感情と、自らのゲームをコントロールするタイガー・ウッズ
タイガーがモチベーションを高く保ち続ける秘訣
By Gregg Steinberg Special to PGATOUR.COM
数あるメンタルスキルの中で最も困難とされていることのひとつは、明けても暮れても練習に向かいあう動機を保つことだ。タイガー・ウッズは1996年のPGAデビュー以来、この難題をクリアできるスキルを持ち続けている希有なゴルファーだ。
タイガーはいかにして、彼のハートに火を灯し続けてきたのだろう?
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大きな要因のひとつは、彼自身のアイドルであるジャック・ニクラスのメジャー大会18勝の記録を破ることだろう。しかしそれだけだはないはずだ。タイガーは、彼自身を制御する術を知っているのだ。彼は日々のツアーで優勝したいと渇望しながら、ゴルファーとしての成長の機会を常に模索している。彼はさらに良いゴルファーとなるために、ゲームの中の失敗を糧に成長を続けているアスリートなのだ。
例えば今週の「WGCキャディラック選手権」でも、タイガーはスティーブ・ストリッカーにパットの指導をお願いした(皮肉なことにタイガーに優勝をさらわれたストリッカーは2位に終わった)。ストリッカーはタイガーに、もう少しスタンスをスクエアに構え、左手のグリップを若干弱めるようアドバイスを送った。そうすればインパクト後の両手の送りがスムースになるからだ。ストリッカーのアドバイスは効果てきめんだった。今大会で優勝しただけでなく、タイガーはキャリア最少となるパット数100で4日間を終え、27ものバーディを記録した。
スポーツ心理学の権威が提唱する理論を、タイガーは直感的に理解しているのだろう。自分自身をコントロールできるゴルファーとそうでない人を比較すると、彼はゴルフというスポーツを楽しむ傾向が強く、さほど心配症でなく、燃え尽き症候群になりにくく、いつまでも進化成長を続ける可能性があるタイプなのだ。
ところであなたはタイガーのようなタイプ?それとも最近の自己ベストに満足してしまうタイプ?
もしもタイガーのようなゴルファーになりたいのなら、以下のポイントを心に留めてラウンドしてみるとよいだろう。
1)上達するための失敗を恐れないで
ゴルファーの多くはスコアに影響を及ぼす失敗を恐れます。ここはひとつ「スコア至上主義」から「学び成長至上主義」に意識を切り替えてみよう。
2)ラウンド中のミスは成長に通ずる良い機会
ミスショットをしても感情的にならず、地図上の目印のように覚えておきましょう。次の練習の時にそのミスショットを改善すれば良いのです。
3)“ゴルフのエゴ”を解放しよう
新しいスイングや技を習得している時期は、自分のことを少し“おバカ者”くらいに思っておきましょう。仮にあなたが上達しても、ゴルファー仲間は妬みや、やっかみばかりで、笑ってくれたり称賛したりしないのだから。
あなたの長いゴルフ人生が、タイガーのように楽しいものとなるよう願っています。