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メジャー3勝のアーニー・エルスのストーリー

全米プロゴルフ選手権 事前

「タイガー、ミケルソン、ビジェイのビッグ・スリーが話題となる一方、忘れ去られてしまったのがジム・フューリック」という記事が載っていました。一体、アーニー・エルスはどこへ消えてしまったのだろう。スポーツ心理学者やゴルフ・ファンが聞いたら驚くかも知れませんが、エルスは自分自身を“偉大な選手”とは思っていないようです。

アーニー・エルス
「私の辞書で“偉大なプレーヤー”とは、4大メジャー全てを征した選手です。タイガー・ウッズ、ベン・ホーガン、ジャック・ニクラス、そして、ゲーリー・プレーヤーが偉大な選手なのです。私は自分を優れた選手だとは思っていますが、キャリアの終わりまでには偉大な選手に昇格したいですね。そのためには、あとふたつのメジャーで勝たないといけません」

エルスは2000年、3つのメジャーで2位。もしもその3つで優勝していたら、タイガーの快進撃を止めていたことになります。そして2002年の全英オープン制覇の後は、メジャー15試合で優勝なし。その間、タイガーとミケルソンはメジャーで3勝ずつ、ビジェイは1勝。キャリア・グランドスラム達成を狙うエルスは、2004年の4大メジャー全てで優勝争いに絡みましたが、結局1勝も出来ずじまい。エルスは、偉大な選手の仲間入りに向けての道を探し続けています。

アーニー・エルス
「メジャーで何度も優勝を逃した頃、『なぜ思い通りの結果にならないのでしょうか?』といった質問をよく受けましたが、精神的に立ち直るのに、しばらく時間がかかりましたね。そして去年、膝の故障に泣きましたが、いいタイミングでゴルフから離れることができたと思います」

ケニー・ペリー
「エルスは世界のトップスリーにふさわしい全ての要素を兼ね備えていますし、輝かしいキャリアを築いています。私と同じように膝の手術を受けたとはいっても、エルスは本調子に戻りつつあると思いますね」

膝の手術から一年が経ち、エルス自身も本調子まであと一歩、と語っていますが、残された課題はひとつです。

アーニー・エルス
「パッティングが足を引っ張っているのです」

誰からも好かれ、スターになっても気取らない性格で知られるエルス。そんな彼にも、ゆったりとした歩き方やビッグ・イージーというアダ名とは裏腹な面もあったようです。

アーニー・エルス
「自分を追い込んでいた時期もありましたが、我慢強くなったと思います。酷いプレーをしているわけではなく、思い通りのゴルフが出来ないだけですからね」

今のエルスは、かつてないほど勝利に向けての気迫に溢れているように見えます。全英オープンの前にかなり練習を積んだにも関わらず、ホイレイクで惜しくも優勝を逃しただけに、今週は優勝を目指して燃えているでしょう。

アーニー・エルス
「当面の目標は、とにかく優勝すること。“全米プロ”でも他の大会でも構いません。早く勝ちたいです」

プレッシャーに負けない強さを証明してきたエルスは、2003年のプレジデンツカップ最終日、夕闇が迫る中、タイガーと引き分けとするパットを沈めました。また、2004年のマスターズ最終日は67、全英オープン最終日は68をマーク。それぞれ優勝こそ逃したとはいえ、決して自滅したわけではありません。しかし、エルスが既にメジャーで7勝か8勝を挙げていたかも、そう考える人々は厳しい見方をするかも知れません。

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