日は分かりませんよ。替えるかも」とニヤリとした松山だが、今年パターを替えて試合に臨んだのは2月の「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」の初日だけ。その日はマーティン・カイマー(ドイツ)を破ったが、翌日の2回戦で元のエースパターに戻した。実戦では絶対的に信頼できる道具しかチョイスしないのが、怪物のスタイルのひとつ。
その理由を「調子が悪くてうまくいかないのに、(道具を)替えたら不安になるだけ。腕が悪いのに道具を替えても…悪い状態は変わらない」と語る。調子が悪く、望んだ結果が出なくても、まずはその原因を解き明かしたいというのが一番の欲求。「でも、調子がいい時は替える選択肢がないじゃないですか。だから結局、なかなか替えないっていう…」と苦笑いして話した。
フェデックスカップポイント24位で迎えた今週。既に第3戦「BMW選手権」の出場は決めているが、上位30人が出場の最終戦「ザ・ツアー選手権byコカ・コーラ」参戦のためには、気の緩みは許されない。不振の原因をあぶり出すため、懸命にプレーする。(マサチューセッツ州ノートン/桂川洋一)