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タイガー・ウッズとフィル・ミケルソンがメダイナで使用するクラブ

全米プロゴルフ選手権 事前

ゴルフ用具とは、科学的なデータと見た目やフィーリングといった非科学的な要素のバランスから成り立っていると言えます。では、ゴルフ界で最高の頭脳を誇る科学者2人は、どんなクラブ・セッティングで全米プロを迎えているでしょうか。ミケルソンのキャディーを務めるボーン・マッカイ。そして、タイガーを支えるのはスティーブ・ウィリアムズ。そのスティービーが担ぐ今週のタイガーのバッグの中身は、パター以外すべてナイキ。ドライバーがサスクワッチ・ツアー、3番ウッドはイグナイトでロフト角は15度、5番ウッドはT40でロフト角が19度。3番アイアンからピッチング・ウェッジまではナイキ・ブレード、あとは56度と60度のウエッジとなっています。

タイガー・ウッズ
「全英オープンとの大きな違いは、パー5のグリーンを高い弾道で狙うために、2番アイアンの代わりに5番ウッドを入れたことです。それ以外は同じですね」。

記者
「全米プロ用に特別に用意したクラブはありますか?」

フィル・ミケルソン
「今日はドライバーを2本にした代わりに、55度のサンド・ウェッジを抜きました。それでもまだ15本で、あと1本どれを抜くかは決めていません。メダイナは距離がある上、フェアウェイが狭くてラフが深いホールがいくつもあるので、何といってもティー・ショットがカギを握ります。比較的ワイド・オープンなホールやパー5では長い方のドライバー、タイトなパー4では短めのフェード・ドライバーを使い、ティー・ショットでは3番ウッドか4番ウッドも必要です。4番ウッドはラフからも打ちやすいように調整してあるのです。とにかくあと1本、どのクラブを抜くかはまだ考えている最中です」。

記者
「メダイナのパー5は、4番ウッドや5番ウッドを使い、高い球で攻める必要がありますか?」

フィル・ミケルソン
「そうですね。このコースでは高く上げてソフトに落とすショットが大切です。私が使っている4番ウッドはもともと5番ですが、ラフから残り200ヤードくらいの状況で高い球が打てるので、心強い武器となります」。

昨日の練習ラウンドの後も、ドライバーに関する決断はまだのようでした。

フィル・ミケルソン
「マスターズの時のように2本使うことも考えていますし、1本かも知れません。気温次第ですね。気温が高ければ、パー4で確実にフェアウェイに運ぶために3番ウッドでティー・ショットを打つことが多くなるので、ドライバーは長い方だけしか入れないつもりです」。

フェード用ドライバーのほうが短く、トウ寄りにウェートが配置されています。ドロー用はヒール寄りにウェートがあるのでヘッドが返りやすく、やや長めのシャフトが挿してあるので、飛距離が伸びるようになっています。

タイガーもミケルソンも、アイアンのセッティングはあまり変えていません。ミケルソンはこれまでと同じセットです。アイアンのセットは毎日欠かせない主食のようなもので、常に変える必要はないのです。しかし、ウエッジやウッドは、コースやコンディションに応じて使うものを選ばなければなりません。

タイガーはゴルフ用具に関しては保守的で、ロフト角やライ角も標準的なスペックで、あまり変えることはありません。特にアイアンがそうですが、あれだけうまくアイアンが打てるので、この10年間基本的な仕様はほとんど同じです。タイガーはコンディションに応じて、どのアイアンでどれだけの距離が打てるか、正確に把握していますね。アイアンのスペックは同じでも、ドライバーはヘッドが300CCでスチール・シャフトのものから、460CCでグラファイト・シャフトのものに変わり、ドライビング・ディスタンスはさらに伸びています。

一方、ミケルソンは芝の硬さに応じてウエッジを変えています。例えば、全米オープンでは64度、全英オープンでは60度と、ロフト角やバウンスの違うロブ・ウェッジを使いました。いずれにしても、タイガーやミケルソンは状況に応じたドライバーやウエッジを駆使し、優勝を重ねています。

ミケルソンは、練習ラウンドで時々違ったパターを試すほか、ウエスタン・オープンの最終日には、3日目までとは異なったパターを使いました。そして、今週はマスターズで優勝した時と同じパター、オデッセイのホワイト・ホットXGー9をバッグに入れているそうです。ミケルソンは今週、練習ラウンドでまるで2本の翼がついたように見えるパター、XGー7を試していました。ミケルソンは、「パッティングに満足していないわけではなく、さらにうまく沈められるようなパターを探しているだけ」と話しています。

一方タイガーは、パター以外のクラブ13本は全てナイキですが、パターだけは昔から慣れたものがいいという理由で、スコッティー・キャメロンのものを使い続けています。素晴らしいキャリアを築いてきたパターを、なかなか手放せないようです。選手は優勝のためにはどんなクラブも試してみるのでしょう。例えばホイレイクでは、今やあまり使われなくなったロング・アイアンや、バウンスの少ないウエッジを使う選手が目立ちました。このメダイナはバンカーが深いので、バウンスが大きいウエッジに変えるプレーヤーが多いかもしれません。

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